『1980アイコ十六歳』（1980あいこじゅうろくさい）は、堀田あけみの小説。名古屋を舞台に、弓道部に所属する高校生三田アイコの学園生活を描いた物語。堀田は愛知県立中村高校在学中の1981年、本作により当時史上最年少の17歳で文藝賞を受賞した。単行本は同年12月に河出書房新社より出版されている。好きなおしゃべりをしているときの気持ちが描写されているなど、高校生の年代の女性の気持ちを描写した小説として、同世代の共感と、他世代の評価を得た。『アイコ十六歳』のタイトルでテレビドラマ・映画も作られ、テレビドラマは続編も制作されている。『1980アイコ16歳』のタイトルで漫画版が飯塚修子の作画で発表されている。進学校に通う弓道部員、三田アイコ16歳の目下の関心事は、一向に上達しない自身の弓道の腕前と、男子部員に媚びる女子部員・花岡紅子への憤りだった。中学時代の級友との決別、元彼との別れ、教師との論争などに学校生活を送っていたアイコが、クラスメイトからの中絶カンパの要請を受けたり、発作的に手首を切ってみたり、同じ学校生徒の自殺などを経て、元彼の事故死を眼前で目撃する。: 本作の主人公。K高に通う16歳の高校生で弓道部に所属している。天然パーマで髪型はボブ。作中では主に黒髪だが、単行本の表紙では薄い黄色。クラスは1年6組。震度4の地震でも眠っていたため友人から図太いとからかわれている。家の屋根に登る癖がある。: 小学生の時から想い続けて両思いになった彼氏がいるが別の高校になり電話でもそっけない態度を取られていて、自身も良太が気になり始めていた。マーコからの情報で彼氏が別の女と付き合っていることを知り、電話をかけて別れた。男子達が紅子の表面的な態度に騙されて女子の陰口を言っている場面を目撃し、良太がそれを否定しなかったことにショックを受ける。家で「紅子なんか消えてしまえ」とこぼしたところ、母親から叱られ、手首を切って自殺を図るが、あまりの痛さに途中でやめる。母親は親身に話を聞くようになり、紅子に周りからどう思われているか自覚させるよう提案される。部活中に紅子を呼び出し自慢をしないよう忠告したが、自身の弓道の下手さを指摘され逆に嘲笑される。それを見た良太が紅子に謝るように言うが、紅子が怒って去ってしまい、説得に失敗した。: 弓道が好きで真面目に取り組んでいるが、基本的に的に中らず、1中で喜ぶほど下手であり、友人達もそれに対して気を遣っている。はりきって昇段審査に臨むが、自分だけ不合格となり、さらに二段の紅子から嘲笑される。落ち込んでそのまま帰り、翌朝弓を返しに弓道場へ行くと、楽しそうに床を拭いている良太を見て、努力が報われずみじめだが、それでも弓道が大好きな自分の気持ちに気づく。: 2学期が終わり、好きな季節である冬を満喫していると屋根の上で足を滑らし両脚を捻挫する。年末に足が治り立ち読みしていると、旧友のゆうと元彼に立て続けに会う。その後ゆうと「ひまわり屋」へ行き、ゆうが自身の元彼を好きなことを知る。全てがうまくいく方法はないか考え事をしていると轟音を出すバイクが傍を横切り、トラックに衝突するのを目撃、即死したバイクの運転手は自身の元彼だった。葬式でゆうと泣きわめき、年内は部活の練習にも出ず、ずっと屋根の上で呆けていた。除夜の鐘が鳴り終わったら元彼のことを吹っ切ると決め、始業式には立ち直って登校した。男子部員は紅子のぶりっこにすぐ騙される。アイコの通う高校。1982年に「アイコ16歳」というタイトルで全2回、1984年に「アイコ17歳」というタイトルで全2回、の計4回がTBS系列の『日立テレビシティ』で放送された。ロケ地は神奈川県立川和高等学校。1984年版は一部キャストが変更されている。（1）は1982年版のみ、（2）は1984年版のみの担当。出演の高校生役はすべてオーディションで選ばれ、主演のアイコ役は127,000人の応募者の中から当時中学3年生の富田靖子が選ばれた。ロケ地は市邨学園高校。富田靖子と松下由樹のデビュー作である。製作総指揮の大林宣彦は、8ミリ時代から知っていた今関という若い才能を世に出すため、大林が保証するという事で製作総指揮という形で参加した。製作会社のアミューズに今関を紹介し、シナリオに桂千穂を付けるなどの、事前準備までして以降の現場にはタッチしていない。今関は現場スタッフから遊離してしまい苦労を重ね、プロデューサー格の秋田光彦はのち、「シナリオ教室」3月号6頁に、「孤立無援」「それでも映画はちゃんとできた」と記している。飯塚修子の作画で、『1980アイコ16歳』のタイトルで週刊マーガレット上で連載された。昭和57年『週刊マーガレット』（集英社）1982年21号から同年30号まで連載。単行本は全1巻。単行本カバーの宣伝文には“10代の共感をよんだ「ニュー学園ストーリー」の傑作”とある。作中のセリフの一部には原作者の出身地である愛知県方言と思しき訛りが含まれている。高等学校の弓道部に所属する女子生徒達の人間関係を中心とした恋愛漫画である。弓を引く場面の描写は10ページ未満であり、試合や具体的な練習描写もなく、いわゆるスポーツ漫画ではない。胸当ては付けるが袴を着ているシーンは全くない。
出典:wikipedia
