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潜水艦

潜水艦(せんすいかん、、、)とは、軍艦の一種で、水中を潜航できる船舶の名称である。本記事では「軍艦としての潜水艦」を中心に述べることとする。戦艦、空母、巡洋艦、駆逐艦などの水上艦と潜水艦とを分ける最大の違いは、潜水艦が水中を航行する(少なくとも、第二次世界大戦以降の潜水艦は)目的のために作られているという点である。レーダーの電波や可視光線がほとんど届かず、唯一捜索手段として有効な音さえも水の状況で伝播状況が複雑に変化する水面下で「深く静かに潜航」した潜水艦を探知・撃沈することは最新鋭の探知装置と対潜兵器を備えた現代の対潜部隊にとっても容易なことではない。潜水艦は自らの存在を気づかれることなく、敵哨戒網を突破して敵艦艇や輸送船、潜水艦を沈め(逆にこれらの艦艇を敵の潜水艦から護衛することもある)、機雷を敷設し、そのほか特殊部隊の潜入支援や情報収集任務などに運用することができる。潜水艦のなかには巡航ミサイルによる対地攻撃、さらには核弾頭を搭載した弾道ミサイルの運用が可能なものも存在する。そして水面下の「どこか」に魚雷、あるいはミサイルを持った潜水艦がいるという事実(「はったり」のこともあるが、それは潜水艦を探知するか、潜水艦から攻撃を受けない限りわからない)は敵に対して心理的圧力をかけ、結果として抑止にもつながるのであるその意味で潜水艦の持つ最大の武器は隠密性にある。潜水艦がたびたび「究極のステルス兵器」()と呼ばれ、潜水艦部隊が「沈黙の軍隊(あるいは不言実行の軍隊)」()と称されるゆえんである。近代以前に構想または建造された潜水艦は以下のようなものがある。1900年になって、近代潜水艦の父と呼ばれた造船技師、ジョン・フィリップ・ホランドによって設計された潜水艦ホーランド号(水中排水量74t)がアメリカ海軍に就役した。ホーランド号は主機のガソリンエンジンと電動機の直結方式であり、内燃機関によって推進する近代潜水艦の元祖であった。ホーランド号の就役以降、世界各国で潜水艦が注目されるようになり、列強海軍は挙って潜水艦の建造に着手した。初期の潜水艦はガソリンエンジンが主流であったが、まもなくディーゼルエンジンに代替された。当時の潜水艦は、排水量100-1,000t、水上速力10kt、最大潜航深度100m程度であった。潜水艦の本格的活躍は第一次世界大戦からとなる。逸早く潜水艦を有効利用したのはドイツ帝国であった。Uボートと呼ばれたドイツ潜水艦は、開戦直後の1914年9月、独海軍潜水艦が英巡洋艦4隻を撃沈したのを始め、次々と英国軍艦・貨客船を撃沈し、通商破壊に活躍した。英国の商船隊は大打撃を受け、英国経済を瀕死に追い込んだ。しかし1915年7月、ルシタニア号撃沈により米国人多数が巻き添えとなる事件が発生した。これにより、当時の中立国であった米国の参戦を恐れたドイツ帝国は、1915年9月以降は英国船舶への攻撃に消極的になり、その戦果は減少した。その後、ドイツ帝国は戦局挽回のため1917年に無制限潜水艦戦を再開し、独海軍潜水艦隊は一時的に大戦果を上げた。しかし、英国が護送船団を採用すると、戦果は激減した。さらには英商船への無差別攻撃は米国の参戦を招き、第一次世界大戦敗北の一因となった。第一次大戦では、ドイツ帝国海軍は381隻の潜水艦を就役させ、その内の178隻を喪失したが、終戦までに約5,300隻・1,300万トンに及ぶ艦船を撃沈する戦果を上げ、大西洋の狼・Uボートは世界にその名を轟かせたのであった。Uボートの活躍により、潜水艦の有効性が立証され、各国は本格的な潜水艦隊運用に乗り出した。自国の商船部隊を壊滅寸前にまで追い込まれた英国は、ヴェルサイユ条約でドイツに対し潜水艦保有を禁止させ、 また新型の対潜兵器の開発などに注力しようとしたが、財政難による軍事費削減の影響で、対潜作戦の技術は停滞していた。1955年に完成した米海軍の「ノーチラス」(水上排水量3,180t)は、原子炉と蒸気タービンを採用した、史上初の原子力潜水艦であった。本艦は水中速力20ノット、潜航可能時間は3ヶ月間前後であった。原子力主機登場により、潜水艦の水中速力と水中航続力は大きく増大した。それにより、潜水艦の戦闘能力は飛躍的な向上を遂げた。原子力潜水艦が大型水上艦艇を撃沈した例は、1982年のフォークランド紛争時に、イギリス海軍の「コンカラー」がアルゼンチン海軍の巡洋艦「ヘネラル・ベルグラーノ」を雷撃にて撃沈した事例が最初である。「コンカラー」は「ヘネラル・ベルグラーノ」を24時間以上追跡したが、全く探知されなかった。この戦いにより、それまで水上艦に対し圧倒的に不利と思われていた原潜の有効性が証明された。攻撃型潜水艦()は、魚雷や機雷などを主兵装とし、敵の水上艦艇や潜水艦などの攻撃を任務とする潜水艦である。略称は、米英海軍および海上自衛隊ではSSと呼ばれる。原子力推進式のものは、核動力 (Nuclear) を表すNを付けてSSNになる。かつての潜水艦は、水上艦艇に比べ最高速力や防御力、電子装備、水中航続距離などの基本的能力が劣り、巡洋艦や駆逐艦とまともに戦闘するのは分が悪かった。このため、主に待ち伏せ攻撃、港湾での情報収集、特殊部隊投入、物資輸送、通商破壊などの対貨客船任務、などの任務に投入された。しかし第二次大戦以降、魚雷やソナー、各種電子機器、通信装置の性能向上、さらに原子力機関の登場により飛躍的に性能が向上し、現在では強力な戦闘力を持つ最強の軍艦として、かつての戦艦に匹敵する地位を獲得した。攻撃型潜水艦は敵水上艦船だけでなく敵潜水艦も攻撃目標とするようになった。隠密性の高い潜水艦を探知し攻撃するのはやはり潜水艦が有利だからである。そこで敵の戦略ミサイル潜水艦を攻撃する任務や、自国の艦隊を敵の攻撃型潜水艦から護衛する任務を与えられている。また、冷戦終結後にはソ連海軍を引き継いだロシア海軍の潜水艦部隊は財政状況が悪化し著しく不活発となった。米海軍の攻撃型原子力潜水艦は、従来の敵潜水艦や敵水上艦艇への攻撃及び味方機動空母艦隊の護衛のような任務は大幅に軽減されるようになった。しかしながら、冷戦終結と入れ替わり世界では地域紛争が頻発するようになり、アメリカの攻撃型原潜は新たな任務を果たすようになった。巡航ミサイルを艦首のVLS(垂直発射システム)から水中発射し敵根拠地の地上重要目標へ対地攻撃を行ったり、敵対国の沿岸に隠密に侵入して、偵察や情報収集活動を行ったり特殊部隊の投入や回収を行うことが可能な艦内構造となっている。また従来の敵潜水艦の発見追尾などの任務も重要性の点では攻撃型原潜の一番の任務であり続けている。映画・シミュレーションゲームでは潜水艦同士の戦闘がよく描かれるが、ホーミング魚雷の実用化以前の潜水艦同士の戦闘は、お互いに水中を三次元的に移動するので攻撃は困難であり、また現代では潜水艦を保有する国同士の本格的な戦闘例が少ないため実現されていない。数少ない例としては、1945年2月に、ノルウェーのベルゲン沖で英潜水艦「ヴェンチャラー」が、潜望鏡深度を航行中の独潜水艦U-864をソナーで探知、数度シュノーケルを潜望鏡で目視したのちソナーで追撃し雷撃撃沈した例、1943年11月に第三次遣独潜水艦作戦の帰途についていた伊三十四がペナン島沖で浮上航行中に英潜水艦トーラスに撃沈された例がある。しかし、実質水上艦艇に対する雷撃と変らないため、潜行中の潜水艦同士の戦闘とは言いがたい。沿岸型潜水艦()は、攻撃型潜水艦または敷設型潜水艦の一種。哨戒型潜水艦とも呼ばれる。小型で航続力に乏しく、自国周辺海域での哨戒任務に使用される。第二次大戦時までは、排水量数百トンから千トン未満の中型・小型潜水艦が沿岸型潜水艦に分類される。対潜兵器の進化した現代、外洋で作戦行動できうるのは浅航行を必要としない原子力潜水艦のみとなった。(仮に通常の潜水艦が外洋で作戦行動をしても容易に位置を察知され「無力化」される)そのため、基本的に通常動力型潜水艦は自国近海での哨戒任務にしか使用できないため、大抵は沿岸哨戒型潜水艦に分類されると言えよう。巡洋型潜水艦()は、攻撃型潜水艦または敷設型潜水艦の一種。大型で航続力・居住性などに優れ、遠方の外洋に進出して長期間の行動が可能。敵制海権下での哨戒任務や、敵港湾基地に侵入しての偵察任務、外洋での通商破壊などに使用される。沿岸型潜水艦よりは外洋行動能力があるが、巡洋型潜水艦ほどの遠洋進出能力を持たないものは航洋型潜水艦()などと呼ばれる。第一次大戦から第二次大戦時までに登場した、排水量1,000トンから2,000トン級のものが巡洋型潜水艦に分類された。運用者は主に外洋海軍であり、全世界に植民地を抱える英海軍や、広大な太平洋を作戦海域とする日米海軍などが数多く保有した。艦隊型潜水艦()は、 攻撃型潜水艦の一種。艦隊決戦での運用を想定した潜水艦。味方水上艦に追随し、戦闘時は敵水上艦・潜水艦に対する攻撃を担当する。貨客船に比べ高速の軍艦と連携するために、水上航行時の高速性能が要求される。その性質上、運用した国家は大規模な水上艦隊を保有する海軍大国に限られる。明確に艦隊潜水艦として建造されたものは、日本海軍の海大型潜水艦や、米海軍のAA-1級潜水艦など。しかし、当時の技術では満足な性能の艦隊潜水艦を建造することは不可能であり、まもなく艦隊潜水艦は絶滅した。しかし原子力機関の実用化により、水上艦隊と同一行動が取れる高速潜水艦が登場し、かつての艦隊潜水艦構想が実現した。一般的に、それらは攻撃型原潜と呼ばれることが多いが、現在でも英海軍のみは艦隊潜水艦の分類を使用し続けている。機雷敷設型潜水艦()は、敵制海権下での機雷敷設を任務とする。通常の機雷敷設艦に比べ、潜水艦での機雷敷設は安全であった。現在では機雷の小型化などにより、機雷敷設専用に設計された艦艇でなくとも、機雷の搭載・敷設が可能であるため、特に機雷敷設型潜水艦という分類は見られなくなった。物資や兵員の運用に使用される潜水艦。潜水艦は水上艦艇や航空機に比べ、敵の哨戒網や監視網の突破が容易なので、敵勢力下での物資運搬や、特殊部隊揚陸には適役である。第二次大戦期の日本海軍潜水艦は輸送任務に投入されることが多かったが、これらの潜水艦は本来は敵艦船攻撃用に設計されたので、搭載力が低く、輸送力に限界があった。当初から物資運搬を想定して建造された最初の輸送型潜水艦は、第一次大戦期のU151型Uボートである。当初の建造目的は、英海軍の海上封鎖網を突破して、米独間の輸送任務を行うことであった。日本海軍も、太平洋戦争末期に潜輸大型などの輸送専用潜水艦を建造し、日本陸軍は三式潜航輸送艇という輸送用潜水艦を建造した。しかし基本的に、潜水艦での輸送任務は非常に効率が悪いので、今日では特殊部隊投入などの特殊任務を除けば、輸送に潜水艦が使用されることは無い。友軍艦艇に燃料弾薬食料などの補給を行う。敵制海権下で行動する潜水艦への補給任務用に建造された。代表的なのは、XIV型Uボートや潜補型潜水艦など。巨大な主砲を搭載した潜水型モニター艦である。英海軍のM級潜水艦や、仏海軍のスルクフなどが代表的である。運用概念としては、敵基地近海に密かに接近し、奇襲的に浮上して砲撃を行う、というものであった。しかし、潜水艦に搭載可能な大きさの主砲では、艦砲射撃に使用するには威力不足であり、この構想は失敗であった。他に、通商破壊任務も想定されていた。第一次世界大戦半ばまでは、通商破壊戦においては、標的となる商船の前に浮上し、警告を与え乗組員退避の時間を与えた上で攻撃するのが一般的であった。加えて魚雷が高価であったので、相手が非軍艦の場合は、より安価な砲弾で攻撃しようという傾向があった。しかし浮上時の潜水艦は非常に脆弱であり、たとえ非軍艦相手でも戦いを挑むのは危険であったため、砲力を強化して圧倒しようとしたのである。しかし潜水艦の最大の利点である隠密性を放棄するのは本末転倒であり、この構想は失敗であった。潜水空母は、日本海軍の伊四百型潜水艦 (水上機3機搭載)・伊十三型潜水艦(同2機搭載)の俗称である。搭載機は局地への奇襲用に、魚雷/800kg爆弾という通常の艦爆・艦攻と同等の攻撃能力を持たせており、従来の航空機搭載能力を持つ潜水艦とは一線を画す存在である。他には第三帝国海軍のUボートXI型など計画されたが、実際に完成に至った例はない。しかしながら上記の潜水空母は、実際には水上機の搭載能力しか持っておらず、名称とは裏腹に現実には潜水水上機母艦と呼ぶべき存在である。2機、3機という搭載機数も、通常の同時代の巡洋艦と同数あるいは若干少ない程度に過ぎず、本格的な潜水水上機母艦とも言い難い。もっとも搭載機は実戦においてはフロートを装着せず非水上機として運用する計画であったが、離艦はできても回収が不可能な使い捨てとなり、また実戦投入の機会が得られないままに終わった。 通常の航空母艦と同様に、飛行甲板から艦載機を発進可能な、真の意味での潜水空母は実在したことは無い。しかし、架空戦記や戦争ゲームなどではしばしば見られる。鋼鉄の咆哮シリーズの超巨大潜水空母ドレッドノートや、エースコンバットシリーズのシンファクシ級潜水空母などである。多数の巡航ミサイルを発射する潜水艦。主に冷戦期にソ連海軍が運用した。ソ連海軍の巡航ミサイル潜水艦は、敵艦隊攻撃用に建造されたもので、大型で大威力の艦対艦巡航ミサイルを搭載していた。米海軍も潜水艦で巡航ミサイルを運用することを意図し、トマホーク巡航ミサイルを開発した。トマホークは小型であり、魚雷発射管からも発射可能であったため、米海軍は特に巡航ミサイル専用の潜水艦は建造しなかった。が、冷戦終結後になって、巡航ミサイルによる対地攻撃用に改オハイオ級原潜が出現した。改オハイオ級は、モニター潜水艦や潜水空母ではアイデア倒れに終わった構想を実現させた存在と言える。改オハイオ級は実に154発ものトマホークを搭載可能であるため、強力な対地攻撃能力を期待されている。弾道ミサイル潜水艦は核弾頭を備えた潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載し、敵国への核攻撃力保持を目的とする潜水艦である。戦略ミサイル原子力潜水艦とも呼ぶ。英語での略称は「SSB」および原子力推進の「SSBN」。米俗語で「Boomer(ブーマー)」と呼ばれる。所在の秘匿には、長期間の潜航が有効のため、現在では全て原子力推進のものとなっている。ソ連海軍の629型潜水艦(ゴルフ型)など、初期の弾道ミサイル潜水艦にはディーゼル推進のものも存在した。冷戦初期は弾道ミサイルの射程が短かったので、弾道ミサイル潜水艦は敵国近海まで進出していた。弾道ミサイルの射程が向上した後であっても、陸上基地に比べ、秘匿性が高く攻撃を受けにくいため、弾道ミサイル潜水艦は運用が続けられている。また、初期のSLBMには発射時に浮上する必要のあるものがあったが、これも水中発射が可能なように改良されている。長期間水中に没し続け、容易に所在を変更できるSSBNは、その所在の確認や探知が困難である。その運用においても、静粛性を保ち、被探知を避けるような行動が求められている。その隠密性により、他の核戦力より生存性が高く、他の基地が先制攻撃で壊滅した場合であっても、戦力を保っている可能性が高い。そのため、報復もしくは第二撃核攻撃に用いることが想定されている。強力な対空レーダーを搭載し、早期警戒任務を行う。セイルフィッシュ級潜水艦などが存在したが、早期警戒機の登場により早々と価値を失い、絶滅した。排水量数十トン、乗員数名程度の超小型潜水艦。兵装搭載力や航続力が小さく外洋航行力には欠けるものの、小型のため探知され難く、特に水深が浅く障害物の多い海域では探知・攻撃される可能性が低い。そのため、沿岸警備や待ち伏せ攻撃に使用される。第二次大戦時には真珠湾攻撃に使用された日本海軍の甲標的や、戦艦「ティルピッツ」攻撃に使用された英海軍のX級潜航艇などを始めとして各国で特殊潜航艇が製造された。現代でもその利点を生かして、敵の支配水域に侵入して情報収集に当ったり、スパイを送り込んだり、捕えた敵を海岸付近で収容して誘拐したりすることに用いられる場合もある。平時にも特殊潜航艇は領海に不法侵入して活動を行うので、冷戦期のソ連特殊潜航艇は西側諸国にとって厄介な敵であった。特にソ連、ユーゴスラビアでの開発が著しく、北朝鮮はユーゴスラビアから技術を移入して潜航艇建造に努めてきた経緯がある。一方で、イタリアにおいても一部企業が特殊作戦用の潜航艇を建造しており、同海軍は採用していないものの、ユーゴスラビアや中近東諸国、コロンビアなどに輸出された実績がある。1996年の韓国の江陵浸透事件では、北朝鮮工作員がサンオ級潜航艇による韓国国内侵入に成功しており、侵入作戦用器材としての潜航艇の有用性を証明している。潜水艦の船体形状には、以下のようなものがある。潜水艦は潜航時には水圧が加わるので、船体は水圧に潰されない強度が必要である。船体の耐圧部分は耐圧殻と呼ばれる。耐圧殻の配置形式には大別して単殻式と複殻式がある。船殻材(船体構造材)には、深海での水圧に耐えられる高強度の素材が必要とされる。潜水艦の船殻(せんこく)には主に高張力鋼が用いられている。ソ連のアルファ型原潜など、チタン合金を採用したものもある。チタン合金は高張力鋼より磁性が低く、磁気探知機による被捕捉率が低い。また、同じ重量の高張力鋼より強度も高い、などの利点がある。しかし、加工が困難で、音波の反射性が高いこと、高張力鋼より材料費が高い、などの理由から一般化していない。潜水艦は浮上時は、船体排水量が浮力より小さいので、水上に浮いている。潜りたい時は、艦内の海水槽に海水を注入し、船体排水量を浮力より大きくする事で沈降する。海水槽にはメインバラストタンク(メインタンク、バラストタンクなどと略)、ネガティブタンク、トリムタンクがある。メインタンクは海水または空気を注入する船体浮力調整用タンクである。ネガティブタンクはメインタンクの補助用の浮力微調整用小型タンクで、通常メインタンクとは逆の注排水を行う。トリムタンクはトリム(艦の前後の傾き)調整用であり、船体前後に二箇所設置されており、船体前後の浮力比を操作する。潜水艦は潜航する場合、先ずベント弁(メインタンク内部空気排出弁)を開く。すると、フラッドホール(メインタンク下部の海水注入用の穴)から海水が入り、船体浮力が低下して艦は沈下を開始する。その後、トリムタンクや舵を操作して艦首を下げ、目標深度へ到達する。目標深度到達後は、トリムを調節して水平状態を保てるようにする。浮上時には、艦内の圧縮空気タンクからメインタンクへの空気を注入する。と、同時にタンク内から海水が排出されて船体浮力が増し、艦は浮き始める。この操作はメインタンク・ブローと呼ばれる。なお潜水艦の最大潜航深度は重要な軍事機密であり、観艦式などでは、外部の人間に深度計を見られないように、貼り紙などで隠してしまう。よって公表潜航深度は参考程度の価値しかないが、それらによると、攻撃型潜水艦の潜航深度は300 - 600m程度、戦略ミサイル原潜が100 - 500m程度である。武装した潜水艦の潜航深度記録は、1985年にチタン合金船殻のソ連原潜「K-278」が記録した1,027mで、K-278はこの深度で魚雷発射が可能であったと言われている。当時この深度の潜水艦を探知・攻撃する能力はどの国にも無かった。なお、軍事以外の潜水艇の深度世界記録は、1960年に深海調査艇「トリエステ」が出した深度10,916mである。潜水艦は水上艦と違い、トリムバランス以外にも水中での三次元立体運動を行う必要があるため、縦舵の他に横舵と潜舵を装備している。潜舵は従来、艦首部に配置されていたが、艦首部はソナーなどの音響装置の空間になったために、騒音軽減のため艦橋側面に装着するのが主流となった。この方式はセイル・プレーン方式と呼ばれる。一方、ソ連・ロシア海軍は、艦首部に装着していた(バウ・プレーン方式)。これは、同国潜水艦は北極海での行動が多いためである。北極海において浮上する場合、海氷を艦橋上部で破砕する必要があり、その際に艦橋に潜舵があると損壊する危険が有るためである。他に、バウ・プレーン方式は潜舵の反応性が良好という利点がある(ただし艦首部ソナーへの雑音は増える)。また、艦尾の操舵部分は十字型が多かったが、近年は「事故による損傷からのフェイルセーフ」と「水中での操舵性向上」のためX型の操舵翼が増えてきている。潜水艦の推進装置には、スクリュー・プロペラが使用される。潜水艦では特に、キャビテーションが大きな問題となる。キャビテーションはプロペラの腐食、振動、推進効率低下などを引き起こすが、潜水艦では特に騒音の発生が問題となる。キャビテーション低減のため、ハイスキュード・プロペラと呼ばれる三日月型櫂を持つプロペラが開発された。このプロペラの加工には高度な製造技術が必要であり、形状から性能も推し量れるため、各国とも最新鋭潜水艦の進水式ではプロペラ部を隠して進水させている。また、プロペラ加工装置を巡って、東芝COCOM違反事件のような日米外交問題もかつては発生した。キャビテーションを抑制するため、シュラウドリング(円環)を装備したポンプジェット推進方式(ダクト付きプロペラ方式)もある。これは深海域では海水圧に噴流能力が勝てず、推進効率も著しく低下する(一般プロペラの推進効率65%に対して僅か45%程度)が、出力に余裕がある原子力潜水艦では使われる場合もある。なお、ソ連・ロシアの潜水艦は北極海での行動が多かったので、ポンプジェット推進以外でも、単に海氷からプロペラを保護する目的でシュラウドリングを装備したものもある。究極的には、良導体である海水に磁界を掛けて推進する超伝導電磁推進に勝る物はないが、その強力な発生磁界により隠密性が損なわれるのと、核動力AIP以外では超電導磁石への供給電力を賄えないため、今後も実戦配備される可能性は乏しいと思われる。潜水艦の最も一般的な動力はディーゼルエンジンであり、通常動力型潜水艦の大半はディーゼル潜水艦である。潜航時は吸気が不可能なので、電動機を使用する。潜水艦は、登場以来長らくディーゼル機関と電動機を併用していた。ディーゼル潜水艦の動力方式には直結方式とディーゼル・エレクトリック方式がある。直結方式はディーゼル機関、電動機(発電機兼用)、プロペラを直結したもので、水上航行時にはディーゼル機関を、水中航行時は電動機で航行する。ディーゼル・エレクトリック方式は、水上航行時はディーゼル機関で発電機を回してその電力で電動機を動かし、水中航行時は蓄電池の電力で電動機を動かす。前者は水上航行時に高速が出せるが充電効率が低かった。そのため、潜水艦の水中航行が主流となった第二次大戦以後は、充電効率に優れる後者が主流となった。ディーゼルエンジンの代わりに石炭ボイラーと蒸気タービンを搭載した蒸気潜水艦も、かつては造られた。英海軍のK級潜水艦や「ソードフィッシュ」などである。蒸気機関はディーゼル機関よりも高速が出せたが、煙突の収納や機関の始動に時間が掛かり過ぎるので潜水艦には向かず、いずれも失敗に終わった。かつてのディーゼル潜水艦は水中行動力に劣り、潜航時は殆ど動けなかった。やがて、シュノーケルや高性能な蓄電池や電動機の開発により、ある程度は改善されたが、それでも定期的な吸気と充電を必要とするディーゼル潜水艦は、基本的に可潜艦に過ぎない存在である。このため、外気を必要とせず、常時潜航状態で駆動可能な推進機関、即ちAIP(非大気依存推進)機関が必要とされてきた。第二次大戦期のドイツでは、ヴァルター・タービンを搭載したヴァルター潜水艦、XVIIB型UボートやXXVI型Uボートが試作された。また、ソ連では閉サイクルディーゼル機関を搭載したケベック型潜水艦が建造されたが、何れも安全性に難があり、実用化には至らなかった。しかし21世紀になってようやく、非大気依存型機関を搭載した潜水艦が実用化されるに至った。これらは燃料電池やスターリングエンジンを補助機関に使用することで、水中行動力の向上を図っている。第二次大戦で急速に発達した原子力技術を駆使して誕生したのが原子力潜水艦である。吸気も燃料補給もなしに半永久的に駆動する、潜水艦には理想のボイラーたる原子炉の登場により、潜水艦の水中速力は大きく上がり、可潜時間は数ヶ月近くにまで増えた。原子力潜水艦は有り余る出力を生かして海水を電気分解し、艦内へ常時新鮮な酸素を提供する。このため、原子力潜水艦は「世界一空気が綺麗」と言われるほど艦内は快適である。しかし、超微量の放射線漏れは絶えずあり(特に艦外)、米軍の乗員は放射線被曝線量測定バッジをつける。常に蓄電池の残量を気にしながら、定期的な浮上を必要とする通常動力型潜水艦に比べ、「無限」の航続力を持ち氷の下の北極海すら航行可能な原子力潜水艦は、真の潜水艦といえる存在である。こうして見ると、原子力潜水艦は圧倒的に優位と思われるが、構造上解決できない欠点もある。原子力推進は、原子炉冷却水循環ポンプや、蒸気タービンによるブレードや減速ギアの騒音が発生するので、潜行中の動力を蓄電池と電動機にてまかなう通常動力艦よりも静粛性に劣る。さらに、常時原子炉冷却が必要なので、たとえ低出力下で自然循環冷却可能であっても、通常動力艦のように一切の作動音を停止し無音状態にすることは不可能である。そのため、攻撃型潜水艦の戦闘局面に限れば、原子力艦も通常動力艦も優劣付けがたいとされる。また、技術的水準や建造費、維持費が高く、保有できる国は限られる。日本などは技術上の問題の他、原子力に対して否定的な世論の存在により保有していない。潜水艦は浮上時には、通常の船舶と同様に天測航法や衛星測位システムが利用できるが、潜航時には使えなくなる。そのため、潜航中は慣性航法装置とソナーを利用した海底追随航法を利用する。海底追随航法は、通常は海図と慣性航法装置で自艦の位置を把握して、時折り音波の反射を利用して位置を確認する方法である。秘匿性を求められる潜水艦は、(有事に限らず)アクティブソナーを発して海中航行する事は自殺行為であるため、『目隠しをして飛行機を操縦する』かの如く、パッシブによる「周囲の音響変化」などをたよりに手探りで航行しなければならない。そのため、一大潜水艦隊を運用している米露海軍は、独自の『海洋調査船』を複数運用する事などによって絶えず『想定戦場』となる海域の海底地図を作成しているといわれる。勿論、潜水艦部隊の通常哨戒によって地図の精度を上げるなどの努力は行われていると見られる。ただし、慣性航法は長時間使用すると誤差が増大するので、時折は浮上して天測航法や衛星測位システムにより、より正確な自艦位置を把握する必要がある。日本のみならず中国や韓国も独自に海底地図などを作成していると見られるが、北方領土問題だけでなく尖閣諸島や海底資源に対する外交問題、竹島領有権問題などにより、その行為は度々日本近海で問題を生じている。海中においては電波が減衰しやすいため、海中を航行する潜水艦に対しては、通常の短波・極超短波などの通信は不可能であり、水中レーザー通信も実用化されていない。通信設備としては、比較的海中を透過しやすい超長波 (VLF) などを利用した通信によって地上設備などとの連絡を保っている。VLF通信では多量の情報を受信することが難しく、また潜水艦側からの発信もできないために、必要に応じて浮上し、短波・極超短波や衛星通信を行なう。潜水艦の通信手段には、次のようなものがある。極超長波 (ULF) は海中深くまで到達するので、潜水艦は最大潜行深度付近で受信可能である。ただし、送信できるデータ量が非常に少ないので、大量の情報受信には向かない。また、ULFは送信するために、全長数十kmに渡る長大なアンテナ施設が必要で、有事の際にはこれらの施設の脆弱性に問題がある。陸上からの単方向通信であり、潜水艦からの送信は不可能である。超長波 (VLF) は海中深度10m程度まで到達するので、深度数メートル程度を潜行すれば受信可能である。実際はそこまで浅く潜ると発見される可能性が高まるが、曳航ブイまたはフローティング・アンテナを使用すれば、潜水艦本体は深深度で受信が可能となる。しかし、送信できる情報量が少ないので、大量の情報通信には向かない。送信するには巨大な地上アンテナ施設を使うか、E-6マーキュリーなどのTACAMO機(空中通信中継機)によって空中に長いアンテナを吊るす必要がある。また陸上からの単方向通信であり、潜水艦からの送信は不可能である。通信衛星を利用できる国では、通信衛星との間でマイクロ波送信により送受信を行うことができる。マイクロ波は海中まで到達しないので、通信時には潜水艦のアンテナを海面上に露出させる必要があり、敵に探知される可能性が高まる。しかしマイクロ波は大量情報の送受信が可能なため圧縮通信を行なえば作業は短時間で済む。水中電話を利用することにより、潜航中の潜水艦同士や水上艦と通信を行なうことができる。また、海底の要所に音波を利用した通信中継装置を設置し、それを海底ケーブルで地上施設と結ぶ事で、潜水艦との通信を行う。冷戦時には、アメリカ及びソ連海軍が音響通信装置を多数敷設した。対艦・対潜戦闘時の潜水艦の主力兵装は魚雷である。潜水艦用魚雷の誘導方式は以下のようなものがある。以上のようなものがあり、中間誘導・終末誘導などに状況に応じて使い分けられる。セミアクティブホーミング及び有線誘導の場合、航走途中でコースや速度を変更できる。照準も回頭も済まない内に即発射して敵潜の方向に魚雷を指向して低速静音航走開始させたあと、ソナーにより敵潜への距離、深度、ベクトルなど計測してコースを発射後に修正できる。対艦ミサイルは遠距離の敵艦を攻撃できるが、発射時に自艦の位置が暴露するので殆ど使用されない。パッシブソナーで遠距離の敵潜水艦を捕捉した際の攻撃用に対潜ミサイルが搭載された。目標へ正確に誘導するのが難しいので、核弾頭を装備するのが普通だった。やがて、潜水艦の静粛化や時代の流れで核兵器の使用が難しくなると装備されなくなった。航空機に対しては下手に戦うより潜航して身を隠したほうが安全なため、普通は対空攻撃用の兵装は装備していないことが多い。ただし一部にはヘリコプターなど低速の航空機に対処するために携行式の対空ミサイルを搭載した潜水艦も存在するほか、魚雷発射管から射出する形式のIDASなども開発されている。アイデアとして魚雷発射管から射出・回収され、自律制御により海中を航行する潜水ロボットがある。海底地形の調査や機雷捜索・処理などに使用される。古くから潜水艦にとって機雷は大きな脅威であった。海中では目視によって確認する事が出来ず、また潜水艦本体アクティブソナーでの探知では機雷を発見した時に回避できるだけの余裕があるとは限らない。潜水艦の航行に先行して機雷を捜索・除去が可能なUUVは機雷が敷設されやすい浅瀬で行動する潜水艦にとって重要な要素となった。ただ潜水艦からのUUVの運用は、海面上での長時間の回収作業を行なうか魚雷発射管への回収技術を完成させねばならず、保管と保守整備の空間確保の問題もあるため未来技術の域を出ない。現在、UUVを使用し始めているのは水上艦である掃海部隊だけである。回収と再利用をあきらめるか、掃海部隊が回収するのであれば潜水艦からの射出もありえる。米海軍が開発を計画中の攻撃型無人潜航艇 (UUCV) 「MANTA」は、対潜戦闘も可能であり、潜水艦の行動時に危険が大きい浅瀬で大きな効果を発揮すると見られている。米海軍は2050年頃の実用化を計画している。魚雷は比較的遅いため、目標への照準が不備な場合は魚雷の音響シーカーの探知範囲外に逃げられてしまう。方位だけでなく距離と深度と目標の進行方向と進行速度の評定が重要である。射撃管制には複雑な計算を必要とし、複数のソナーを使いこなす為に射撃管制装置には高度なコンピュータ・ソフトウェアとデータベースを必要とする。射撃指揮装置のソフトウェアとデータベースは経験の長い米露両国が優れていると言われている。ロシアは自国のディーゼル潜水艦の射撃管制装置を低価格で共産諸国や冷戦後は購入するあらゆる国に輸出している。米国はディーゼル潜水艦を作っていないので西側諸国は射撃管制装置を自製や輸入をしている。潜水艦、特に第二次大戦時やそれ以前のものは、居住性が劣悪である。元々、軍艦は兵器や物資、燃料を大量に積み込む必要がある。潜水艦は、さらに浮力となる空間を減じる必要があるため、それらにスペースが取られてしまい、結果まず物資を積み込み、その隙間に乗員が潜り込むと言われる程に居住性は劣悪である。艦内は湿気だらけで洗濯物も乾かせず、また燃料・排気・カビなどの臭気が充満しているので、嗅覚に異常をきたす上、それらの臭いが体に染み付いてしまう。真水は貴重なので入浴は制限される。潜水艦には冷房装置が備えられているものの、多くは動力の冷却などに使われるため、室温が25度を下ることはなかった。敵艦に接近する場合は聴音されるのを防ぐため冷房装置を停止させたので、より高温になった。また、潜行中は水圧の関係からトイレも使用できなくなった。このような環境で毎日単調な任務が延々と続くので、潜水艦勤務は非常に過酷であった。原子力機関の登場後は、居住環境は以前よりも改善された。前述のように大出力の原子力機関は電力に余裕があり、電気分解や海水淡水化を行えるので酸素や真水の確保には困らない。大型の戦略級原潜タイフーン型では、プールやサウナまで装備されている。しかし、一度出航したら数か月間帰還出来ない原潜クルーは、家族との関係を保つのが困難である。米海軍では、潜水艦は一回の航海に付き一組は離婚する乗組員が出るという。また乗員は、一度潜航すると数ヶ月間浮上しないこともある任務のため極めて厳しい肉体的・精神的条件をクリアしなければならず、潜水艦乗りの間でブリキ病と呼ばれる鬱病や神経症にかかる乗員も少なくないとされている。この問題はどの国の事情も同じ様である。そもそも潜水艦の作戦行動は機密が要であり、乗組員はその家族にすら作戦の開始日・期間等を教えることができない。潜水艦の乗組員は過酷な任務に就くため、食事は海軍の中でも最も充実していると言われており、食料不足に悩んでいた大戦末期の大日本帝国やナチスドイツでも、潜水艦には優先的に食料が配給された。ただし、狭く環境の悪い潜水艦では新鮮な食べ物は出航後数週間で消費し尽くされ、その後は似たような保存食がずっと出されることとなる。この生鮮食品が切れた後に、限られた保存食で如何にバリエーション豊かで美味しい食事を提供し続けられるかが調理員の腕の見せ所であり、それが可能な腕の良い調理員は大切にされた。それでも航海が長くなると重油やカビなどの臭いで、何を食べても「潜水艦の味」しかしなくなったと言われる。食料は倉庫に保管する他、少ないスペースを生かして可能な限り積み込むためにソーセージを天井から吊り下げたり、パンをハンモックで吊ったり、ベンチの中に野菜を詰め込んだりと工夫を凝らす。日本の潜水艦の場合、食事は主食に白米・乾麺、副食に乾燥野菜(切り干し大根など)と缶詰、漬物各種の他、比較的保存しやすい生鮮野菜としてタマネギやジャガイモなどの根菜類(とはいえ、これらの生鮮野菜は一週間程度で底をつく)などを材料とした各種のメニューが提供された。ドイツの潜水艦の場合、ほぼ毎食が、「主食はサラミソーセージとチーズやバター、艦内でまとめて焼かれる黒パン、付け合わせとしてザワークラウト、生鮮野菜としてのタマネギとジャガイモの煮込み、デザートでレモン(ただし日本の潜水艦と同様に、生鮮野菜や果物は一週間程度しか供されない)」であった。これらの食事では、必然的に各種栄養素が不足する。このため、洋の東西を問わず、潜水艦乗員はビタミン剤をはじめとするサプリメントの大量補給が必須であった。戦時中のドイツや日本では、海軍の他の部隊と比べて潜水艦は上下関係が緩やかであったといわれる。日本の場合は、艦長ですら自分の下着は自分で洗濯せねばならないほどであった。(ただし航海中は真水自体貴重品であり航海中の真水での洗濯はほぼ不可能であった)士官が充てられるポストとしては、艦長、副長、先任将校、航海長、機関長、水雷長、通信長などがある。艦長の階級は、戦時中の日本では少佐、ドイツでは大尉が普通であった。就寝用の空間も限られたため、士官や下士官は通路の脇に設置されたベッドで就寝したが、Uボートなど比較的小型な艦ではベッドは数人で共有していた上に、弾薬庫の中で魚雷と一緒に寝ていた下級の乗組員もいた程であった。より大型であった大日本帝国海軍の伊号潜水艦では、一応一人一台のベッドは確保されていたが、その代わりに航海期間はUボートより長かった。一方、旧ソ連・ロシア海軍の原子力潜水艦は、大幅な自動化・省力化により乗員数を削減し、大きな乗員用スペースを確保した例もある。ただし省力化による弊害もあり、原子炉の事故などに対応出来ないなどの問題も生じた。通常の艦艇と異なり、潜水艦は海中で行動する。このため、他の艦艇と戦闘システムは大きく異なっている。空気中と違って、水中では電磁波の減衰が著しいため、電波を用いるレーダーや可視光域・不可視光域での光学的捜索といった手段は使えない。その代わり、主となるのが、海洋中における音波の性質を利用した捜索・攻撃である。その主たる手段がソナーであり、ソナーによる探知と回避をめぐる技術的な蓄積と、それらを用いた対峙を総称して水中音響戦 (hydroacoustic battle) と称する。この点について前提となる音波の性質や海中における音波伝播について説明する。ソナーで使われる音波(超音波)は、低周波のものと高周波のものとに大分される。以上の理由により、両者の長短をそれぞれ補うように、ソナーでは高周波と低周波の両方の音波を使い分けられる。音波の伝播は、海域の地形・海水の成分・温度・海流などによって複雑に変化する。水中音響戦で勝利するには、高性能なソナーの開発に加えて、日頃から海洋観測艦などを動員して海域のデータを集めておくことが必要である。海の中は、単純化すると表面層、温度躍層、密度躍層、に分けられる(実際には地形や海流などにより複雑に変化する)。等温層は海面付近に位置する海水の層で、主として海面と大気との熱交換、および海上風による対流で海水が混ぜ合わされているので、温度や塩分密度などが一定である。通常、表面層から温度躍層へ移行するに従って緩やかに温度が下がっていくので、両者の明確な差は無い。だが、正午頃に海面水温が急上昇する現象(午後の効果、アフタヌーンエフェクト)が起こると、ある深度を境界に、温度が急激に変化するようになる。温度が変化する深度をレイヤーデプス(変温深度、LD)と言う。午後の効果によりLDが形成されると、そこで音波が反射され、LD以下の深度には到達しなくなる。そして音波はLDと海面で反射を繰り返しながら、遠距離まで伝播して行く。音波が表面層に閉じ込められた状態となるのである。この状態の表面層をサーフェース・ダクト(表面ダクト、SD)と呼ぶ。敵潜水艦がSDに潜んでいる場合、水上艦はアクティブソナーを用いて遠距離からの探知が可能であるが、LDより深深度に潜った場合、潜水艦は水上艦に探知されることなく奇襲攻撃を行える。これに対抗するため、水上艦や対潜ヘリはあらゆる深度に曳航式ソナーや吊下式ソナーを投下して、ソナーの死角を防いでいる。混合層の下層に位置する温度躍層(サーモクライン)においては、深度に比例して水温が下がるので、それにより音波が下向きに曲げられて進む。下方に進んだ音波は、浅海ならば海底で反射されて、その後は海底と海面の間で反射を繰り返す。そのため、海底の間に音波が届かないシャドー・ゾーン(不感帯)と呼ばれる部分が形成され、ここはソナーの死角となる。深度1000mを超えた辺りから水温はほぼ一定になるので、この層は密度躍層と呼ばれる。水温がほぼ一定になる事により、音波は下向きに進まなくなる。逆に、今度は水圧により上向きに曲げられて海面方向へ進んで行く。これにより、深深度海域では、いったん海底方向まで進んだ音波が戻ってきて再び海面に集まるので、何もない海面上で突然ソナーに反応がある現象が起こる。この海域を収束帯(コンバージェンス・ゾーン、CZ)と呼び、発信源から距離27 - 33海里毎、幅4 - 5海里の区画にCZが現れる(海水の成分や温度により変化する)。CZを利用すれば自艦から27 - 33海里彼方にある敵艦の探知も可能(条件が良ければさらに第二収束帯、第三収束帯・・・つまり81 - 99海里の彼方まで探知可能)となる。そのため、パッシブ・ソナーにてCZで探知した敵を直ちに攻撃できるように対潜ミサイルが開発された。また、深度1000m付近の温度躍層と密度躍層との間では、水温と水圧のバランスによりサウンド・チャンネル (SC) と呼ばれる音波伝播層が出現する。SCでは反射による音波の吸収・減衰が無いので、非常に遠くまで音波が伝播して行く。クジラなどはSCを利用する事で、超音波により何千海里も離れた仲間と連絡を取っている。SCは稀に浅海でも発生する場合があり、詳しい原理は解っていない。SCを利用すると非常に遠くの敵艦を探知できる可能性があるが、SCまで潜れる潜水艦はソ連のチタン合金製潜水艦、アルファ型やマイク型などを除けば存在しない。しかし、曳航式ソナー (TASS) を使えば、そこまで潜らなくてもSCを利用する事ができる。また、SCには敵潜水艦の通過を監視するSOSUSなどの固定式海中ソナー監視網が設置されている。ソナーの探知方式には、アクティブ式(能動式)とパッシブ式(受動式)がある。アクティブ式は、ソナーから探知音を出して、その音が目標に命中して反射して、跳ね返ってきた音を受信する方式である。しかしこの方式では、探知音を出すことでかなりの電力が消費されるだけでなく、発した音波によって探知が可能な距離よりも遠くまで届いた音波を逆探知され、自らの所在を暴露してしまう危険が伴う。パッシブ式は、目標が発した音響をそのまま受信する方式である。自らの所在を暴露してしまう危険はない。ただし、この方式による目標の正確な位置の測定精度はアクティブ式に劣る。また、目標が停止している場合や音響が非常に小さい場合には探知することができない。つまり、これら2つの方式には一長一短があり、それぞれの特性を補い合わせるように利用する必要がある。通常は、パッシブ・ソナーで目標の大まかな位置を把握しておき、魚雷発射管制時など、目標の精密測定が必要な場合のみにアクティブ・ソナーを使う。潜水艦に装備されている主なソナーには、次のようなものがある。ただし各国によって装備方法は異なるので、米海軍式を中心に解説する。ソナーによる探知に対しては、静粛化対策が施される。戦後の潜水艦の活動においては、以前とは比較にならないほど潜航時間の比率が増した結果、静粛化がいっそう重視されるようになった。これは、一方では敵に探知されるのを防ぐため、他方では自身のソナーによる探知(特に受聴)を妨げないためであり、攻防のいずれにおいても重要である。そこで、設計上の高度な技術的改良から、艦内床面へのゴムシート敷設や乗員のゴム底靴使用などのような単純な工夫まで、ありとあらゆる対策を実施している。

出典:wikipedia

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