玉攻めは古武道の用語で、現在では金的蹴りと呼ばれる。人体の急所の一つである睾丸(俗にいう「金玉」、「釣鐘」）を足の甲、または膝頭で蹴り上げる技。眼球や喉頭などと同じく、睾丸は白膜と陰嚢に守られているだけであるため、ダメージを与えやすい。そのため金的は護身術として有効な手段の一つであり、さまざまな武道・自衛術で取り入れられている。蹴り技の中でも比較的単純な動作である為、短時間で習得できる。警察や地方自治体での護身練習でも効果的な反撃法として金的蹴りが積極的に導入されていたが、過剰防衛と判断される可能性がある上に、相手を逆上させる可能性が高くハイリスクである為、現在は推奨されていない。衝撃を受けた場合、局部には鋭痛、腹部には鈍痛を感じ、さらに吐き気と呼吸困難をもたらす場合もある。ヒトが打撃によって感じる痛みの中でもかなり上位に位置すると言われているが、高いダメージを与えるには水平方向でなく、股間の真下から上へ向けて打突する必要がある。比較的軽い打撃でも相手の動きを鈍らせることが可能であり、一時的に性行為を困難とさせる上に打撲によるセロトニンの分泌で性的興奮を抑えることもできる。金的蹴りを中心とした護身法の代表はクラブ・マガ、ジークンドーだが日本では空手を始め試合では禁じ手とする武道が大半である。空手道では組手での金的蹴りは女性から男性への攻撃として許可される場合が多い。合気道では女性の護身の技として金的蹴りが奨励されているが、試合では禁じられている。日本発信の金的重視の武道は少林寺拳法が最も有名である。最近は女性の参加者が急増し日本各地の道院に留まらず、世界各国に拠点が拡充されている。総裁が女性であることも金的蹴りが奨励されている一因と想像される。（逆に男性の参加者に対しては、金的の防御を強調している。）少林寺の金的蹴りは科学的な見地から副睾丸を狙うように改良されている。副睾丸は睾丸の下から裏にかけての部分で睾丸の中でも痛感神経が集中しておりダメージが高いが、睾丸本体と違い自己再生し生殖機能への後遺症を残さず、精神的なショックによる吐き気、呼吸困難も少ない。さらに副睾丸への刺激は大脳では内臓全般に対するダメージと解し体を沈静化するよう指示するので、金的以上に相手の戦意を削ぐことができるとされる。技法としては、金的を真下からすくうように蹴り上げ、蹴り足を戻す際に膝を引きつけて裏側の副睾丸を圧する独特なもの。金的蹴りは目打ちとの組み合わせで行い、基本練習に取り入れられている。日常で起こり得る場面での有効な打撃技として一般女性向けの護身講習でも比較的初歩の技として公開されている。金的用ファールカップは安全を重視した二重構造とする創意が盛り込まれている。金的攻撃を試合で認めた流派に日本拳法と無門会がある。

出典:wikipedia