千年王国(せんねんおうこく、英語:Millenarianism、あるいはMillenarism)は、キリスト教終末論の一つ。千年王国説を信じる者は、英語で「millenarian」や「millenary」と呼称されている。終末の日が近づき、キリストが直接地上を支配する千年王国(至福千年期)が間近になったと説く。千年王国に入るための条件である「悔い改め」を強調する。また、至福の1000年間の終わりには、サタンとの最終戦争を経て最後の審判が待っているとされる。千年王国に直接言及する聖書の箇所は、ヨハネの黙示録20章4節から7節。千年王国に入る時期をめぐって、三つの立場がある。1は千年王国を文字通り解釈する。歴史的には3世紀までの初代教会がこの立場であった。キリスト再臨の切迫を強調する傾向が強い。前千年紀説をとる者の多くは、次のように考える。以下は患難前携挙説の説明である。「まずキリストが空中に再臨し、クリスチャンを空中にひきあげ(携挙)、その後大きな困難が地上を襲う(患難時代と呼ばれる)。患難期の最後にハルマゲドンの戦いが起こり、そのときキリストは地上に再臨し、サタンと地獄へ行くべき人間を滅ぼし、地上に神が直接統治する王国を建国する。千年が終わった後に新しい天と地(天国)が始まる。」患難前携挙説はキリスト教根本主義者のうち、ディスペンセーション主義の強調点であった。前千年王国説を支持する立場で、患難前携挙説をとらない立場もある。2は「地上での人間の歴史が進む中でキリスト教化が進み霊的な祝福期間(1000年)に入り、その終わりにキリストが再臨し、最後の審判が行われ、サタンが滅ぼされる」というものであり、比較的穏健とされたが、二度の大戦を経て廃れた考えである。だがキリスト教再建主義の特徴として後千年紀説の強調がある。3は、コンスタンティヌス大帝後、ローマ帝国が国教化し、アウグスティヌスが『神の国第2巻』で唱えてからローマ・カトリックで支配的になった考えである。正教会、プロテスタント等、伝統教派は地上の教会が神の国であるとし、前千年王国説を否定している。ただし、アウグスティヌスは初期に前千年王国説を支持していた。キリスト教の千年王国説とは区別されてはいるが、新宗教に独自の千年王国を主張する者がいる。またナチス・ドイツは第三帝国を千年王国と称したが、ノーマン・コーン等によればマルクス主義にも千年王国と同様の思想が見られる。この説を受けた三石善吉によれば、中国の太平天国の乱は元より、仏教の弥勒思想に千年王国思想を刺戟伝播して発生した大乗の乱等に、千年王国思想が見られる。千年王国思想はという共通した世界観を持ち、という「症状」を伴う。これをふまえると、1818年のセイロンの大反乱、1902年のピー・ブンの乱、1930年のサャー・サンの乱、ヴェトナムのも含まれる。というより、「千年王国の影響のない時代を探す方が難しい」(マイケル・バークン)ほどだという。安丸良夫は、出口なおの神掛かりによって誕生し大正時代~昭和初期に爆発的発展を遂げた新宗教「大本」の原教義は、上記の千年王国思想とよく一致すると指摘する。第一次世界大戦以降の大本(当時は皇道大本)は「大正十年立替説」という激烈な終末論を展開して大反響を引き起こし、1921年(大正10年)の第一次大本事件を招いた。弾圧から立ち直った1930年代初頭の大本は教祖出口王仁三郎の指導により超国家主義運動団体へと変貌する。安丸は国家主義的神道説と千年王国救済思想が結びついて発展した大本に対し「日本近代史の特徴を考えるうえで注目に値する」と述べる。
出典:wikipedia
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