渋滞(じゅうたい、英語:traffic jam、traffic congestion)とは、インフラストラクチャーの能力を越える動体の流入により移動速度が遅くなった状態をいう。道路交通上の交通渋滞を特に渋滞と呼ぶこともある。交通渋滞の定義は、道路管理者や交通管理者ごとに異なっている。例えば、警視庁では統計上、下記を渋滞の定義としている(警視庁交通部 交通量統計表)。しかし渋滞長がいくら長くても、1回の青信号で信号待ち車列が全て捌ける場合は、一般には渋滞とは呼ばない。渋滞の原因は、一般道路と高速道路で異なる。上り坂が渋滞の原因になるのは主に高速道路であって、一般道路での渋滞の最大の原因は信号交差点である。道路の1車線には1時間あたり約2,000台の交通容量がある。例えば、片側2車線の単路部(立体交差のように信号のない部分)の交通容量は1時間あたり約4,000台であるが、これを超える量の車両が流入すると渋滞が発生する。高速道路上で、渋滞最後尾や、車間距離が詰まって速度が急に低下した場合の自動車の運転手は、追突事故の防止のためにハザードランプを点滅させて、後続車に注意を促す暗黙の了解があるが(道路交通法では特に定められてはいない)、NEXCO3社では本用法を推奨している。2010年、米外交専門誌は、世界で最も交通渋滞が深刻な都市として、モスクワ、ラゴス、メキシコシティ、サンパウロ、北京の5つの都市を挙げている。このうちサンパウロでは2008年9月に、世界で最も長いといわれる165マイル(約265km)超の渋滞が発生している。また、2010年8月14日には、中国の北京~ラサ間のG110国道と京蔵高速道路で100キロに及ぶ渋滞が10日以上にわたって続いた。また英BBCの2012年の調査によれば、バンコク、ジャカルタ、ナイロビ、マニラ、ムンバイの上位5都市が、渋滞が深刻な世界の都市としてランクインしている。中国吉林省吉林市において、これまでの統計とバスに搭載された端末を通じてデータを元に信号の設定を変えた結果、車両の平均時速が上がり渋滞緩和に成功した。道路が他の道路や踏切と平面交差している事により、結節点としての効果を発揮する代わりに円滑な交通を妨げになっていた。そこで立体的に交差することより、効率よく通行することができる。具体例として小田急電鉄小田原線成城学園前駅から登戸駅を連続立体交差化した結果、実施前は旅行速度8km/hに対して実施後は旅行速度19km/hと大幅に向上することに成功した。道路の容量を超えると渋滞する原因の一つであることから、全国各地で道路拡張やバイパス道路建設を進めている。秋田南バイパスのケースでは、国道7号線のバイパスとして建設された結果、整備前の23km/hから整備後32km/hと速度向上できた。しかしながらその後、一部区間で慢性的な渋滞が発生し問題となっていた。そこで4線化に着手した結果、新屋跨道橋交差点では整備後旅行速度は3倍向上した。東日本高速道路(NEXCO東日本)の調べによると、高速道路の道路渋滞は交通集中を原因とする渋滞が約7割を占め、さらに上り坂及びサグ部での渋滞がそのうちの約7割となっているという。具体的には、上り坂やザク部での車の速度低下により、後続の車が車間距離を空けようとブレーキを踏み、その動作にさらに後続の車が反応することで旅行速度の著しい低下を招く、というものである。そこでNEXCO東日本では、LED発光パネルを道路脇に複数設置して進行方向に流れるように光るシステムを開発した。その装置によりドライバーは光の流れを意識するようになり、速度向上を自然と意識するのが狙いである。LED発光パネルが初めて設置されたのは2011年2月に三陸自動車道利府ジャンクションが最初である。実際に設置を行った箇所では以前より速度向上し、後続車も追随することにより渋滞延長は2100m から800mと短くなり、渋滞継続時間は50分から30分へ短縮した。現在ではNEXCO東日本ではペースメーカーライト、首都高速道路ではエスコートライト、NEXCO中日本では速度感覚コントロールシステムという名称で設置を行っている。イギリスロンドン市では、2003年にコンジェスチョン・チャージ(いわゆる渋滞税)を導入をした結果、交通量が20%減少し、渋滞遅延時間も30%減少した。2009年に警察庁と日本自動車連盟が共同で中央自動車道小仏トンネルで8台の車が一斉に車間距離40mを空けて走行した結果、実施前の平均時速55km/hから80km/hに回復した実験結果が出ている。これは車間距離を詰め過ぎると前の車に反応した後ろの車によってスピードが落ちるので、距離が40m空けることにより防ぐことができる。1987年の年末年始から日本道路公団で渋滞予測情報提供が始まり、現在ではNEXCOと日本道路交通情報センターが提供している。これにより渋滞する日付と時間帯が分かり渋滞を避けられる。なお的中率は8割程度で、外れる原因としては天候やメディアで紹介された場所へ人々が殺到することが挙げられる。
出典:wikipedia
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