『タイムボカンシリーズ 逆転イッパツマン』(ぎゃくてんイッパツマン、英語表記:Ippatsuman)は『タイムボカンシリーズ』の第6作目として、フジテレビ系列で、1982年2月13日から1983年3月26日まで、毎週土曜18時30分 - 19時00分の放送枠に於いて全58話が放送された、タツノコプロ制作のテレビアニメである。前作『ヤットデタマン』に続いて、巨大ロボットが登場。主人公がこれまでの少年少女から青年となり、シリアス味が増した作風となった。視聴者の興味を惹くために主人公のイッパツマンの正体など、多くの謎を散りばめ、シリーズのマンネリを打破しようと工夫が凝らされた。主人公の声優はシリーズのナレーターを長年に渡って担当した、富山敬が務めた。時に20%を越える視聴率を記録し、放送回数は好評につき、6話延長された。そのうちの3回はストーリー本編とは関係のない番外編的なストーリーが含まれていた。歴代シリーズとしては『ヤッターマン』以来の放送回数の延長であり、マンネリの声も上がりはじめていた、タイムボカンシリーズの人気が息を吹き返した作品だった。土曜18時30分枠の放送時間帯は本作が最後になるなど、同シリーズの転機となった作品でもある。ナレーションは富山に代わり、鈴置洋孝が起用され、独特の絶妙な語り口が物語を盛り上げている。本作から、CM後にアイキャッチが挿入されるようになった。登場する人物、組織等固有名詞に野球用語が多用されている。西暦1990年。国際企業番付で、常に業界トップの業績を誇る「タイムリース社」は依頼があれば時空を越えて、過去、未来、現代の世界各地に荷物を届ける「タイム運搬」事業を開始した。一方、業界第2位のライバル企業「シャレコーベリース社」のオストアンデル北部支社は業績絶不調。会長のコン・コルドーは支社の重役3人に、タイム運搬の妨害を命じる。重役3人が変身した「クリーン悪トリオ」に襲われたハル坊がピンチ通信を出すと、イッパツマンが必ず助けにやって来る。オストアンデル市にある、常に業界トップの業績を誇る会社。所在する市名の由来は、平賀源内がまんじゅうを外来語っぽく称した「押すと餡出る」から。社員は福利厚生施設のビーナスタウンに居住している。運営には、国際平和機構が深く関わっている。この団体は来るべき宇宙開発時代に備え、念動力で遠隔操作できる「サイキックロボット」の開発を進めていたが、シャレコーベリース社のコン・コルドー会長がその技術を執拗に狙っていた。そのため、シャレコーベリース社はタイムリース社に妨害を仕掛け、その妨害に対抗するためのイッパツマン、という構図が出来上がった。バレルトコマール山脈のチチハハ湖の湖底に基地があるが、第53話のレイケツナイトの攻撃で、大損害を出した。創業わずか8年で、タイムリース社に次ぐ業界第2位の規模と実績を誇る巨大企業に成長したリース会社。本社はヒネルトジャー市所在。この市名は「オストアンデル」と同じように蛇口を外来語っぽく呼んだ言い方である。全世界に支社が千社ある(第1話の次回予告より)。第2話の全支社長会議の描写ではそれ相応の相当な数の支社長が出席していた。そのため、規模の大きいグループ企業であることが分かる。支社長会議では業績ではなく「他社の妨害をどれだけやったのか」が報告内容となっている。支社対抗のかくし芸大会やコルドーの撮り下ろしによる映画鑑賞会を年中社内行事として行っているが、鑑賞会の方は出席しないとギャラを天引きされるというノルマが課せられている。その実態は、地球人の宇宙進出を妨害するために飛来した宇宙人が、作戦の一環として作った会社だが、真の狙いは前述の星ハルカを使ったサイキックロボット技術の奪取とサイキックロボット(イッパツマン)の抹殺であり、シャレコーベリース社による妨害工作はそこからタイムリース社の目をそらすためのカモフラージュであった。そのため、終盤になってコン・コルドーの計画が最終段階に入り、星ハルカが行動を開始すると会社は用済みとなり、コン・コルドーはクリーン悪トリオと隠球四郎に解雇を言い渡した直後、シャレコーベリース社を計画倒産させた。シャレコーベリース全支社の中でも万年最下位で別名「オシてもアンもでない敗北社」。社屋は外から見ると立派で、タイムリース社の社屋に負けないくらいの未来的なビルだが、門をくぐると、その外見はハリボテで、門の中にある実際の社屋は今にも崩れそうなビルである。敷地内には廃車置き場があり、クリーン悪トリオのシャレコーベダチョウはここから出動する。屋内の様子も、中小企業のオフィスと大して変わらず、コンピュータもほとんど導入されていない。本作における三悪の総称。決めゼリフは「イエスダー。」。その正体はオストアンデル北部支社の三幹部で、タイムリース社への営業妨害と信用失墜のために悪事を働くが、いつも失敗する。各話の最後、番組当初はなじみのショットバーやファミレス、第10話以降はビル近隣に出る屋台「うえだや」で酩酊し、クダを巻きながら「人間やめて、何になる!?」と人間以外の生き方を想像するが、結局は「今の状態がまだマシ」に落ち着く。名前の由来は「クリーンアップトリオ」のもじりである。第12話では、ヒゲノ部長やマジ営業部員といったタイムリース社の面々からは「卑劣」呼ばわりされ、第35話では花咲か爺の善吉の財産を奪おうと企む、意地悪爺の悪兵衛に協力するなど、あくどい事を行っている。ワンポイントキャラが出てきたり、拍子抜けするような事態が発生すると、3人が「シビビン、シビビン、シビビンビーン!」と言いながら、コクピット内を飛び回る。社の倒産後は廃墟と化した支社跡地で新事業を立ち上げながらの共同生活を始めようとしたが、今市のせいで台無しになり、「イッパツマンの最期の地」に招待したミンミン=コルドーも倒されたことで拠り所を失った3人はそれぞれ新たな人生へと旅立っていったが、なぜかそうとも知らず同じ幸福行きの列車に乗っていた。常に業績トップで、社屋は近未来的なデザインの高層ビルになっている。作中に登場する際、大半は支社長の隠球四郎のいる支社長室で、社内の様子に関しての描写はほとんど無いが、室内の様子から、コンピュータ導入の進んだ最新鋭のオフィスである事がわかる。シャレコーベリース社の下請けの巨大メカ工房。コスイネンの設計要求に基づき、巨大メカを製作している。社名の由来は本作の制作に携わった、アニメフレンドから。第30話はタイムボカンシリーズで唯一とされている、悪玉トリオが勝つ回である。コスイネンは自分たちの活動を妨害する、イッパツマンを排除すべきと考え、一念発起して、山篭りを決行。オストアンデル北部支社を2週間、無断欠勤した。その結果、イッパツマン打倒の秘策を思いつき、同僚を使って、偽の依頼をタイムリース社に出し、イッパツマンを誘い出す。偽の依頼によって出動した、トッキュウザウルスの情報をもたらすべく現れた、コン・コルドーの前で、コスイネンはその行き先を言い当て、コルドー、ムンムン、キョカンチンたちを驚愕させた。一方、隠球四郎もイッパツマン打倒を画策し、イッパツマンを狙撃するためにダイヤモンド弾頭のライフル弾を用意していた。クリーン悪トリオが動き出し、球四郎はそれを追う。誘い出されたイッパツマンはコスイネンが作った瞬間硬化弾によって、逆転王もろとも身動きを取れなくされてしまう。イッパツマンは逆転王のコクピットから脱出するが、球四郎のライフルが彼を狙っていた。イッパツマンの右胸にダイヤモンド弾丸が命中し、イッパツマンは全身が粉々に砕け散った。だが、倒されたイッパツマンは超能力者の豪が遠隔操作(サイキックウェーブ)でコントロールしていた、サイキックロボットだった。豪の命を守るために作られたが、イッパツマンが倒された時に受けた衝撃が豪にも伝わったため、豪は3日間、意識不明となっていた。新イッパツマンにはダイヤモンド弾丸を跳ね返す、超硬質フォームラバーが身体に備え付けられたが、このフォームラバーは豪の超能力を受け付けないため、豪自身がイッパツマンとなって戦う。『ゼンダマン』の第51話はアクダマンが勝ったが、このときは明確な勝利とされていない。『ヤッターマン』の第45話は相打ちではあるが、ドロンボーはヤッターワンを破壊している。ただし、勝ったわけではなく、引き分けであり、ドクロストンを得られなかったので、ドクロベーのお仕置きは行われた。『オタスケマン』の第52話で、オジャママンのジュゴンメカはオタスケキンタの両足を切断した上で凍らせている。セコビッチはとどめを刺そうとしたが、オタスケマンの正体を暴く作戦が残っているからと、ゲキガスキーがそれを止めさせた。この時の映像はビデオに納めて保存してあり、そのマスターテープはスイス銀行に預けてある。しかし、50年後にはビデオのテープが使えるデッキがなくなってしまう。第53、54話では、三悪が黒幕に見限られて殺されそうになるという、シリーズ初の事件が起こった。隠球四郎がホームベーサーからコンピューターディスクを盗み出し、イッパツマンのサイキックウエーブの波長を知って、イッパツマンを自在に操る作戦を画策。クリーン悪トリオはコン・コルドーから1年間の活動の褒美として、1週間の有給休暇と小遣い1,000万円を貰う。球四郎がコルドーに作戦を報告すると、コルドーは「あの『能無しトリオ』に最後の有給休暇を与えた」と教え、球四郎は「あいつら、生かしておくだけ無駄!」などと発言。休暇が終わり、ムンムンの部屋に集合したクリーン悪トリオに対し、コルドーはその部屋を電車に改造して、北部支社の地下まで送り込むと、ミンミンによって、レイケツナイトの体内に強制的に閉じ込め、コルドーはクリーン悪トリオに「1年間ご苦労であった! 後は地獄で苦しむが良い!!」と、それまでの黒幕には無かった強烈な引導を渡して、レイケツナイトを出撃させた。イッパツマンが球四郎のサイキックウエーブから逃れ、三冠王に搭乗して、レイケツナイトを攻撃。その結果、クリーン悪トリオは下部のハッチから脱出して助かった。それまでのシリーズで、三悪を操っていた黒幕は三悪を見限る事は一度も無く、今回の件がシリーズ初である。これはコン・コルドーの最終目的が「地球人の宇宙進出阻止」、球四郎の目的が「サイキックロボットを悪用して、世界征服を成し得る」のに対して、クリーン悪トリオの目的が「オストアンデル北部支社の業績アップ」「自身の生活のため」で、あくまでも「陽動作戦」的な目的だったためである。クリーン悪トリオは辛うじて生き延び、コン・コルドーの命令に従わないと決意するが、コルドーはクリーン悪トリオが生きていた事を知り、「オストアンデル北部支社の貧乏状態」「ムンムンの豪に対する失恋」を、ミンミンに変装して知っていたため、クリーン悪トリオはコルドーの言いなりにならざるを得なかった。本作では他に、コスイネンとキョカンチンが連敗に嫌気がさして、立ち食い蕎麦屋を開こうとするが、ムンムンに知られて失敗したり(第14話)、コスイネンがオストアンデル北部支社の仕事が無いことに嫌気が差して、モウカル産業に転職するが、モウカル産業はコルドーに買収され、コスイネンは元に戻る(第35話)など、「黒幕から去ろうとしても上手くいかない」ことがあった。当初はサラリーマン生活をモチーフとして、「サラリーマン」というタイトル案が出ていた。「逆転サヨナラマン」のタイトル案もあったが「シリーズが終わるようで、縁起が悪い」ということで、野球ファンでもある読売広告社の大野実の発案で「逆転イッパツマン」に決定した。野球をモチーフにしたのは当時、読売ジャイアンツで活躍した、中畑清の愛称が「ヤッターマン」で、スランプで、ヒットが出なかったバッターがようやく打ったら「ヤットデタマン」がスポーツ新聞の見出しになるなど、タイムボカンシリーズのタイトルがよく使われていたことから「それなら、最初から野球ネタで行こう」と決まり、タイトルに沿って、キャラクター名も野球にちなんだものとなった。ただし、「イッパツマン」が本放送中、スポーツ新聞の見出しを飾ることはなかった。実際の日本プロ野球界でも、オリックス・ブルーウェーブ(現:オリックス・バファローズ)所属の高橋智外野手の応援歌として使われ、その後はオリックスのチャンステーマとして使用されている。オリックス・バファローズの北川博敏内野手(当時)が打席に入る際の登場テーマ曲として、大阪近鉄バファローズ時代の2003年から、本作の主題歌を使用していた。ただし、2009年以降はチャンスになった場合のみ使用した。これは北川が近鉄時代の2001年に代打逆転サヨナラ満塁ホームランを放ち、優勝を決めたことにちなむ。系列は当時の系列。2015年9月現在は、ファミリー劇場にて放送中である(本放送当時と、ほぼ同様のフォーマットで放送)。
出典:wikipedia
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