『ひかりごけ』は武田泰淳の短編小説。ひかりごけ事件をモチーフにしたレーゼドラマ（演じるより読むことを目的とした作品）。映画化などもされている。小説といっても、一風変わった形式を採られている。この小説を3つに分けるとすると、一つが随筆に似たようなもの、残りが戯曲形式のもの、となっている。但し、作者は2つの戯曲風部分について『読む戯曲』として表現した、読者がこの上演不可能な『戯曲』の演出者になりきって欲しい旨を作中に述べている。実際には舞台化、オペラ化がなされている。大岡昇平の『野火』や野上弥生子の『海神丸』などの他カニバリズムを扱った作品と作中で比較を試みているが問いと告発のみが提示され、カニバリズムを犯した人を誰が裁けるのか？と問う中で、決して救済が描かれていない。題名のひかりごけは、罪を犯した人間の背後には光の当たり方によって輝き方が違うヒカリゴケのように、光る輪が現れる、という作中の設定から。『ひかりごけ』新潮文庫（新版解説：川西政明、佐々木基一）ISBN 4-10-109103-X
収録作品1992年、ヘラルド・エース製作・配給で公開。スタッフキャスト

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