『超音速攻撃ヘリ エアーウルフ』(ちょうおんそくこうげきヘリ エアーウルフ、『"AIRWOLF"』)はアメリカ合衆国のテレビドラマ。アメリカではCBSで1984年1月22日から1986年5月29日まで全55話が放送された。「エアーウルフ」とは作中に登場する攻撃ヘリコプターの名前。日本では1986年9月26日に日本テレビ系『金曜ロードショー』で『エアーウルフ 砂漠の空を制圧、ジェット機774区間を撃破する超音速攻撃ヘリ』のタイトルでパイロット版が放送され、その後、同年10月26日から1987年10月28日にわたってテレビシリーズが放送、その間にスペシャル版として金曜ロードショーで1987年3月20日に『激闘ハイテク空中戦』のタイトルでシーズン2の2作品を2時間に編集し、放送された。放送時間帯は、1987年3月までは毎週日曜22:30 - 23:25(この時期はローカルセールス扱いのため一部系列局では未放映)、1987年4月以降は水曜21:00 - 21:54(原則として全国ネット)。本項では続編の『新エアーウルフ 復讐編』についても扱う。ベトナム帰還兵の主人公、ストリングフェロー・ホークが、秘密裏に開発された攻撃用ヘリコプター・エアーウルフを駆使して様々な事件を解決する特撮スカイアクション・テレビドラマシリーズ(詳細はパイロット版のあらすじ参照)。中央情報局(CIA)の秘密作戦遂行のために、「悪魔的天才」とも揶揄される科学者チャールズ・ヘンリー・モフェットによって10億ドルの費用と20年の歳月をかけ開発された“マッハ1・プラス・アタック・ヘリコプター”「エアーウルフ」。軍関係者や連邦議会議員を招いて行なわれた展示飛行の最中に、招待者の一人に働きを正当に評価されていないと思い込んだ、当のモフェット自身がエアーウルフで招待者たちを攻撃。モフェットはエアーウルフと共にリビア(日本語吹替音声では「北アフリカ某国」)へ逃亡した。開発計画の責任者でエアーウルフの銃弾を浴び、左目失明・左足不随の大怪我をしたCIA特別作戦部長マイケル・コールドスミス・ブリッグス3世(コードネーム「アークエンジェル」。大天使の意)は、敏腕パイロットで今は山荘で暮らすストリングフェロー・ホークにエアーウルフの奪還を要請。ホークは友人のドミニク・サンティーニと共に、北アフリカの「カダフィ大佐 夏の館(DVD-BOXでは英字幕も「カフィール 夏の館」に変更されている)」に潜入、モフェットと対決し、エアーウルフの奪還に成功する。しかし、今度はホークが、人知れぬ土地(ネバダ砂漠の「神の谷」と呼ばれる地域)にエアーウルフを隠匿してしまう。ホークは「エアーウルフを返してほしければ、ベトナム戦争で未帰還兵となった、兄のセント・ジョンの生死を確認し回答せよ」と政府に要求。アークエンジェルは「政府のホークへの逮捕に関する情報をホークに教えること」や「CIAの情報網でジョンを探す」、代わりに「CIAの作戦にエアーウルフを使わせ秘密要員として参加する(経費はもちろん政府持ち)」取引をホークに持ちかけ承諾を取り付ける。これをきっかけにホークはエアーウルフを使い、世界の各地で様々な事件を解決していく。※パイロット版にはテレビ放送用のCBSバージョンとビデオ発売用のムービーバージョンの2通りがあり一部BGMと編集が異なる。ムービーバージョンが一話完結なのに対して、CBSバージョンはシリーズ化を前提としたシーン(アークエンジェルがホークに今後も協力を要請する場面等)が追加されている。日本では『金曜ロードショー』にてCBSバージョンを放送、CICビクターから発売されたビデオソフトではムービーバージョンが収録されている。エアーウルフの母体となったのはベル・ヘリコプター・テキストロン社のベル 222。ほぼ同時期に製作された『ブルーサンダー』に比べるとエアーウルフ本体や装備の性能は荒唐無稽な設定となっているが、逆にこのことがSFアクションとして痛快なアクションシーンを生み出すバックボーンともなっている。飛行シーンなどに使われた実機のエアーウルフは放映当時、全米各地のエアショーのデモフライトに借り出された。観客のほとんどはテレビでのエアーウルフの性能を事実と受け止めていたらしく実際にマッハで飛行できると信じて疑わなかったようである。現実にヘリコプターが出せる最高速度の限界は約400km/hと考えられている。撮影に使用された機体(ベル222、製造番号47085、機体記号N3176S)は撮影終了後しばらくは全米各地の航空ショーで飛行・展示されていたが、チェーンガンやターボシステム等の撮影用外装部品を取り外して元の状態に戻し、塗装を変更した上でドイツの航空会社に売却された。(この時登録ナンバーはD-HHSDに変更された。)その後救急ヘリコプターとして運用されていたが、1991年6月6日に雷雨に巻き込まれ墜落したため、オリジナルの機体は失われた。一方オリジナルの外装部品は個人コレクターが所蔵していたため、2006年にテネシー州ピジョンフォージのヘリコプター博物館が、この外装部品から直接型を取って複製し、廃棄された別のベル222に取り付けて原寸大のレプリカを作成した。その後ヘリコプター博物館が閉鎖されたのに伴い、セバービルにあるテネシー航空博物館に移されて展示されていたが、2015年にカリフォルニアの個人コレクターに売却された。塗装色は"ファントム・グレー・メタリック" (デュポン Imron 5031X)と、殆ど白に近いパールホワイトの2色である。シーズン3第2話「レーザー発射!新開発レッドウルフを撃破せよ」にて、ハーラ・ジェンキンスは、航空学校時に同期だったホークにライバル心を持ち、モフェットの一番弟子となり、博士の死後、特別作戦部と協力してエアーウルフの2号機「レッドウルフ(Redwolf)」を完成させている。外見上の違いは、エアーウルフの白い部分と機首部分が真紅に塗られ、空中給油口、ターボエンジンは搭載されていない。主要装備のミサイルポッドは1門のみだが連射やある程度の方向を変えることが可能、ミサイルはエアーウルフ同様にヘルファイヤー・コパーヘッド・マーヴェリックの3種を搭載、さらに機首部分にレーザー砲が追加されている。レッドウルフとしての登場は一度のみだが、後述する『新エアーウルフ 復讐編』にて、エアーウルフ第3のバージョン「スコーピオン」として映像が流用されている。その他にも、数々の実在または架空の戦闘兵器が登場している。作曲担当は、映画『コブラ』『ホット・ショット』『ネイビー・シールズ』等の音楽を手掛けたシルヴェスター・リーヴァイ。一般販売のオリジナル・サウンドトラック盤はない。日本では人気が高かったため、『ナイトライダー』とカップリングの日本録音のカヴァー演奏レコード/CDがスターチャイルドレーベル(キングレコード)から「超音速攻撃ヘリ エアーウルフ/ナイトライダー」(品番:K30X 7096)として1987年10月21日に発売された。編曲者は美野春樹(オーケストラ曲)、川井憲次(シンセサイザー曲)。他に、ドイツのGALAXISから“AIRWOLF WONDER WEAPON”と題されたカヴァー盤が出て、近年再発もされたが、劇中BGMとは似ても似つかない音楽の寄せ集めで、テーマ曲も人間の口によるものらしい「チーシッ」というドア閉め効果音の後に主旋律をシンセで繰り返すだけのものであった。もう1つ、イギリスのSILVA SCREENから発売のオムニバス盤各種に、ダニエル・ケイン指揮のカヴァー演奏が収録されているが、最初の間奏メロディーが登場しない。この派生としてオムニバスCD "AIRWOLF HITS'N'ACTION" (EDL 2581-2)がドイツEdeltonより1991年に発売されているが、これに収録されたエアーウルフテーマはSILVA SCREENのライセンス下のもので、CDのクレジットに"ORIGINAL THEME FROM AIRWOLF (P) ORIGINAL SOUND RECORDING MADE BY MICHEL JONES PRODUCTION FOR SILVA SCREEN RECORDS.LTD"と表記されている。後年、北アイルランド在住のファン、Mark J. Cairnsによる2枚組サントラCDが自主制作(版権元より権利は得ている)で限定発売された。1枚目にはCairnsが耳コピで作った、より間違いの少ないカバーバージョンのテーマおよび劇伴が、2枚目にはシルヴェスター・リーヴァイ自身によるオーケストラ演奏のトラックが収録されている。しかし2007年6月現在、再版の予定はなく、Cairnsのウェブサイトwww.airwolfthemes.comでは、2007年クリスマス・シーズンよりプロモ盤収録曲のMP3データ販売を同サイト上で実施している。また、サントラ第2集の製作も予定されているものの、時期は未定となっている。上記のサウンドトラックのほか、以下の関連商品が発売された。『新エアーウルフ 復讐編』(しんエアーウルフ ふくしゅうへん、『"AIRWOLF"』)は、アメリカではUSAネットワークで1987年1月23日から1987年8月7日にまで全24話が放送され、日本では『エアーウルフ』の後番組として日本テレビ系で1987年11月 - 1988年3月にわたって水曜21:00 - 21:54に放送された。CIA所属の秘密チーム「騎兵隊」が、ホークからCIAに返還されたエアーウルフを駆使して様々な事件を解決する特撮アクション・ドラマ。登場人物は前作とは異なり、前作でのホークとアークエンジェルのような裏取引はなく、また、エアーウルフのパイロットは固定されていない。アメリカではあくまで『エアーウルフ』シーズン4の位置づけであるが、放映局はケーブルTVのUSA Networkへ移っている。旧エアーウルフはフィルム撮影であったが、『新エアーウルフ』はビデオ撮影がメインになった 。ただし制作費の関係で、予算がかかる特撮シーンの大半は旧作から流用されている。エアーウルフの舞台(サンティーニ航空)はアメリカ・カリフォルニアの砂漠地帯だが、『新エアーウルフ』はカナダのバンクーバーで撮影したため、カリフォルニアにはほとんどない針葉樹林が多く登場したり、雨や曇りのシーンが多く、旧作からの流用シーンとの違和感がある。前作の登場人物の出演は、第1話のホークとドミニクのみでケイトリンは全く登場しない。ホークはジャン=マイケル・ヴィンセントが演じた。しかしドミニクは体型の似た役者による後姿のみの登場で、画面に映るのも死ぬ直前の僅かなシーンだけである。CIAのエアーウルフ担当であったアークエンジェルは転任となりジェイソン・ロックが後任となる。前作で行方不明となっていたホークの兄、セント・ジョン(ジョン)の所在が明らかになる。ベトナム未帰還兵捜索・救出計画の指揮官であるCIAの傭兵・ブーシャール大佐がエアーウルフ欲しさに人質として捕らえていたのだった。ブーシャールはスパイを送ってドミニクの経営するサンティーニ航空のヘリコプターを爆破、ドミニクの姪のジョー・サンティーニの眼前でドミニクは死亡、ホークも重傷を負う。ジェイソンは、空軍少佐マイク・リバースの協力を得てエアーウルフの隠し場所“神の谷”の位置を割り出し、その場所で、飛行するエアーウルフを目撃する。隠し場所に着陸したエアーウルフのコクピットから現れたのはジョーだった。3人はエアーウルフでジョンの救出に向かい、これに成功する。こうしてジェイソン指揮の下でジョン、ジョー、マイクの4人により、新たにエアーウルフを運用するチーム「騎兵隊」が結成されることになった。アメリカでは、全24話が放映された。日本でも、当初は全話放送予定(当時の新聞では全26話)であったが、全エピソードのうち19本が放映されただけに留まった。残り5本は未放映のままだったが、2007年8月4日にSuper! drama TVにて『エアーウルフ』シリーズの放送が開始し、この5話分を含む全4シーズン(全80話)が放送された(Super! drama TVの公式サイトで言及されている)。なお、未放映分は下記エピソードリストの第9話・第10話・第22話 - 第24話(最終話)。上記放送は、完全版として米国放送順で放送された(日本では初めて)。これは、1980年代に放送された時にはカットされていた部分を字幕で補うもの。日本未放映だった「5話分」は全編字幕版で放送された。主演のジャン=マイケル・ヴィンセントは一躍スターダムに乗り、1話分のギャラは20万ドルとも言われ、当時のアメリカのテレビドラマ界で最高金額であった。しかし、ヴィンセントはこの頃からアルコール依存症とドラッグの問題を抱えるようになり、酔ったまま撮影現場に現れ、台詞が覚えられない等、撮影に支障を来たす事が増えていった。そのため、人気とは裏腹に、映画・テレビ関係者から次第に敬遠されるようになっていった。2002年以降、表舞台からは撤退。事実上の引退となった。2016年5月10日『AIRWOLF THE COMPLETE SERIES 』DVD -BOX (シーズン1~4迄含む)日本未発売MILL CREEK ENTERTAMENT2015年12月25日、NBCユニバーサル・エンターテイメントから「超音速攻撃ヘリ エアーウルフ コンプリート ブルーレイBOX」(GNXF-1984)が発売された。今回ブルーレイ化されるにあたり、オリジナル・フィルムから完全HD化を行い、片面2層の15枚組にシーズン1~3の全55エピソードを完全収録した。さらに今回のコンプリートブルーレイBOXには、TV放送時にカットされ、これまでのDVDでは吹替が存在せず原語音声に切り替わった合計100分を超えるシーンに当時のオリジナルキャスト(ホーク=磯部勉、ドミニク=富田耕生、ケイトリン=戸田恵子、マレラ=横尾まり)と、2014年9月に逝去した家弓家正(アークエンジェル)の代役に銀河万丈を起用し追加収録した。BOXには「超音速攻撃ヘリ エアーウルフ」の全てを網羅した40ページに及ぶ豪華ブックレットを封入し、更に初回生産分では限定特典として、日本では手に入らないコミック調に仕上げられたレアデザインの「エアーウルフ オリジナルミニポスター」を封入している。2016年5月10日『AIRWOLF THE COMPLETE SERIES』Buly-ray BOX (シーズン1~4迄含む)日本未発売MILL CREEK ENTERTAMENT続編として「エアーウルフ2」の発売も発表されていたが発売中止となり、のちに「クロスファイヤー」とのオリジナルのタイトルで発売された。その他、アメリカのアクレイム社から「AIRWOLF LCD HAND-HELD ELECTRONIC VIDEO GAME」(LCDゲーム)が発売され、日本でも輸入販売が行われた。
出典:wikipedia
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