プレコは、ナマズ目ロリカリア科アンキストルス亜科、およびヒポストムス亜科に分類される魚類を、おもに観賞魚としてみた場合の総称である。学問的な分類に基づいた名称ではないが、事実上の和名として慣用され定着している。正式にはプレコストムス("Plecostomus")だが、飼育者の間の呼称では略称であるこの「プレコ」が定着している。なお、近縁の数亜科にまたがる種類の魚をまとめてプレコと呼んでいる。10cm以下の小型の種類から、1mを越える大型の種類まで大きさは多様。アマゾン川を中心とした南アメリカの熱帯域に分布する。水の流れの強い渓流のような環境に生息するものが多いが、流れの弱い下流域や止水に生息する種類もいる。鎧のように固くザラザラしたうろこと、岩などに吸いつくことができる吸盤状の口が特徴である。体型は水流を受け流すために腹部が平らな流線型をしていることが多い。胸びれの付け根には鰓があり、雄は鰓蓋や胸びれにトゲが発達する。猫やヤモリのように、瞳の形状が周囲の明暗で変化する。暗い場所では通常の魚のように丸く、明るくなると上を向いたアルファベットのCのような形に変化していく。この瞳の形状をギリシャ文字のオメガ(Ω)を逆向きにしたものになぞらえてオメガアイと呼ぶ。体色や模様にはバリエーションが多く、観賞用の熱帯魚として人気が高い。吸盤状の口でガラス面や流木などの「コケ」(付着する藻類)をこそげとるように食べる。そのため水槽の掃除役として飼育される場合が多いが、歯が強力な一部の種はアクリル水槽に傷を付けることがある。また、藻類ばかり食べるわけではなく、水中の木をかじったり、水草を食害したり、他の魚の体表をなめたりすることもある。ディスカスやエンゼルフィッシュ、ポリプテルスなど動きが俊敏でなく、体表の面積が大きい魚が被害に遭いやすい。プレコ同士の場合、テリトリーを主張して小競り合いをすることがある。大型の性格の荒い種類の場合殺し合いになることもあるため、そうした種類同士の同居には注意が必要になる。一部の種類を除き、水中の酸素が豊富な水流の強い環境に住んでいるため、エアレーションやフィルターからの水流の調整で溶存酸素量を確保してやる必要がある。中型や大型の種類は現地では食用になる。プレコは産んだ卵を守る性質があることから稚魚の生存率が高く、水質の悪化にも強いため、沖縄や東南アジアでは野生化した"Liposarcus multiradiatus"種が他の魚を脅かすほど繁殖しており、問題になっている。フィリピンでは汚れた川をきれいにするために放流されたが、藻類以外にも魚を食べてしまうため在来種の絶滅が心配されている。1980年代から90年代にかけて多くの新種のプレコが発見されたが、分類のはっきりしないプレコが多く存在する状態になったため、便宜的に「Lナンバー」と呼ばれる商業トレード用の分類番号が作られた。これは学名とは無関係にL-001のように番号で表すものである。また、近年になって学術的な調査も進み、分類は再編されつつある。
出典:wikipedia
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