柑橘類(かんきつるい)は、ミカン科ミカン亜科ミカン連(カンキツ連)の、ミカン属など数属の総称である。漢籍由来の言葉ではなく日本での造語で、ミカン(蜜柑)やタチバナ(橘)に代表される。柑橘類とされる「ことがある」属は以下のとおり。なお関連する属分類は諸説あるが、ここでは や田中長三郎による属を使う。狭義にはミカン属・キンカン属・カラタチ属の3属からなる。近縁な中で農業的に栽培されるのはこれら3属であり(ただしカラタチ属は主に台木として栽培される)、この定義は農業分野に多い。広義にはそれらにクリメニア属を加えた4属、すなわち、田中による分類での「カンキツ連」に等しい。この定義は分類(の一説)に基づいており、植物学分野に多い。まれに、さらに広義の定義として、エレモシトラス属・ミクロシトラス属を含めた6属、すなわち、 による分類での「真正カンキツ類」とすることがある。逆に最も狭義には、ミカン属のみとする。この用法は、 を柑橘類と訳した翻訳文献でしばしば見られる。また、「統計上」という但し書きでミカン属とする資料もある。ただし実際には、日本の農業統計ではキンカンはカンキツ類に含まれている(カラタチはデータなしのため扱い不明)。「柑橘類」という言葉は日常生活および産業上において頻用される日用語であり、英訳する際には通常 と訳される。この言葉は属の学名 が日用語に採り入れられたもので、現在では よりも広い範囲の樹木や果実を指すようになっている。しかし と明確に区別するため、植物分類ではしばしば「」という表現が使われ、「柑橘類」と対訳される。これは厳密には柑橘類よりやや広く、Swingle による分類でのミカン亜連の13属の総称である(Swingle & Reece 1967での正確な表現は「」)。学名 は、和名ミカン属にあたり、日用語 「柑橘類」よりも狭い。ただし、キンカン属とカラタチ属をミカン属に含める場合、狭義の(3属からなる)柑橘類と等しい。なお、 自体はある種の樹木を指すローマ時代のラテン語 からである。「柑」と「橘」は、完熟した甘味の果実と青い酸味の果実を意味する。「矞」は青いという音符である。柑橘類の果実は食用となる。果実の「爽やかな香り」と「甘酸っぱい味」が特徴。甘い種類は生食・ジュースや製菓材料として、酸味が強い種類は菓子のほか料理の酸味づけとして世界各地で広く利用される。オレンジやレモンのように世界的にポピュラーなものもあれば、地域ごとに特色のある柑橘類も存在し利用方法も様々である。果実は10個前後の小袋が放射状に並んだ形状をしており、小袋をじょうのう(瓤嚢)、小袋の薄皮をじょうのう膜、小袋の中身(いわゆる果肉)を砂じょう(砂瓤)と呼ぶ。じょうのう膜は食べることができるが、種類によって厚さが異なり、また食習慣・好みによって取り除かれることがある。砂じょうは涙形の長さ数ミリメートル程度の粒で、じょうのう膜の中に無数に詰まっている。砂じょうの表面は薄い膜があり、その中は果汁で満たされている。じょうのう膜の中には硬く食用にならない種子もあるが、ウンシュウミカンのように種子がない場合もある。果皮の表面には直径1ミリメートル程度の球形の油胞が無数に存在し、リモネンをはじめとする精油が含まれている。一般に油胞には果肉よりも豊富な香り成分が含まれるが、苦味がある。果皮の内側は白く柔らかい綿状または繊維質をしておりアルベドと呼ばれる。レモンやユズのように表面を薄く剥いたりすり下ろして菓子や料理の風味づけに使ったり、アルベドも含めて砂糖漬けやマーマレードにしたり、あるいは乾燥させて食用にする。カラタチなど、一部を除いて常緑であり、樹高も低木の範疇に収まるものがほとんどである。古くから日本の広い地域で栽培、利用されているが、ルーツは熱帯から亜熱帯にあり耐寒性のない種類も多い。棘を持つもの、葉に芳香成分を含むものが目立ち、蝶類の幼虫の食餌として好まれる傾向がある。柑橘類には、オレンジ、レモンに代表されるように豊富なビタミンCやクエン酸が含まれている。さらに、β-クリプトキサンチンも含まれており、ヒトでは、β-クリプトキサンチンはビタミンA(レチノール)に変換されるためプロビタミンAと見なされている。他のカロテノイドと同様に、β-クリプトキサンチンは抗酸化物質としてフリーラジカルによる酸化的損傷から細胞およびDNAを保護していると考えられている。柑橘類は、デザイナーフーズ計画でがん予防に有効性のあると考えられる40種類ほどの野菜、果実類に含められている。一方、チラミンも含まれており、その血管収縮作用の消失から拡張へ向かう際に片頭痛を引き起こす可能性がある。Swingle & Reece (1967)の分類を示す。なお、あくまで分類の図示であり、必ずしも系統を反映していない。ミカン連には、ミカン属、キンカン属、カラタチ属など、約28属(属数は分類により増減する)が含まれる。商業的に重要な種類は、ほとんどミカン属に含まれる。狭義の柑橘類に含められるキンカン属とカラタチ属は、ミカン属に含める説があり、Penjor et al. (2014)の分子系統もそれを支持する。ただし Lu et al. (2011)の分子系統は、カラタチ属は真正カンキツ類の中で最初に分岐したとする。さらに最も広義には、エレモシトラス属・ミクロシトラス属までもをミカン属に含める説がある。しかし、この2属は互いに近縁なものの、ミカン属からは比較的(クリメニア属と同程度かそれよりも)遠い。日本語版ウィキペディアに記事がある種類の一覧は記事末尾を参照。柑橘類の種分類は学説により種数に大きな差がある。ここで、2つの種名を / で併記した場合は、1つ目が多くの種を認める田中による種名、2つ目が少数の種しか認めない Swingle による種名である。田中長三郎のものに基づく区に分けて示す。Penjor et al. (2013)の分子系統による。彼らによると、ミカン属は3つのクラスタに分かれる。カラタチ属・キンカン属は、ミカン属の中で各クラスタと同等の枝をそれぞれなす。クリメニア属・エレモシトラス属・ミクロシトラス属は、それら3属からは少し離れている。田中による区のいくつかは複数のクラスタにまたがる。また、Swingle はミカン属を2亜属 と に分けたが、この分類も系統から支持されない。
出典:wikipedia
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