ワールド・サラブレッド・ランキング(World Thoroughbred Rankings)とは、世界の競走馬の競走成績を基にして国際競走馬格付け委員会が競走馬のレーティング(ハンデキャップ)数値を表す能力指数のことである。旧称は「ワールド・サラブレッド・レースホース・ランキング」であったが、2008年度より「ワールド・サラブレッド・ランキング」、2014年度から、ロンジンの協賛により「ロンジン・ワールド・ベストレースホース・ランキング」に改名されている。元々1977年にイギリス、フランス、アイルランドの3カ国でスタートし、その後拡大されてきたレーティングをインターナショナル・クラシフィケーションと銘打っていたが、競馬の開催シーズンの分岐点が国・地域によって異なり(日本の場合は1月1日~12月31日を1年の基・終点とする)、香港、オセアニア、アラブ首長国連邦などのように発表時期の1月がシーズンの途中であるため、世界規模の統一したレーティングを出しにくいというデメリットも生じた。そこで、2004年度の発表から年間2回(1月、8月)にそのレーティングを発表し、全世界的な競走馬のランキングを出しやすくするようになった。8月の回では主に前年8月基点-当年7月終点の国をランキング発表の対象にしている。なお、全世界上位50頭のレーティングについては1月、8月を含む年間5回程度発表される。これらのレーティングは国際競走の格付け認定のための重要なファクターとなる。各競走4着までの入線馬の平均レーティングを基に、GIでは115、GIIは110、GIIIは105、またはそれ以上の平均レーティングが必要となっている。なお、性別や産地などの条件によって負担重量が減じられたときはレーティングもその分減算されるため、それらの馬を対等評価するときはその減量分をポンド換算した値を加算してから比較するということがしばしば行われる。例えば、牝馬2kg減の競走で性別差を排して換算をするときは、2kgは約4ポンドなので牝馬のレーティングに4を加算して比較する。問題としてあげられるのが、どうしても欧米(特にヨーロッパ)馬偏重になってしまうことである。各国の競走馬が、たとえ自国で活躍しても、欧米のレースや、もしくは欧米の馬と戦い、そして先着しないとそれらの馬には高いレーティングを与えられないという問題がある。近年ではディープインパクトに対するレーティングをめぐり、英国の日刊競馬新聞である「レーシング・ポスト」紙が2006年の世界チャンピオンをディープインパクトとした例がある。ワールド・サラブレッド・レースホースランキングに名称を改めた2004年以降は、全体的にヨーロッパの馬のレートが下がると共に、アメリカや日本を含むその他の地域の馬が評価される傾向があり、問題はやや解消されてはいるが、依然としてこのような問題は残っている。また、僅差で勝った馬には、勝った相手が名馬であることを除けば比較的低いレーティングを与えられることが多い。要するに、レースのペースや馬場状態などを考慮せずに、単純に千切ったかそうでないかで決められる。実際、神の馬と呼ばれたラムタラの勝ったレースは、着差がわずかなためレーティングがそれほど高いわけではない。また、ラムタラの件に関しては、オーナーが中東勢の人間であったために意図的にレーティングを低くしたのではないかと一部でささやかれた。2013年1月、過去のレーティングが見直されることになった。ワールド・サラブレッド・ランキングと、その前身であるインターナショナル・クラシフィケーションにおいて、1977年の開始から1990年代までの評価が、その後に比べて全体に高すぎる傾向にあったというのが見直しの理由である。この見直しによって、1977年は全馬が7ポンドのマイナス、1978年は全馬が6ポンドのマイナス、1979年は全馬が5ポンドのマイナス…、というように、1977年から1991年まで、最大7ポンドから最小1ポンドのレートが引き下げられた。2004年に関しては逆に全馬に1ポンド加算されることになった。この結果、それまで141ポンドと評価されてきたダンシングブレーヴが138に、140ポンドのアレッジド、シャーガーがそれぞれ134、136に引き下げられることになった。この引き下げには賛否両論がある。日本では、このワールドランキングを参考に毎年1月と8月、「JPNサラブレッドランキング」(旧:JPNクラシフィケーション)が発表される。(8月は上半期分=7月までを対象)ワールドランキング数値の決定法に則って、世界各地の競走に出走して100ポンド以上の評価を得た日本調教馬(国内産、外国産問わず)、並びに国際競走などで日本の競走に出走した外国調教馬でベストの評価を得た馬がレーティングの対象となる。なお、中央競馬会のハンデキャップ作成委員によるフリーハンデが『優駿』誌上で発表されたのは1962年度(1963年)からである。"負担重量に関する用語は、負担重量の記事も参照のこと。"レーティングは成績表にある材料のみで作成する。斤量、着差、メンバーの実績から判断するのが基本である。着差の換算基準は、マイル1kg=1馬身=2ポンド、1ポンド=0.45kg1馬身=1秒のおよそ1/5、2馬身は1秒の3/10、6馬身は1秒に等しい。また1kg斤量が重くなると1600メートルから2000メートルの中距離で約1馬身遅くなる。短距離では半馬身、長距離では約2馬身の差をもたらす。
出典:wikipedia
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