『ビッグ・リボウスキ』(原題: "The Big Lebowski")は、1998年製作のアメリカ映画。コーエン兄弟製作のコメディ映画。同姓同名の大金持ちと間違えられ、誘拐事件に巻き込まれた男の騒動を描いている。ジョージ・H・W・ブッシュ政権下、湾岸戦争のころのロサンゼルス。ジェフリー・リボウスキこと“デュード”は同姓同名の金持ちと間違えられ、闖入してきた暴漢たちに部屋の敷物に小便をかけられてしまう。敷物の弁償を求めて金持ちの“ビッグ・リボウスキ”を訪れるデュード。しかしビッグ・リボウスキは彼を穀潰しの怠け者と見なして、けんもほろろに追い返す。去り際にデュードは屋敷から立派な敷物を持ち帰る。その後、デュードはビッグ・リボウスキから呼び出され、彼の豪邸に再び向かう。そこでデュードは、ビッグ・リボウスキの誘拐された妻バニーの身代金の引渡し役をして欲しいと頼まれる。依頼を引き受け、自宅でまどろむデュード。彼は新手の侵入者たちに気絶させられ、ビッグ・リボウスキの家から持ち出した敷物を奪われてしまう。誘拐犯たちとの交渉にあたって、デュードはビッグ・リボウスキの秘書から身代金の入ったブリーフケースを託される。身代金の引渡しに向かうデュードに、ボウリング大会のチームメイトであるウォルター・ソブチャックが無理やり同行すると言いだし、ウォルターはこの事件はバニーによる自作自演の狂言誘拐であり、みすみす大金を彼女に与える必要はないと主張する。ウォルターの妨害により身代金の引渡しに失敗するデュード。気晴らしにボウリング場に向かうデュードとウォルターだが、ボウリングに興じている間に大金の入ったブリーフケースを積んだデュードの愛車が盗まれてしまう。デュードは警察に車と敷物の盗難届を出すが、彼の元に敷物を盗んだという女から電話が掛かってくる。デュードを殴って敷物を持ち出したのは、ビッグ・リボウスキの娘である前衛アーティストのモード・リボウスキとその一味だった。デュードを自分のアトリエに呼び出したモードは、リボウスキ家の内実を彼に暴露する。デュードに身代金の奪還を依頼するモード、デュードを付け狙うドイツ訛りの誘拐犯たち、そしてバニーを探し回る街の顔役ジャッキー・トリホーン。怪しげな人物たちが絡んできて、事件は一気に複雑な様相を見せ始める。ミュージシャンのエイミー・マン、および、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーがニヒリストの一人として出演している。映画の脚本自体は1991年公開の『バートン・フィンク』とほぼ同時期に書かれたものであるが、当時のコーエン兄弟は彼らの望んだスタッフや俳優を起用できなかったため製作を延期していた。前作の『ファーゴ』の成功で自分たちの望む映画を作れるようになったコーエン兄弟が、改めて製作に取り掛かった作品だとされる。映画のタイトルである『ビッグ・リボウスキ』は、チャンドラーの代表作である『大いなる眠り』(原題:The Big Sleep)からとられている。当初コーエン兄弟は、レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説のような語り口の映画を作ろうとしていた。映画中では二回デュードの夢のシーンがあるが、コーエン兄弟はそれらを楽しみながら撮影したという。デュードのモデルとなったのは、過激な反戦運動で知られる映画プロデューサーのジェフ・ダウドである。ダウドはコーエン兄弟が処女作の『ブラッド・シンプル』の配給先を探している時にそれを手助けした、いわば兄弟にとっての恩人ともいえる人物であった。主人公のヒッピー崩れのダメ男デュードを、ジェフ・ブリッジスが演じている。ブリッジズは初めて映画の脚本を読んだ時、自分がデュード役を演じるために生まれてきたように思えた、と語っている。デュードのボウリング大会でのチームメイトや対戦相手を、ジョン・グッドマンやスティーブ・ブシェミ、ジョン・タトゥーロらコーエン兄弟制作映画の常連たちが演じているが、いずれの役もコーエン兄弟が彼らの起用を脚本執筆の時から想定して書いたものである。主人公が不可解な事件に巻き込まれ、怪しげな人物たちと出会い、事件の真相を探るという映画の基本的な構造は、チャンドラー作品と相似している。主人公が悪漢に気絶させられ、夢や幻覚を見るという筋書きも、ハードボイルド小説ではありがちなものである。映画は1998年3月6日に北米で公開され、北アメリカで約1700万ドルの興行収入をあげた。興行的には制作費を若干上回る程度の利益しかあげられず、批評的にも前作『ファーゴ』以上の作品を期待していた多くの評論家たちを失望させた。公開当時は批評的にも興行的にも今ひとつの評価だった本作品だが、DVDが発売されると徐々にブームに火が付き、一躍人気映画となった。深夜に観る映画のチョイスとして、主に若者たちから支持を集めたともいわれる。2012年現在ではカルト映画として一部の熱狂的ファンから絶大な支持を受けている。ブリッジスが本作品で見せた自然体の演技は高く評価されている。1998年度のベルリン国際映画祭では金熊賞の候補となったが、受賞には至らなかった。2003年にはエンターテイメント・ウィークリー誌のカルト映画トップ50で第34位にランクインした。この映画の熱狂的なファンによって、毎年リボウスキ・フェスティバルという名前のイベントが開催されている。ホワイト・ルシアンを飲みながら、映画の好きな登場人物に扮してボウリングをするというイベントである。2002年の第1回大会はルイビル、それ以降は毎年違う都市で開催されている。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。