『レベルE』(レベルイー、LEVEL E)は、冨樫義博による漫画作品。山形県を舞台にオカルト的な要素の強い、宇宙人を題材としたSF漫画。地球にやって来たドグラ星のバカ王子が暇つぶしに起こす悪ふざけを軸とした物語がオムニバス形式で展開される。『週刊少年ジャンプ』誌上において1995年42号から1997年3・4合併号まで掲載。『幽☆遊☆白書』に続く、作者3作目となる連載作品。「アシスタントを使わず一人で描いたらどうなるか」ということに挑戦した作品であるため、同誌としては異例の月1での連載となった。タイトルは作者が当時見ていた映画『』をもじってつけたが、エイリアン (Alien) の頭文字をEだと勘違いしていたため「レベルE」と命名された。担当にそれを指摘された作者は「『E.T.』のEだ」と苦しくも弁解したとコミックス『HUNTER×HUNTER』の余白部で吐露している。作中、山形県勢初のベスト8進出を熱望する高校野球ファンが登場する。これは1995年発表当時、山形県勢は高校野球では春夏通じてベスト8に入ったことがなく、新潟県勢と共に下位に甘んじていたため。2011年にテレビ東京系列 (TXN) でアニメ化された。全16話からなる本作は、内容から8編に分けることができる。これらに正式な名称はついていないが、本稿では独自研究として便宜的に以下の様に呼ぶ。全ての作品が世界設定を共有しているものの基本的にはオムニバス形式であり、各編毎の繋がりは薄い。ただしシリーズとして関連性の高い話も存在し、以下に大別される(シリーズ名は便宜的に付けたものであり正式表記ではない)。高校進学に伴って山形で一人暮らしを始めることになった筒井雪隆は、引っ越したその日に自分より先に自分の部屋で勝手に生活している自称宇宙人の男に出会う。追い出そうとする雪隆だが、男に言いくるめられ、結局彼を同居させた上、宇宙人であることも認めざるを得なくなってしまう。落ち着く間もなく雪隆の周りに男をめぐって、人間の宇宙人研究機関員、宇宙からやって来た男を王子と呼ぶ護衛達、さらには山形周辺を縄張りとする好戦的な宇宙戦闘民族ディスクン星人まで動き出し、風雲急を告げ始める。しかし雪隆達の不安をよそに、当の本人は全く緊迫感無く悠々とショッピングを楽しんでいた。林間学校の途中、同級生が同じ学校の何者かに喰われるところを偶然目撃してしまった悪ガキ4人組は、次は自分達の番ではないかと怯え、自己防衛のために犯人探しを始めた。しかしその矢先、4人の内の一人が姿を消す。いよいよ切羽詰った彼らは、知り合いの怪しい人物に助けを求め、とあるつぶれかけの精神クリニックを紹介される。この短編のみ王子が作中で描いた漫画(劇中劇、アニメ版では携帯のゲーム)となっている。バカ王子が次の退屈しのぎに選んだのは、東京に住む5人の小学生。学校帰りの5人を自身の宇宙船へさらって来た王子は、半ば無理やり、変身ヒーロー原色戦隊カラーレンジャーへと改造してしまう。そんな王子の思惑に抵抗を続ける5人だったが、王子の悪巧みは着々と進んでいた。常に宇宙を放浪しているマクバク族は、雌のみで構成され、繁殖期になると、女王が種族を代表して異種族の雄性体の一人と交配し何万という子孫を残す。しかし交配された種は数世代以内に必ず絶滅する。そんなやっかいな種族が地球に目を付けやって来ることを知ったクラフトたち三人は、マクバク族王女のムコ探しを阻止するためにボディーガードとして同行、あれやこれやと邪魔する。そんなクラフトたちの妨害工作も空しく、王女は目当ての相手を見つけ、さらに相手も王女に一目惚れの相思相愛になってしまう。夏の高校野球の山形県予選。あと一勝で甲子園という所まで進んだ雪隆たち如月高校野球部だったが、勝ち進むに従って突然部室の窓ガラスが割れるなどポルターガイスト現象が頻繁に起こるという問題も抱えていた。それについて様々な推測をしながらも、目の前に迫った甲子園への興奮もあり、それ程問題にもしなかった雪隆たちだが、県予選決勝の日、突然今までで最大の怪奇現象に見舞われる。雪隆達の応援に行く途中、偶然その怪異を目撃したディスクン星人のラファティの知らせで事件を知ったクラフト達は、救出方法を模索する。ある企業の重役が尾の先が二つに分かれている宇宙人・ツインテールマーメイドを落札した。しかし彼は、マーメイドに嘘をついてしまい、彼女の舌により刺し殺される。彼女は密猟業者に解放を懇願するが、密猟業者達は約束を守る気など無く、彼女でさらに一儲けしようと企む。そんな頃、「原色戦隊カラーレンジャー」の1人・清水が父の仕事の都合で、アメリカに転校することになる。清水は寂しさを素直に表現できず強がって誤魔化そうとするも、他の仲間と喧嘩になってしまう。そんな清水と、傷つき倒れたマーメイドが出会う。しばらく姿を見せていなかったバカ王子が突然、雪隆の部屋を訪れた。神妙な面持ちで、バカ王子は「人に追われているので、かくまって欲しい」と言う。話を聞いてみると、王子を追っているのは、王子の実弟にしてドグラ星の第2王子モハン=キ=エト・ドグラとバカ王子の許嫁ルナ=ミ=マド・マグラであると言う。彼らの目的は、バカ王子とルナの結婚。ドグラ星において王位継承権を持つ者は、満20歳までに王妃候補を選定して結婚の儀を執り行わないと王位継承権が次順の王子に移る。結婚したくないし面倒だから国王にもなりたくないバカ王子と、バカ王子を国王にしたくないクラフトらの利害が初めて一致し、協力して結婚阻止に乗り出す。歳月は流れ、バカ王子と雪隆が出会って10年近くが経過した。王子は結局ルナと結婚して新王に即位し、娘のカナも7歳になった。ドグラ星の新王朝がようやく軌道に乗ってきたため、バカ王とルナ王妃は遅めの新婚旅行に出かけた。しかし、運悪く革命商社クイーンツという武装テロ組織の一味に誘拐されてしまう。バカ王子の故郷であるドグラ星とその衛星であるマグラ星の人間。ドグラ星とマグラ星の間には古くからの支配従属的な因習が残っており、マグラ星の無血革命での解放を目指すマグラ同盟という結社が存在する。名前の由来は夢野久作の小説「ドグラ・マグラ」から。バカ王子が暇つぶしに考えた悪ふざけで無理やり結成させられた小学生5人からなる正義のヒーロー戦隊。腕輪を装備した状態で「○○チャージ」(○○はそれぞれに対応した色)と叫ぶことにより声の大きさに応じた時間だけカラーレンジャーに変身できる。原色戦隊の名前にあるように、それぞれ割り当てられた色ごとに特有の技を使うことができ、レベルが上がる毎に新たな能力が使える様になる。『RPGツクール』をモチーフとした世界観を構築しているため、基本的には一般的なRPGのシステムを踏襲しているが経験値は存在せず、変身時間に応じてレベルが上がるため変身時間が経験値に相当する。なお、腕輪を装備している時はバカ王子が直接脳に語りかけることができ、逆に王子は装備者の周りの音を聞ける。レベル5くらいから徐々に実戦向な能力を覚えだし、また、それぞれの色が力を合わせることで違う色の力を使うこともできる(例・白と黒で灰色、退廃の力を使える)。レベル100までは、レベルを1つ上げるのに約30分かかる。レベル100以降はレベルアップの時間が短縮されるかわりに、新しい魔法を覚えるのが10レベルごとになる。高度な魔法ほど唱えにくい。MPの消費量は魔法のレベルと同じで、レベル1の魔法はMPを1消費し、レベル3の魔法ならMPを3消費する。つまりレベル15の戦士はレベル2の魔法を7回、レベル1の魔法なら15回使えることになる。MPはしっかり睡眠をとることで回復する。「原色戦隊カラーレンジャー編」、「原色戦隊カラーレンジャー・人魚編」に登場。アニメでは「バカ王子・襲来編」、「バカ王子・結婚編」にも登場する。雪隆の通う高校の野球部。個性派揃いだがチームワークは非常によい。キャプテンの岩田が「このチームで勝てなければ野球のルールの方がおかしい」と豪語するほどの実力をつけてきているが、地元新聞では控え層が薄いとも云われている。甲子園出場をかけた山形地方予選決勝戦当日、ある事件へと巻き込まれる。「高校野球地区予選編」に登場。宇宙有数の戦闘種族。彼らの手にかかって絶滅した宇宙種族は軽く三桁を越える。しかし種族揃って大の野球狂であるため、地球では野球が見られなくなることを恐れて、同じく野球狂であり仇敵であるエラル星人とも共存し大人しくしており、地球はディスクン星人とエラル星人が共存する唯一の星になっている。見た目は地球人とほとんど変わらず、地球の人間社会に普通に溶け込んで生活しており、雪隆達が住む寮の管理人もディスクン星人である。ディスクン星人の仇敵である戦闘種族。ディスクン星人と同じく種族揃って大の野球狂。ディスクン星人に先立って地球に来訪し、野球の盛んな地域の大半をナワバリに収める。ディスクン星人とは地球でもしばしば小競り合いを繰り返すが、他の彼らの抗争から見ると、ありえないほどの極小規模のものであり、「地球人を争いに巻き込まない」という紳士協定すら結んでいる。本来は地球人とは異なる外見で、着ぐるみを着ることによって地球人に化けている。男が排卵期の女を食べ、体内で受精させて卵を産むという生態系を持つ。このため通常の食欲とは別に女を食べる欲求(『見えない胃袋』と呼ばれる)が本能として備わっており、地球においても時おり女性を捕食している。劇中劇である「食人鬼編」のみの登場だが、王子いわく実際に存在する種族とのこと。雌のみで構成され、交配し子供を産むのは女王のみ。同種族の雄は一切存在せず、異種族の雄との交配によって繁殖を行う。このマクバク族と交配した種族の雄は種族全体が繁殖能力を失うこととなり、数世代で必ず滅びる。このため彼女達は“異種喰い”と呼ばれ宇宙の中でも恐れられている存在となっている。婿の選び方は本能に従った一目惚れ。女王も交配を行うのは生涯一度だけであり、交配後はその相手の種族の星に住み着く。2010年10月23日より開催された「ジャンプスーパーアニメツアー2010」にて、テレビアニメ化が発表され、2011年1月から4月にかけてテレビ東京ほかにて放送された。全13話。現代を意識した時代設定となっており、原作発表時にはなかった薄型テレビや多機能携帯電話が作中に登場。原作最終話のハネムーン編はカットされ、結婚編を最終エピソードにしている。ナレーションは立木文彦が担当。
出典:wikipedia
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