日本法において判決(はんけつ)とは、訴訟(民事訴訟や刑事訴訟)において、裁判所が当該事件について一定の厳重な手続を経た上で示す判断のことをいう。この節で、民事訴訟法は条数のみ記載する。民事訴訟・行政事件訴訟においては、判決は、原則として口頭弁論に基づいて行われる(1項本文、)。民事訴訟・行政事件訴訟における判決は、判決書の原本に基づく言渡しにより効力を生じる(、、行政事件訴訟法7条)。民事訴訟・行政事件訴訟における判決には、請求(訴訟物)に対する判断を示した本案判決と、訴えや上訴が不適法であるため訴訟物についての判断に立ち入らない訴訟判決がある。刑事訴訟における判決は、公判廷における宣告によりなされ効力を生じる(刑事訴訟法342条、刑事訴訟規則34条)。なお、判決書は、宣告前に作成することを要しない。また、上訴の申立てがなく、かつ、宣告から14日以内に判決書謄本の請求がないときは、公判調書の末尾に主文等を記載することで、判決書に代えることができる(刑事訴訟規則219条)。リアリズム法学の知見を承継した法社会学の世界では、判決書・判決文の構成や内容の適切性が学問的に検証されている。日本の判決文に対する主な指摘は以下の通り。裁判の判決は公開法廷で行われなければならない(日本国憲法第82条)。刑事裁判においては判決主文に加えて、裁判官による理由の朗読ないし理由の要旨の告知も必要的(刑事訴訟規則35条2項)であるが、民事訴訟においては裁判官の任意(民事訴訟規則第155条2項)である。なお、民事訴訟の当事者は、判決が下されたら弁護士を通じて直ちに事件の結果を報告するよう嘱託していることが多く、たいていは判決言渡しの期日に欠席する。刑事訴訟の第一審においては、被告人の判決言渡し期日における出廷が原則として必要的である。地方裁判所など下級裁判所では、判決書は裁判官が職務の一環として自ら起草する。最高裁判所では、最高裁判所調査官と呼ばれる専門の職員が、担当の裁判官から論旨の方向性を聞かされた後、ゴーストライターとして裁判官に代わって起案する。判決書の様式は形式的な箇所を除いて特に法律で定められてはいないが、起案のマニュアルは存在する。著作権法第13条に明記されている通り、判決文に著作権は存在せず、自由に転載することができる。最高裁判所の判決文のうち、先例性が高いものは、最高裁判所民事判例集、最高裁判所刑事判例集に登載される(公式サイトには、登載予定の段階で公開される)。それ以外の判決で重要性の高いものは、下級審の判決も含め、そのほかの公式判例集に登載されたり(公式サイトで公開される場合もある。)、判例時報、判例タイムズなど民間の判例雑誌等に掲載される。しかし、これらの公刊物・インターネット上に掲載されない判決文については、保管機関に閲覧を請求することになる。民事裁判の判決書については、誰でも、裁判所書記官に対し、その閲覧を請求することができ、裁判所書記官は、訴訟記録の保存または裁判所の執務に支障になるような場合以外は、その閲覧を拒むことができない(民訴法91条1項)。ただし、当該訴訟の当事者が、私生活についての重大な秘密、あるいは営業秘密が記載されているなどとして閲覧制限等を申し立て、裁判所が、申し立てを相当と認めて閲覧制限等決定をした場合は、当該訴訟の当事者以外の第三者について、判決書の一部又は全部の閲覧が制限される場合があり得る(民訴法92条1項)。刑事裁判の判決書についても、当該事件が確定すれば、誰でも、検察官に対し、その閲覧を請求することができ、検察官は、訴訟記録の保存または裁判所もしくは検察庁の事務に支障のある場合以外は、その閲覧を許すものとされる(刑訴法52条1項、刑事確定訴訟記録法4条1項)。しかし、憲法82条ただし書に掲げる事件以外の事件の判決書については、検察官が、当該閲覧により、公の秩序又は善良の風俗が害されるおそれ、犯人の改善及び更生が著しく妨げられるおそれ、関係人の名誉又は生活の平穏が著しく害されるおそれのいずれかを認めた場合、閲覧請求者が、訴訟関係人又は閲覧につき正当な理由があると認められる者でない限り、その閲覧は制限される(刑事確定訴訟記録法4条2項)。ここでいう訴訟関係人とは、被告人、弁護人等をいい、閲覧につき正当な理由があると認められる者とは、民事訴訟など裁判手続等のため、あるいは学術研究のために閲覧が必要な者をいうとされる。裁判例には、ジャーナリストによる取材目的につき、「正当な理由」に当たらないとしたものがある(群馬県警事件)。とはいえ、訴訟記録全般の閲覧とは異なり、判決書の閲覧については、身上、前科等の記載部分が黒塗りされる場合があるものの、緩やかに認める運用がなされているといわれている。外国の民事判決は日本国内で直ちに効力は持たない。外国判決について承認ないし執行判決を得て日本国内で効力を有することとなる。ただし、外国判決の当否につき実体審理を行うことはできず、外国の判決に至るまでの経緯の正当性のみが審理される。当該外国が、日本の裁判判決について承認すること条件となる。又、公序良俗に反する内容の判決について、承認されない。日本の裁判所の判決は、イギリス、米国のカリフォルニア、ニューヨーク等一部の州、カナダ等で承認審理を経て承認される。承認を審理する外国裁判所は、原審の日本の裁判の管轄権、手続の正当性のみを審理対象とし、訴訟の内容自体についての再審を行わない。一般的に、承認を反対する被告がその立証義務を負う。
出典:wikipedia
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