七尾線(ななおせん)は、石川県河北郡津幡町の津幡駅から、石川県七尾市の和倉温泉駅に至る西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線(地方交通線)である。IRいしかわ鉄道線(旧:北陸本線)から分岐する路線で、能登半島南部を縦断する。もともとは同半島北部の輪島駅までの路線であったが、1991年に和倉温泉駅以南が電化され、非電化のままとなった和倉温泉駅 - 輪島駅間はのと鉄道に移管された。また、七尾駅 - 和倉温泉駅間 (5.1km) は、のと鉄道を第二種鉄道事業者とし、特急列車はJR西日本が、普通列車はのと鉄道が運行している。なお、和倉温泉駅以北ののと鉄道七尾線はJR西日本が第三種鉄道事業者、のと鉄道が第二種鉄道事業者である。また、七尾駅 - 七尾港駅間の貨物支線も存在したが、民営化前に廃止されている。津幡駅でIRいしかわ鉄道線と接続しているが、宝達駅付近で天井川をくぐるトンネルの絶縁の問題などを考慮し、交流電化のIR線とは異なる直流電化とされ、IR線との接続地点付近にデッドセクションが設けられた。よって全列車が交直流電車で運転されている。2015年3月14日の北陸新幹線長野駅 - 金沢駅間の開業により、並行在来線区間にあたる北陸本線金沢駅 - 直江津駅間はIRいしかわ鉄道等(IRいしかわ鉄道は、金沢駅-倶利伽羅駅間)に経営分離されたが、並行在来線にあたらない七尾線は経営分離の対象とはならず、新幹線開業後も引き続きJR西日本が運営する。これにともない、七尾線はJRの他の路線に接続しない完全な飛び地路線となった。IRいしかわ鉄道が管轄する津幡駅をのぞき、全区間を、JR西日本金沢支社の七尾鉄道部が管轄している。北陸新幹線の金沢開業後は金沢駅以東に乗り入れる特急をすべて廃止する方針を示していたが、石川県の要請を受けて、2014年1月28日に6往復は維持したまま、うち1往復(特急「サンダーバード」)は大阪駅直通とし、残り5往復を金沢発着のシャトル列車とすることがJR西日本から発表され、同年10月7日に後者のシャトル列車の列車名を特急「能登かがり火」に決定したと発表され、2015年3月14日より運行を開始した。また、同年7月7日に金沢発着の観光列車として特急「花嫁のれん」が土休日および多客期に2往復運行することが発表され、2015年10月3日より運行を開始している。北陸新幹線の金沢開業直前までは特急「サンダーバード」が4往復、エル特急「しらさぎ」が1往復、特急「はくたか」が1往復運転され、北陸本線(当時)と直通運転していた。現行の6往復と運転本数に変動はないが、特急の運転間隔は見直され、和倉温泉駅を特急「サンダーバード」36号が発車した直後に特急「はくたか」21号が発車するダイヤは廃止されている。2004年3月13日から、朝ラッシュ時に七尾駅 → 金沢駅間で特急「おはようエクスプレス」が運転されていたが、2010年3月13日のダイヤ改正で廃止された。このため、特急「サンダーバード」の上り始発列車・下り最終列車が宇野気駅・高松駅・良川駅に停車することで補われ、北陸新幹線の金沢開業以降は上りの特急が「能登かがり火」2号、下りが特急「能登かがり火」7・9号に引き継がれている。かつては、金沢駅からのと鉄道に直通する急行「能登路」が運転されていたが、輪島方面直通が2001年3月3日、珠洲方面直通が2002年3月23日のダイヤ改正で廃止された。のと鉄道の移管前は、上野駅と金沢駅を結ぶ急行「能登」が七尾線輪島駅まで休日を中心に延長運転されていたが、1991年2月23日限りで運行を終了した。また、七尾線が電化される前の一時期には、大阪駅 - 金沢駅間でエル特急「雷鳥」に併結されて運転される気動車の特急「ゆぅトピア和倉」が七尾線へ乗り入れていた。津幡駅 - 和倉温泉駅間は割安なB特急料金が適用され、営業キロが51km以上でも「おトクな特急料金」により50kmまでと同額に抑えられている。特急用定期券「パスカル」も同様に設定されている。2015年3月13日までは同様に金沢駅 - 津幡駅間もB特急料金の区間であったが、「特急料金の例外」は設定されていなかった。北陸新幹線または北陸本線 - IRいしかわ鉄道線 - 七尾線間の運賃・料金は通過連絡運輸が設定されている。ただしIRいしかわ鉄道線内はグリーン料金の設定がない。また金沢駅で、当日中に北陸新幹線から七尾線特急に乗り継ぐ場合と七尾線特急の乗車日の当日または翌日に北陸新幹線に乗り継ぐ場合は七尾線の特急料金に対して「乗継割引」(IRいしかわ鉄道の特急料金は無割引)を適用することができる。さらに2015年3月14日乗車分から改札口を出ないで当日中に金沢駅で北陸本線特急との乗継となる場合、和倉温泉駅 - 湖西線 - 大阪駅間(米原経由は対象外)で通しの特急料金(全区間A特急料金で計算)・通しのグリーン料金を適用することができるようになった。津幡駅から金沢駅までの「特定の列車による折り返し区間外乗車」(かつての特急「はくたか」が該当していた)と「分岐駅を通過する列車に乗車する場合の特例」はこの区間がIRいしかわ鉄道へ経営移管されたことにより廃止された。七尾線の普通列車はほとんどが七尾駅発着で、すべて金沢駅まで乗り入れている。区間列車として金沢駅 - 高松駅間の系統がある。この区間系統は2015年3月14日の北陸新幹線の金沢開業に伴う改正で朝の1往復の運転日が平日・土曜日のみから毎日運転に変更され、また金沢発の始発列車と東京発最終の「かがやき」に接続するため、朝5時台と夜23時台に1往復増発された。これによって最終列車の時刻が繰り下がって翌日にまたがるようになり、始発列車の時刻が繰り上がった。日中時間帯は1時間あたり1本程度が運転されている。以前はラッシュ時に松任駅・美川駅・小松駅まで直通運転する列車が設定されていたが、2014年3月15日にこれらすべての列車が系統分割され、普通列車は金沢駅発着に統一された。電車がワンマン運転に対応しないため、中津幡駅 - 徳田駅間の無人駅(夜間無人駅になる駅も含む)では車掌が切符の回収や定期券の改札を行うことがある。2010年3月13日のダイヤ改正までは、金沢駅 - 七尾駅間で快速列車も設定されていたがすべて廃止された。廃止日前日時点での停車駅は次のとおりであった。七尾駅 - 和倉温泉駅間ではJR西日本の普通列車は運転されておらず、JR西日本の七尾駅以南(羽咋方面)に直通する普通列車は運転されていない。すべての普通列車がのと鉄道の列車としてのと鉄道の車両で運転されている。七尾駅 - 能登中島駅間で夜間に1往復の区間列車があるほかは、すべて七尾駅 - 穴水駅間を通しで運転している。JR西日本とのと鉄道の直通列車については、七尾線部分廃止後も快速「能登ふるさと博号」(金沢駅 - 穴水駅間)などの臨時列車で運転された実績があるほか、北陸新幹線開業による二次交通の充実化、利便性を図る実験として、2011年9月24日・25日に2両編成の気動車で金沢駅 - 穴水駅間で1日1往復運転された。原則としてワンマン運転が実施されているが、観光列車「のと里山里海号」(カジュアルコース)にはアテンダントが乗務している。なおカジュアルコースは普通車両を連結している場合でも沿線アナウンスなどは観光車両のみ流れ一般車両は通常放送のみである。そのため観光目的で徐行や停止などする場合でも普通車両では詳細を知らされない。特急「能登かがり火」の列車番号は3000番台が付番され、下りが3001Mから始まる奇数、上りが3002Mから始まる偶数となっている。特急「花嫁のれん」の列車番号は8000番台が付番され、下りが8011Dから始まる奇数、上りが8012Dから始まる偶数となっている。特急「サンダーバード」の列車番号は金沢駅で列車番号を変更し、IRいしかわ鉄道線内と七尾線内は北陸本線内の列車番号から2000を差し引いた2000番台が使われる。エル特急「しらさぎ」と特急「はくたか」の列車番号も3000番台が使われていた。いずれも金沢駅で列車番号が変更され、エル特急「しらさぎ」は単純に3050を足した列車番号が使われていたが、特急「はくたか」は金沢駅 - 越後湯沢駅間とは奇数・偶数が逆転した独自の列車番号が使われていた。金沢駅 - JR七尾線(高松駅発着を含む)間の普通列車の列車番号は、上りが820M、下りが823Mから始まる番号が運転区間にかかわらず順番に付番され、かつての小松駅発着を含めて、直通先でも列車番号の変更をしない。ただし直通先の一部区間で曜日運休する場合はその運休となる区間については七尾線の列車番号に1000を足した番号が使われた(かつての美川駅・松任駅 - 金沢駅間)。七尾駅 - のと鉄道七尾線間の普通列車の列車番号はのと鉄道の付番規則に従い、上りが120D、下りが121Dから始まる番号が運転区間にかかわらず順番に付番され、観光列車「のと里山里海号」に変更して運転される場合や併結して運転される場合がある普通列車は500を足した列車番号が使われている。普通列車として運転せず単独のダイヤで運転される観光列車「のと里山里海号」は、「ゆったりコース」は号数に600を足した列車番号が、「カジュアルコース」は号数に9600を足した列車番号が使われている。特急「能登かがり火」の一部と「サンダーバード」はグリーン車指定席を連結した6両編成で運用されている。特急「能登かがり火」2号・7号のみ、グリーン車なしの3両編成で運用されている。特急「能登かがり火」も特急「サンダーバード」も、普通車の一部には自由席が設定されている。特急「花嫁のれん」は全車指定席でグリーン車なしの2両編成で運用されている。特急「能登かがり火」「サンダーバード」「花嫁のれん」すべてが全車禁煙席で、喫煙ルームも設置されていない。2010年3月13日より特急「サンダーバード」の運用が3両編成からグリーン車を連結した6両編成に変更されたのに対し、エル特急「しらさぎ」と特急「はくたか」は七尾線内の廃止直前までグリーン車なしの3両編成のままであった。特急「はくたか」はJR西日本所属だけでなく北越急行所属の車両の乗り入れもあった。特急「サンダーバード」の普通車指定席の一部(3号車の一部)には女性専用席が設定されている。この特急「サンダーバード」は折り返し特急「能登かがり火」として運用されるが、特急「能登かがり火」には女性専用席が設定されていない。観光列車「のと里山里海号」は、運転日が土休日中心の「ゆったりコース」は全車指定席ですべて2両編成で運用される。水曜日を除く平日を中心に運転される「カジュアルコース」は1両編成で運用され、単独で運転される場合と普通列車と併結して運転される場合がある。「カジュアルコース」は全車自由席ではあるが、乗車整理券が必要である。この他に穴水駅 - 七尾駅間で送り込みを兼ねた穴水発七尾行きの普通列車が片道のみ設定されており、追加料金なしで利用できる(アテンダントによる案内・サービスはない)。津幡駅 - 七尾駅間は原則として3両編成で運用されているが、朝夕のラッシュ時には6両編成で運転される列車もある。七尾駅 - 和倉温泉駅間は原則として1両編成で運用されているが、朝夕のラッシュ時には2両編成で運転される列車もある。415系は2001年3月3日の改正まで急行「能登路」としての運用も存在した。客用ドアの開閉は通年で、押しボタン式の415系とNT200形は押しボタンによる半自動ドア扱い、押しボタンがない413系は手動による半自動ドア扱いとなる。ただし、観光列車「のと里山里海号」(カジュアルコース)と併結されるNT200形の普通列車は半自動ドア扱いを行わない場合もある。なお、413系が北陸本線(主に金沢駅 - 直江津駅間)で定期運用されていた時代は冬季(12月1日 - 3月31日)のみ手動による半自動ドア扱いであった。前述のように、津幡駅付近にデッドセクションがあるため、電車では交直両用車両のみが乗り入れ可能で、デッドセクション通過中は415系も413系も非常灯のみ点灯する。2011年の東日本大震災における国鉄型電車の車両部品不足の際、521系電車の乗り入れも検討されていたが、部品調達の目途が立ったため立ち消えとなり、2012年3月現在、当路線内での営業運転が行われた実績はない。なお、521系はデッドセクション通過中も消灯しない。415系電車800番台の車体塗装は、上半分を先頭車は青、中間車はピンクとし、下半分をグレー、境界に白帯という基調になっていたが、2010年2月から順次、輪島塗をイメージした赤色一色に塗装変更された。413系も、七尾線で定期運用を持つようになってからもしばらくの間は北陸地域色または青色単色塗装のままであったが、2015年4月から順次、七尾線で運用されている415系800番台と同じ輪島塗をイメージした赤色一色に塗装変更された。2011年から415系の、2012年からNT200形のラッピング車両が順次登場している。七尾線の普通列車の旅客流動は和倉温泉駅に向けて駅ごとに減っていく階段状のパターンになっていて、ラッシュ時はかほく市近郊から金沢市近郊で特に混雑する。2007年11月13日における七尾線の旅客流動は以下の通りである。2012年5月29日には鉄道利用調査が石川県と富山県によって合同実施された。七尾線は、国が建設すべき鉄道を記した鉄道敷設法に北陸線の一部として盛り込まれた。のちに北陸本線となる部分は第一期予定線に編入されたが、七尾線となる部分は編入されなかった。一方、1897年には七尾港が特別輸出港の指定を受け貿易港となるが、この指定は一定量の輸出量を維持ができなければ取り消されるため、金沢など、加賀地方からの貨物を集める目的で、地元の船主などが出資して七尾鉄道が設立され、翌年開業した。七尾線はこの七尾鉄道を鉄道国有法によって国有化したことを端緒とする。七尾から先は国鉄の手で建設が進められ、部分開業を繰り返しながら1935年までに輪島駅までの全線が開通した。半世紀ほど後の1987年からは七尾線電化の議論が活発化する。JR西日本と地元自治体との交渉の結果、津幡駅 - 和倉温泉駅間を電化し、和倉温泉駅以北の経営はすでに能登線の営業を引き受け開業していたのと鉄道に委ねることとなり、1989年に津幡駅 - 和倉温泉駅間の電化と和倉温泉駅以北の運営方式の変更を運輸省に提出し、2年後の1991年に電化・転換がなされた。その後、のと鉄道に引き継がれた区間のうち、乗客減少のため2001年に穴水駅 - 輪島駅間の第二種・第三種鉄道事業が廃止され、現在に至っている。便宜上、全列車が乗り入れるIRいしかわ鉄道線金沢駅からの区間を記載する。IRいしかわ鉄道線内の貨物駅は省略する。線内の駅のうち、津幡駅がIRいしかわ鉄道直営駅(共同使用駅)、羽咋駅・七尾駅・和倉温泉駅の3駅がJR西日本直営駅、宇野気駅と高松駅がジェイアール西日本金沢メンテックによる業務委託駅、本津幡駅・宝達駅・能登部駅・良川駅の4駅が簡易委託駅、残りの10駅は無人駅である。「列車到着メロディー」は津幡駅をのぞく全駅への設置が完了している。一部の駅をのぞき、列車接近の案内音声の後、春季は「春の小川」、夏季は「われは海の子」、秋季は「もみじ」、冬季は「雪」が列車到着前より流れるようになっている。和倉温泉駅では「和倉音頭」が流れる。2015年4月には、七尾線の駅のうちの7駅(七尾駅、能登二宮駅、良川駅、能登部駅、金丸駅、羽咋駅、宇野気駅)で列車到着メロディーが、一青窈の楽曲ハナミズキに変更された。1991年よりのと鉄道に移管された区間(JR西日本は第三種鉄道事業者として引き続き施設を保有)。下記のうち穴水駅 - 輪島駅間は2001年に廃線となった。この区間の現状についてはのと鉄道七尾線を参照。( ) 内は七尾駅からの営業キロ
出典:wikipedia
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