宇治市(うじし)は、京都府の南部に位置する市。世界遺産ともなっている平等院、宇治上神社等の文化財や宇治茶等の特産品で知られる。西側に巨椋池干拓地があり、現在は農地と住宅街になっている。京都府内では京都市に次ぐ人口を有する都市である。京都市への通勤率は29.1%(平成22年国勢調査)。現在の宇治市となるべく合併した地方自治体は、いずれも小規模な町村であったため早くから合併の機運があった。のちに合併の中心となる久世郡宇治町は1922年(大正11年)、同郡大久保村との合併決議および府知事への上申書提出を可決した。一方、大久保村でも同様の決議が行われたが村内で反対集会が行われるなど意見がまとまらず、その機会を得なかった。1930年(昭和5年)には、府知事の諮問をもとに久世郡が宇治町と槇島村の合併を計画したが、これも実現しなかった。一方、宇治郡に属していた山科町や醍醐村が1931年(昭和6年)に京都市へ編入されるさい、同郡宇治村(のちの東宇治町)も京都市への編入を打診されたが実現しなかった。なお、同郡笠取村は京都市への合併を希望していたが実現しなかったため、軍需輸送のために建設された道路で直結していた宇治村と1942年(昭和17年)に合併し、東宇治町となった。第二次世界大戦後、地方自治体の権限の拡大にともない教育や警察などの財政負担がより大きくなったため、合併へ向けての機運の盛り上がりのほか、その研究が様々な立場から行われた。1949年(昭和24年)、府会議員全員を委員とする調査委員会により出された試案は、槇島村・小倉村・大久保村および東宇治町が宇治町を中心とする枠組みの中で合併するというものであり、この案をもって合併へ向けて動き出した。なお、合併協議の中では綴喜郡宇治田原村・田原村(いずれも現在の宇治田原町)や久世郡淀町(現在の京都市)および同郡佐山村・御牧村(現在の久御山町)または久世郡寺田村・久津川村・富野荘村(いずれも現在の城陽市)を含める案も検討されている。一方、この合併協議の中では京都市への編入についても議論されている。特に、生活圏が同一となる地域もある東宇治町内の住民には京都市への編入という意見が依然として強く、府の世論調査では積極的および消極的な意見を含めると町民全体の88パーセントにもおよんだが、町議会は宇治町を中心とする合併に向けての決議をいち早く行った。なお、同時期には町関係者と京都市や府関係者などとの協議も行われている。結局、財政面など自治体運営の合理化に寄与することや、特産品である「宇治茶」の振興を一体的に図れること などが決め手となり、1951年(昭和26年)3月1日、各町村が合併し宇治市となった。なお、京都市への編入に関する議論は市制施行後も常に議会での討議がなされるなどくすぶり続けたが、編入を掲げた市長に対し不信任案が提出され、その後の選挙で編入反対派の革新系候補が勝利することにより議論は終息した。いわゆる平成の大合併においては、宇治市と城陽市・宇治田原町・井手町の枠組みでの議論がなされた。2002年(平成14年)に設置された合併協議会では、上記の4市町および八幡市・京田辺市・久御山町という枠組みで協議が行われたが、のちに上記4市町での枠組みとなった。しかし交渉がまとまらなかったため2007年(平成19年)11月、合併協議会は解散した。1960年代前半から京阪神の住宅都市として脚光を浴び、市内各地で宅地造成が相次いで行われた。これにともない著しい人口増加がはじまり、1979年8月には15万人を、1998年9月には19万人を超えた。市が策定し2011年から実施している「第5次総合計画」では、「第1次総合計画」から盛り込まれている『みどりゆたかな住みたい、住んでよかった都市』という都市像を引き続き基本理念としつつ、国全体で減少傾向と予測される人口動向に対応し、市街化地域を拡大しないほか大幅な人口増加を前提としない(計画終了年度の2021年における設定人口は18万人あまり)など、情勢に即した計画が策定されている。平成22年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、0.01%増の189,609人であり、増減率は府下26市町村中5位、36行政区域中9位。主な行政機関商業施設宇治茶の産地であることから、公立の小中学校ではそれにちなんだ地域教育が実施されている。その一環として、校内の蛇口から茶が出る「茶飲み場」が設けられており、食育に活用されている。旧来の宇治郷に近く、市役所への最寄り駅でもあるJR奈良線宇治駅が代表駅だが、利用者数では近鉄京都線大久保駅が一番多い。市の西部を国道24号が南北に通る。また、東西には京滋バイパスが通過しており、市内には東から順に笠取IC・宇治東IC・宇治西IC・巨椋ICがある。京滋バイパスは瀬田東JCTで名神高速道路に、大山崎JCTで名神高速道路および京都縦貫道と接続しているほか、久御山JCTを介して第二京阪道路などと接続している。市内の宇治橋は646年に宇治川に架けられた交通の要衝となる橋で、宇治橋西詰交差点には、京都府道3号・7号・15号・241号・248号の5府道が集結しており、サイエンスライターの佐藤健太郎によれば、都道府県道路線が集まる交差点としては全国最多の場所であると自身の著書の中で述べている。2013年の宇治市の観光入込客数は3,947,844人で京都府内では京都市に次ぐ第2位であるが、観光消費額は5,267,500千円で府内第5位である。(上記と重複する部分もあるが便宜のため主要な関連項目を列記)
出典:wikipedia
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