周波数(しゅうはすう 英:frequency)とは、工学、特に電気工学・電波工学や音響工学などにおいて、電気振動(電磁波や振動電流)などの現象が、単位時間(ヘルツの場合は1秒)当たりに繰り返される回数のことである。短縮して、「周波」と表記される場合がある(高周波、低周波)。周波数は、波動や振動の周期の逆数であり、単位は「ヘルツ」(Hz) が使われる。かつては、「サイクル毎秒」(c/s、略して「サイクル」)が使われていたが、1970年代にヘルツに切り替えられた(日本における切替えは1972年7月1日に施行された改正計量法による)。振動数も英語では frequency でありほぼ同義であるが、「周波数」がおもに電気・電波に関する工学用語として用いられるのに対し、「振動数」は力学的運動など自然科学(理学)における物理現象に用いられることが多い。波動現象において、周期を "T" [s] とすると、波の周波数 "f" [Hz] は次のように定義される。さらに、波の速さを "v" [m/s]、波長を "λ" [m]とするとまたはという関係が成り立ち、周波数 "f" はで表される(等速円運動・単振動などの現象については、振動数の項を参照)。真空中を進む電磁波の場合、その位相速度 "v" は光速 "c" に等しい。すなわち、上の式は次のようになる。単色光源から発した波動がある媒体から別の媒体へと伝わる際、その周波数は全く変化せず、波長と位相速度だけが変化する。高い周波数は周波数カウンタを使って測定することが多い。入力された電気信号の周波数を測定し、結果をヘルツ単位でデジタル表示する電子機器である。水晶振動子を使ったデジタル回路で、一定時間内の周期をカウントして周波数を求める。もともと電気信号ではない物理現象の周波数を求める場合は、適当なトランスデューサーによって電気信号に変換して周波数カウンタに入力する。最近の周波数カウンタは最高で 100 GHz 程度までカバーしている。これが直接測定できる周波数の限界であり、これ以上の高い周波数を測定するには間接的技法が必要になる。周波数カウンタで測定できない高い周波数の電磁波は、ヘテロダインという周波数変換技法を使って間接的に測定する。基準となる既知の周波数の信号とそれに近いが正確な周波数の不明な信号を非線形なプロセスで混合すると、2つの周波数の差にあたるヘテロダインまたは「うなり」と呼ばれる信号が発生する。この信号は周波数が十分低いので、周波数カウンタで測定可能である。もちろん、こうして測定できるのは基準となる周波数との差分であり、基準となる周波数は別の方法で確定する必要がある。さらに高い周波数を測定するには、ヘテロダインを数段使用する。最近では、この技法で赤外線から可視光の周波数まで測定可能である。放射エネルギーは電磁波の形で伝播するエネルギーである。例えば太陽光や電気による光がこのエネルギーの形態である。ヒトが眼の網膜に持つ錐体細胞と言う光学センサで感知できる可視光は、その周波数(または波長)によって様々な色として感じられる。(なお、同じく網膜に存在する杆体細胞では色は感知できない。)可視光は、電磁波のスペクトル全体(電磁スペクトル)の中ではごく一部である。可視光より周波数の多い光として、より波長が短い紫外線 (UV) があり、これはヒトの視覚では感知できない。(なお、紫外線を感知できる生物もいる。)逆に周波数の少ない光として、より波長の長い赤外線 (IR) があり、ナイトビジョンなどの熱を探知する機器で利用される。紫外線よりさらに周波数が多い(波長が短い)電磁波は、X線やガンマ線と呼ばれる。逆に赤外線よりさらに周波数が少ない(波長が長い)電磁波は、マイクロ波、メガヘルツ(MHz)からキロヘルツ(kHz)といった単位の周波数を持つ電波がある。さらに自然界にはミリヘルツ(mHz)やマイクロヘルツ(μHz)の周波数の電波も存在する。2ミリヘルツの電波の波長は、1天文単位(地球と太陽の平均距離)とほぼ等しい。さらに、1マイクロヘルツの電波の波長は、0.0317 光年。1ナノヘルツ(nHz)の電波の波長は、31.6881光年である。音は、固体・液体・気体を媒体として伝わる振動(疎密波)であり、特に可聴域の周波数の振動を指す。ヒトの可聴周波数(可聴域)は20 Hzから2万 Hz(20 kHz)(ただし、ヒトの可聴域の上限は加齢と共に低下してゆく)とされており、純音(サイン波)であれば周波数が上がるにつれて音高も上がったように感じられる。また、ヒトの音に対する感度は周波数によって異なっていて、周波数が違えば、たとえ同じ強さ(同じ音強、同じ音圧)であっても、違う大きさに感じられる場合がある。(詳しくは、等ラウドネス曲線などを参照のこと。)ヒト以外の生物の可聴域はそれぞれの種によって異なる。例えばイヌは犬種によっては最高で約6万 Hzまでの音が聞こえる。音を感知する聴覚は重要な感覚の1つであり、様々な生物種が危険を察知したりするのに使い、さらに捕食やコミュニケーションに使っている。音波は様々な状態の物質を媒体として伝播し、固体・液体・気体だけでなくプラズマでも伝播する。ただし、真空中では音は伝播しない。なお、ヒトの可聴域より高い周波数の音波を、超音波と呼ぶ。逆に、ヒトの可聴域より低い周波数の音波は、超低周波音と呼ぶ。ヨーロッパ、アフリカ(リベリアは60 Hz、他の地域も50 Hz、55 Hz、60 Hzが混在)、オーストラリア、南アメリカ南部、アジアの大部分(朝鮮半島は60 Hz)、ロシアといった地域では、交流の商用電源周波数は 50 Hz、北アメリカ(アラスカとグリーンランドは50 Hz)、南アメリカ北部では 60 Hz である。日本では東日本が 50 Hz、西日本が 60 Hz となっている。録音におけるハム音はこの電源周波数の雑音であり、周波数を分析することでどちらの地域で録音されたかが判別できる。便宜上、より長くてより遅い波(水面波など)は、周波数 よりむしろ周期で記述する傾向がある。短くて速い波(オーディオやラジオなど)は、通常周期の代わりに周波数によって記述される。これらの一般的に用いられる変換は、以下のリストで示される:
出典:wikipedia
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