リチウム電池(リチウムでんち)は、負極に金属リチウムを使った化学電池である。リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池は、負極にリチウムイオンを吸蔵する炭素等を使った二次電池であるため、リチウム電池とは区別される。もっとも普及しているコイン型リチウム(CR系)一次電池は正極に二酸化マンガンリチウム、負極にリチウムを使用している。リチウム二次電池としては正極にマンガン複合酸化物、負極にリチウム・アルミニウム合金を使用するマンガンリチウム二次電池(ML系)が普及している。ここではリチウム一次電池について記す。リチウム電池は、陽極の素材により次のような種類に分類できる。表中の「記号」とは、IEC 60086で定められた規格名称 (CR2032など)の1文字目である。最も広く使われているものは二酸化マンガンリチウム電池である。公称電圧は3ボルトと、円筒型乾電池(マンガン乾電池やアルカリ乾電池)のちょうど倍である。硫化鉄リチウム電池は公称電圧が円筒型乾電池と同じであるため、リチウム乾電池として単3形と単4形が製造されている。二酸化マンガンリチウム電池は、正極に二酸化マンガン、負極に金属リチウム、電解液には、有機溶媒にリチウム塩を溶解させたものを用いている。化学反応式は次の通り:負極に使う金属リチウムは、反応性が極めて高いので、アルミニウム等との合金を用いる場合も多い。金属リチウムは水と反応して水素を発生するため、電解液には有機溶媒が使われる。プロピレンカーボネートやγ-ブチロラクトン、ジメトキシエタン等が多く用いられる。また、電解質には、無機や有機の含フッ素化合物や過塩素酸のリチウム塩が用いられる。リチウムは金属で最大のイオン化傾向を持つため、これを負極として用いると正極との電位差が得られて高い出力電圧となる。また、リチウムは最も軽い金属であるため、重量当りの電力容量も大きくなる。自己放電が少なく寿命が長い。10年経過しても90%の容量を維持する。有機溶媒に水よりも融点の低い溶媒を選んで用いるため、-40℃から85℃までの低温/高温環境でも使用可能である。有機溶媒の採用によってイオンの移動度が低下し大電流の放電には向かないが、粘性が高いために液漏れは起こしにくい。このような特性から近年は非常用や軍用の電源に使用されている。コイン型リチウム電池製品の外形形状は、例えば直径が20mmで高さが3.2mmであることを示す"CR2032"などのように、6桁の型番の規格名で表される。コイン型の電池としては、リチウム電池だけ正極と負極の配置が他の電池とは逆になっており、取り囲む側が正極である。コイン形など小型のものはあまり一時的に大電流を必要としないが長期間無交換が好まれる多様な電源として用いられ、主な用途は、リモコン、時計、電子メータといった各種の小型電子機器や、LEDキーホルダーや電気浮きなどの電源にも利用される。住宅用火災警報器でも、10年間電池を取り替えることなく安定した電源として使えるリチウム電池が用いられている。円筒形など大型のものは高い電圧と大電流を流すことができるため古くはフィルムカメラの駆動用として用いられた。2015年現在はLEDライトを中心に様々な小型機器の電源として使われるほか、航空宇宙分野など産業、軍用としても幅広く利用されている。2015年現在、家電量販店等で単3形、単4形で一般的な乾電池と同じ1.5V(初期電圧は1.7V)のリチウム電池が販売されており小型電子端末の乾電池式充電器の電源として利用されている他、長期間保存できアルカリマンガン乾電池と比較して軽く、幅広い温度域で使用できることから防災用備蓄電池としても利用されている。但し初期電圧が1.7Vあることから豆電球式の懐中電灯では電球の耐電圧などの対応が必要である。
出典:wikipedia
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