脂質降下薬(ししつこうかやく、, , )は、脂質異常症に用いる医薬品あるいは栄養素である。HMG-CoA還元酵素阻害剤(スタチン)、フィブラート系薬剤、陰イオン交換樹脂(レジン)、プロブコールなどがある。また、魚油に多いEPAやDHA、植物ステロール、ビタミン剤(ニコチン酸、ビタミンE)にも、日本の健康保険上の適応を持つ製剤がある。高脂血症。主に中性脂肪に効くEPAやフィブラートと、LDLコレステロールを低下させるスタチンやレジンがあり、最近認可を受けたスタチンでは高コレステロール血症のみ適応が通っている場合があるので使用では留意する。HMG-CoA阻害薬であるスタチン系の使い方を中心に述べる。まずは高LDL血症をみたら、甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群、ステロイドの使用の除外を行う。これらによる二次的な増加は原疾患のコントロールが優先される。特に甲状腺機能低下症に注意が必要である。高LDL血症の治療方針は急性冠症候群の一次予防か二次予防か、冠疾患のリスクファクターの該当数によって大きく異なる。一次予防で考慮する冠疾患リスクファクターは6つある。加齢(男性ならば45歳以上、女性ならば55歳以上)、高血圧、糖尿病(耐糖能異常を含む)、喫煙、冠動脈疾患の家族歴、低HDL-C血症(HDL-C<40mg/dl)がリスクファクターである。リスクファクターの該当数が0個ならばⅠ(低リスク群)となりLDL<160mg/dl、2個以内ならばⅡ(中リスク群)となりLDL<140mg/dl、3個以上ならばⅢ(高リスク群)となりLDL<120mg/dlにコントロールする。すでに急性冠症候群を起こしている場合は主要冠危険因子数に関係なくLDL<100mg/dlにコントロールするようにする。一般に血清LDL-C濃度は食事時間に依存しないため随時採血で十分である。まずは生活習慣の改善を行い、目標値よりも50mg/dl以上大きければストロングスタチンと言われるリピトール® ()、リバロ®、クレストール®といったものを用いて、目標値より30mg/dl以下の場合はスタチンであるメバロチン®やリポバス®を使用する。薬物相互作用が気になる場合はメバロチン®、リバロ®が選択されることが多い。相互作用はマクロライド系抗菌薬、アゾール系抗真菌薬、カルシウム拮抗薬など多岐にわたる。スタチン単独で目標のLDL値に達しない場合は併用薬を用いる。小腸コレステロールトランスポーター阻害薬であるエゼチミブ(ゼチーア®)10mg 1×やレジン(陰イオン交換樹脂)であるコレスチミド(コレバイン®)などが用いられることが多い。レジンを使用する場合は併用薬の吸収を阻害するため、併用薬はレジン内服の1時間以上前または4時間以降に内服となる。スタチン内服後も高TG血症がある場合はイコサペント酸エチル Ethyl eicosapentaenoic acid (EPA)であるエバデールS600 3C3×を使用する。重大な副作用としては肝障害と骨格筋障害が知られている。筋肉痛といった症状が出現することが多く、筋炎や横紋筋融解症は極めて稀である。筋疾患や甲状腺機能低下症が認められる場合は横紋筋融解症のリスクが高まるため注意が必要である。高齢者や肝機能障害、腎機能障害がある場合も注意が必要である。高TG血症はTG<150mg/dlを治療目的とする。高LDL血症(高LDLコレステロール血症)と合併した場合は高LDL血症を治療することが多い。しかしTG≧500mg/dlの場合は急性膵炎防止のため高TG血症から治療することもある。高TG血症の治療はフィブラート()がよく用いられる。フィブラートには善玉コレステロール(高比重リポタンパク、)を増加させる作用もある。肝障害、横紋筋融解症のリスクがあり、そのリスクは腎機能障害時に増悪する。また胆汁へのコレステロールが排出を促すため、胆石症を起こすことがあり、既往がある場合は注意が必要である。またSU剤やワーファリンとの相互作用も知られている。フェノフィブラート(、リピディル®、トライコア®など)とベザフィブラート(、ベサトール®SR、ベザリップ®など)が知られている。フェノフィブラートは尿酸低下作用もあるが、一過性の肝機能障害を起こしやすく、肝障害のある患者では避けられる傾向がある。その他ニコチン酸、パンテチンも用いられることがある。フィブラートとスタチンの併用は横紋筋融解症のリスクが高く、腎機能障害時は禁忌となる。フィブラートは耐糖能異常改善作用があるため糖尿病の治療に応用されることもある。
出典:wikipedia
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