吉胡貝塚(よしごかいづか)は愛知県田原市にある遺跡。蔵王山南麓の汐川河口左岸側に位置する縄文時代晩期末葉から弥生時代前期の貝塚遺跡で、1922年(大正11年)10月と翌年3月に行なわれた京都帝国大学の清野謙次による発掘調査で302体の縄文人骨が出土し、その名を知られることとなった。1951年(昭和26年)、文化財保護委員会(現・文化庁)による文化財保護法に基づく最初の発掘調査が行なわれて、土器・石器・骨角器の他に埋葬人骨が数多く出土し、縄文時代の研究資料において大きな成果を得た。同年12月26日には国の史跡に指定された。その後も1983年(昭和53年)の調査が行われ、また1993年(平成5年)から2000年にかけて史跡指定地とその周辺が公有化され、その上で2001年度から2006年度に亘る再度の調査が行われた。後に公園として整備され、2007年11月より「吉胡貝塚史跡公園」として公開されている。大規模な貝塚1か所と小規模な貝塚4か所によって構成されていることが近年の調査で確認されているが、住居遺構に関しては未だ見つかっていない。遺物は縄文時代中期から中世までのものが多数発掘されている。貝類では、ハマグリが最も多く、オキシジミ、アサリ、マガキなどが、鳥獣類も多様で、サル、ウサギ、キツネ、ブダイ、スズキ、マグロなどの骨格が出土している。「国指定史跡吉胡貝塚の保存及び活用を図るとともに、郷土に残る文化遺産に関する市民の関心を高め、郷土文化の向上に寄与する」ことを目的として設置された史跡公園で、愛称は『シェルマよしご』。吉胡貝塚資料館のほか、貝塚平面展示施設・貝塚断面展示施設および体験広場からなる。また、園内には田原藩11代藩主三宅康直の隠居屋敷であった矢崎御殿跡の石垣が残る。2007年開館。資料の展示室と体験学習室を備えた2階建ての資料館で、貝塚はもちろん縄文遺跡としては最大の出土数の埋葬人骨(現在までに362体)について重点的に扱い、出土品のほかに模型なども展示している。体験学習室では勾玉や貝殻アクセサリー作りなどの体験学習ができる。さらに市内の学校への出前講座も行われている。資料館以外の公園部は通年常時公開されている。調査で露出した貝塚と出土した土器などの遺物を、発掘した状態のまま保存され、上から覗き込むように見学できる。1951年に調査を行った墓地区画の断面の堆積状態や人骨の埋葬状態が再現されている。この施設には壁がなく、貝塚と周囲の地形との関係が解りやすくなっている。芝生広場などがあり、火おこしや石器作りなどの体験学習もできる。
出典:wikipedia
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