冷却塔（れいきゃくとう、）とは、水などの熱媒体を大気と直接または間接的に接触させて冷却する熱交換器の一種で特に屋外に設置するものをさす。また、加熱に使用するものを加熱塔と呼ぶ。一般的な熱交換器と同様、流れの方向によって以下のように分類される。冷却能力を表す指標として、冷却トンが用いられる。1冷却トンは13L/minの水量を標準的な温度条件（入口冷却水温度37℃、出口冷却水温度32℃、入口空気湿球温度27℃）で冷やすときの冷却熱量で定義され、1冷却トン = 約4.535kWである。冷却水の温度を一定に保つため各種制御が使用される。冷却能力は、水量、風量、冷却水温度、大気温湿度など多くのパラメータに依存している。しかし移動単位数(NTU)という無次元数を用いると、パラメータを減らし解析を容易にすることができる。NTUには、冷却塔が出せる能力を表す有効NTU（available NTU、(NTU)）と、温度等の仕様条件から計算される必要NTU（required NTU、(NTU)）の2種類がある。ここで解析の際には、横軸に水空気比"N" （水の質量流量 / 空気の質量流量）をとってそれぞれのNTUをグラフに表し、それらの交点、すなわち(NTU) = (NTU) となる水空気比"N" が実際の運転状態を表すことを利用して冷却能力などを求める。開放型の場合は水が蒸発するので補給水が必要であり、下部に溜まった水が少なくなれば自動的に補給されるようになっている。循環する間に腐ったり、藻が発生することもあるので防腐剤や防錆剤などの薬品を投入することがある。この水が飛散すると防腐剤入りの雨が降ることになるので、古いビルの下を歩くときは注意が必要である。既述のとおり、レジオネラ菌の発生には特に気を付けなければならず、法令（建築物環境衛生管理基準）に従い冷却塔及び冷却水の定期的な点検・清掃等が必要である。

出典:wikipedia