ファウルボール()とは、野球、ソフトボールにおいて打者の打球がフェアゾーンに入らなかったもののことである(例外あり)。公認野球規則2.32において定義がなされている。単に「ファウル」とも呼ばれる。野球のフィールドは本塁と一塁を結ぶ線、本塁と三塁を結ぶ線の2本のファウルラインで区切られており、このうち捕手以外の守備側の選手や二塁ベースが存在する側をフェアゾーン(フェアグラウンド)、それ以外をファウルゾーン(ファウルグラウンド)と呼ぶ。なお、ファウルライン上はフェアゾーンである。ファウルボールとは、打者が打った打球が次のようになったものをいう:以上の定義は公認野球規則2.32により定められている。審判員がファウルボールの判定を行う際は「ファウルボール」と発声し、両手を上方に広げたジェスチャーを行う。ファウルボールが捕球されなかった場合はボールデッドとなる(公認野球規則5.09(e)の原文、「捕球」はノーバウンドでの捕球を指す)。走者は投球当時の占有塁に戻り、打者は打ち直す。このとき、ボールカウントが0ストライク、または1ストライクの場合は、ストライクカウントが1つ追加される。2ストライクの場合は、ボールカウントはそのままで再開される。飛球は、ファウルゾーンに飛んだものであっても、グラウンドに落下する以前に野手が捕球した場合は、フェア地域で飛球が捕球された場合と同様になる。すなわち、打者はアウト、ボールインプレイである。走者にはリタッチの義務が発生し、リタッチをした後は進塁を試みてもよい(タッグアップ)。打者はファウルボールを何本打っても、そのこと自体によりアウトになることはない。しかし、2ストライク後にバント(スリーバントと呼ばれる)した打球がファウルボールとなった場合は第3ストライクが宣告され、打者は三振でアウトになる。このルールが追加される前は、意図的にバントで繰り返しファウルボールにし、相手の投手を疲れさせ降板させようとする戦法が広く使われていた。現在でも投手に多く投球させるために「カット」と称して、自分に不利な球筋の投球に、当てるだけのバッティングを行いわざとファウルボールにする戦術は行われているが、バントに比べれば難しい行為である。打球が一度本塁と一塁または三塁の間のファウルゾーンでバウンドしても、そのまま静止するか、一塁または三塁のファウルゾーン側を越えるか、プレーヤーなどに触れない限りはファウルボールとはならない。プレーヤーなどに触れ、ファウルボールと判定されるまではボールインプレイである。打球にスピンがかかっていたり、イレギュラーバウンドをしたりするなどの理由で、打球のバウンドが変わってファウルグラウンドからフェアグラウンドに入ってくる場合があるが、最初に打球が野手に触れた地点がフェアゾーンであるならば、それ以前に本塁と一塁または三塁の間のファウルゾーンでバウンドしていたとしても、フェアボールとなる。メジャーリーグベースボールでは、ファンがボールを返さなかった事がきっかけで、からファウルボールをプレゼントするサービスが始まった。日本プロ野球の一軍公式戦でスタンドに入ったファウルボールは全球場で観客が持ち帰れる(ファウルフライを捕球し打者をアウトにした一塁手・三塁手が、ファンサービスとして投げ込むこともある)が、かつては景品と交換して返却するか、あるいはただ返却する制度が一般的だった。二軍戦やアマチュア野球では最寄の係員に返却することが一般的である。阪神甲子園球場での選抜高等学校野球大会や全国高等学校野球選手権大会では持ち帰ることができる。いずれの場合においてもファウルボールをグラウンドに投げ返してはならない。プロ野球において、飛んできたファウルボールにぶつかって大怪我をする事例も少なくない。主催者側は安全に運営する一定の義務はあるものの、チケットの裏面には試合観戦契約約款第13条が記載され、主催者側には責任がない旨が明記されている。過去にファウルボールで負傷した観客が球場側に損害賠償を求めた事例において、仙台地方裁判所は、野球には臨場感が欠かせない要素であるとした上で、「過剰な安全施設はプロ野球の魅力を減らす」として、一定の安全対策をしていれば充分としている。例えば楽天球団等は、不慮の事故に備えてヘルメットの貸し出し等を行っている。それと同時に楽天球団は「試合中はボールから目を離さないでほしい」と呼びかけている。各球場に増設されたフィールドシートの大部分においては、ヘルメットが貸与され着用するよう呼びかけられ、グラブも貸与される球場もある。一部の球場はこれら事故に対応するため、保険に加入している所もあるが、基本的にはその場での応急処置までしか求められないので注意が必要である。ファウルボールが飛んでくる危険性のある席で観戦する際には、ヘルメットやグラブの着用が望ましく、ボールから目を離したり、売り子と話す時も充分な注意が必要である。酔っている状態等、回避できそうにない場合は、より安全な席を利用したほうが良い。入場時において、著しく酒気を帯びている者は主催者によって入場拒否される場合がある。ただし、身体に何らかしらの要因があり、ボールを避ける能力を有しない者でも観戦自体は自己責任で行う事ができる。また補助犬等も入場する事ができる。ボール等の追いかけ等、他の観客に損害を及ぼす行為も禁止行為となっており、例えば東京ドームでは、ファンサービスとしてボールが投げ込まれた際、怪我のないよう十分注意した上で、投げ込み実施時にはボールを追いかけてはならず、席を離れないようホームページ上で呼びかけている。しかしながら、実際には、防護ネットを外した札幌ドームでは09年には94件、10年には99件と毎年100件近くの事故が発生している。大きな事故事例としては、宮城球場で2005年に児童が頭がい骨陥没骨折する事故が、2008年に右目眼球破裂事故が起きている。札幌ドームでは失明する事故が2007年と2010年に発生している。2010年の事故では、札幌ドームや北海道日本ハムファイターズ、札幌市らを相手取った裁判となり、札幌地方裁判所が被告に対し4195万円あまりの損害賠償を命じる判決を下した。メジャーリーグにおいては、少なくとも過去に5件以上の死亡事故が発生している。過去の事故においては、ために、相応の注意が必要である。マスコットのパフォーマンスや、試合中の飲食物の販売に気をとられる事もあるが、注意が必要である。球場ではアルコール等も販売しているが、ボールを回避できない程の飲酒は危険である。アメリカの裁判事例においては、マスコットが観客の注意を逸らせたとして球団に責任認めた事例があるものの、日本の裁判事例においては、売り子からビールを購入したことが契機となってボールから目を離したために発生した事故についても、自己責任であるとしている。日本ではファウルボールがスタンドに入る時は笛とアナウンスで注意されるが、アメリカではそのような注意がなく、自分での判断が求められる。2009年4月19日には、阪神タイガースの鳥谷敬の打った打球が、右翼席最前列にいたビールの売り子にぶつかるという事故が発生している。観戦ではなく、手に荷物を持ち、ボールから目を離すことも多いが、ヘルメット着用などの義務はされていない。
出典:wikipedia
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