『名探偵コナン』(めいたんていコナン, "Detective Conan")は、青山剛昌の推理漫画作品であり、本作を原作とした一連のメディアミックス作品の総称。話数カウントは「FILE.●」。なお、『サンデー』連載時にはエピソードごとの区切りとしてタイトルページに「シリーズ第●話(解決編の場合には「シリーズ解決編」)」と入れられている。謎の組織によって体を小さくされた高校生探偵の工藤新一が江戸川コナンと名乗り、組織の行方を追いながら数々の事件を解決していく活躍を描いた推理漫画。『週刊少年サンデー』(以下『サンデー』)にて1994年5号より『名探偵コナン』の連載が開始され、人気作品になっている。2014年6号で連載20周年を迎え、『サンデー』歴代史上最長の連載期間となっている。1996年から放映が始まったテレビアニメも高視聴率を取る『サンデー』屈指の人気作品で、2016年に20周年を迎えた長寿作品である。1997年からは毎年劇場版映画が公開されており、興行収入が2016年現在、8年連続で30億円を超えるなど絶大な人気を誇っている。2003年にはコミックスの総発行部数が1億部を突破し、2014年3月時点でコミックスの総発行部数は1億5000万部。漫画・アニメともに、世界でも翻訳・刊行・放映されている国もある。2001年、第46回(平成12年度)小学館漫画賞少年部門受賞。大人顔負けの推理力と洞察力を併せ持つ高校生探偵・工藤新一。ある日、幼なじみの毛利蘭と遊園地へ遊びに行った帰りに、謎の組織の取引現場を目撃する。取引の模様を見るのに夢中になっていた新一は、組織のもう1人の仲間に気付かず殴り倒され、口封じのためにその男に毒薬を飲まされるが、組織が知らなかった薬の副作用によって神経を除いたすべての組織が退行し、小学1年生の体となってしまう。そのため小さくなっても推理能力は大人顔負けという状況を生みだした。自分がまだ生きていることを組織に知られれば再び命が狙われ、周りの人間にも危害が及ぶ。何とか生き延びた新一は、正体を隠しながら謎の組織を追うために、周囲には阿笠博士の遠い親戚である江戸川コナンと名乗る。蘭の父親で探偵の毛利小五郎の家に居候し、周囲で次々に起こる事件を持ち前の推理力で解決しながら、元の身体を取り戻すために謎に包まれた黒の組織の陰謀を追っていくことになる。子供の姿のままで推理を披露しても信じてもらえないため、発明家の阿笠博士の作った時計型麻酔銃で高校生以上の人物を眠らせて、変声機でその人物の声になりすまして推理ショーを展開する。ほとんどの場合、眠らされるのが毛利小五郎のため、小五郎は名探偵と評されるようになる。主人公である江戸川コナンが、体を元に戻して日常を回復するというのがこの作品の主軸であり、元の体に戻るべく「黒の組織」という犯罪組織の謎を解き立ち向かっていくというのが本作の大きな流れである。なお、数々の事件が発生しているものの、ほとんどは組織とは無関係であり、そのため巻数を重ねても組織の正体が少しずつしか見えてこず、組織に関連する長い伏線が張られている。例えば主要人物の1人・灰原哀は、第2巻の「10億円強奪事件」でその存在が示唆され、初登場は第18巻である。黒の組織の幹部・ベルモットの変装に関しては、第24巻から第42巻まで、同じく組織の一員であるバーボンの正体に関しても第60巻から第78巻まで、ともに18巻の間に渡ってその正体が隠されたまま物語が展開されていた。また、FBI捜査官の赤井秀一の安否に関しても第59巻から謎が提示され、第85巻までその謎は解明されなかった。 作中の時間は『サンデー』掲載時の季節を追うが、新一や蘭らはずっと高校2年生のままである。作者はこのことについて「『サザエさん』と同じ」とコメントしている。また、この漫画に限ったことではないがテレビアニメ版も放送時の季節に合わせることがあり、原作では夏に起こった事件が放送日に合わせて冬になったりする場合もある。なお、季節こそループはするものの、季節の行事を題材にしたエピソード(例としてはバレンタインデーやホワイトデー、学校における文化祭など)は基本的に1度しか使わないように構成されている。例えばバレンタインを題材にした事件は第33巻に収録されているが、その後、連載における季節ループの後に先述のストーリーの流れを組んだホワイトデーの事件が第69巻で収録されている。テレビアニメでは第400話「疑惑を持った蘭」において、新一が小さくなってからまだ半年も経過していないということが明言された。その後、原作においてもコミックス第58巻収録の「赤井の過去」の話の時点で、10億円強奪事件(コミックス第2巻収録「行方不明の男」 - 「悪魔のような女」、アニメ第128話「黒の組織10億円強奪事件」)で宮野明美が殺されてからまだ数か月しか経過していないことが語られた。2009年度公開の映画『漆黒の追跡者』では、高木刑事が「最近、工藤君が帝丹高校の学園祭事件を解決した」と発言した。映画『探偵たちの鎮魂歌』のパンフレットによると、アニメ第400話の設定を改めて実感させるように、声優陣は新一が蘭の元からいなくなってまだ半年だということを考えながらアフレコを行っているという。2013年12月の山崎和佳奈のインタビューにおいても同様で、新一が小さくなってからまだ半年だという意識を持って臨んでいるという。なお、第1話のプロローグに位置づけられる第83巻FILE.10「水色の想い出」(アニメ版「工藤新一水族館事件(前編)」)の回想で、蘭が「あれからまだ1年も経っていないのに」と呟いていることから、その水族館事件からは半年以上〜1年未満であることが示されている。ただし、水族館事件から「今度、東京にできるトロピカルランド」が完成して開園するまで、さらにそこから第1話までの経過期間は不明である。また、作中に登場する道具類も変化している。新一としての連絡手段は、時代が進むにつれて小学生でも携帯電話やスマートフォンを所持するようになってからは、初期の公衆電話やイヤリング型携帯電話などが使われなくなっている。さらにコミックス第86巻では、新一が幼児化する以前の話にもかかわらず、連載当初(新一が幼児化して間もない頃)にはまだ普及していなかったスマートフォンが使われている。また、連載当初は手帳型であった警察手帳も、現実世界で2002年10月1日から警察手帳が新しくなりバッジ型に変わったのに合わせ、バッジ型手帳へと変更されている。推理漫画でありながら登場人物間の関係についての話も大きな位置を与えられている。物語が進み、黒の組織の内部が明らかになるにつれて両者が混合しつつある。登場人物の関係ではほとんどが、コナンを取り巻く人々や警視庁の刑事らの恋愛が問題になる。また、作者自身もこの作品を「殺人ラブコメ漫画」と称している。恋愛関係になるキャラクターは多くが昔からの知り合いという設定であり、過去の出来事に基づいた挿話がしばしば行われる。推理作品では探偵役が推理を披露した後に自殺などで犯人が命を落とすことがあるが、本作では死亡する犯人は少なく、現在の時点で死亡した犯人は原作・アニメ・劇場版・ドラマを含めても10人にも満たない。なお、単行本内の作者のコメントに「推理で自殺に追い込むなんて殺人犯と一緒じゃないか」とあり、コナンに「犯人を推理で追いつめて自殺させてしまう探偵は殺人者と変わらない」という趣旨の発言をさせている。本作の探偵役や警察官の大半は、基本的に正義感・使命感が強い反面、短絡的かつ直情径行で融通が利かない性格(悪く言えば視野が狭く、やや独善的かつ俗物寄りな勧善懲悪型)で犯人に同情・共感する様子はなく、逮捕後のアフターフォローやメンタルケアなどもほとんど見られない。特に無関係の人間を巻き込んだり、犯罪を軽視・正当化したりする相手には不寛容で、被害者に落ち度があったり、やむを得ない事情があっても、事件の非(責任)は全て犯人にあるかのような物言いをして、徹底的に叩きのめすケースが多く、最悪精神崩壊を起こしてしまう場合もある。しかし、例外的に命の危険にさらされたり肉親を殺されたりするなど非常に切実な動機の犯人には、複雑な表情を浮かべることがあり、その際には情状酌量する・生きる気力を与える・冷たく当たらないなどの配慮を行うこともあり、被害者にも非がある証拠を突き付けたりもする。なお、コナンが殺人犯を見逃したことはベルモット以外には1度もないが、殺人未遂で終わった犯人を見逃したことはいくつかある。未成年者の犯人・被害者の数は少なく、小中学生や園児が逮捕・殺害されたケースは回想以外では1度もない。また、再登場したキャラクターが殺害されたことは例外的状況で1度だけあるが、犯人になったことは1度もない。作中には、青山剛昌の他作品のキャラクターが出演することがある。『まじっく快斗』の怪盗キッドはレギュラーといえる存在になっている。同作品からは中森銀三が準レギュラー、白馬探と黒羽盗一が稀に登場するゲストキャラクターとして、寺井黄之助と中森青子は名前は出ないながらもカメオ出演しており、アニメ版ではそれに加え、小泉紅子・桃井恵子といった人物も登場している。『YAIBA』に関しては、YAIBA#名探偵コナンを参照。その他、『4番サード』のキャラクターが、「53,000分の1の悪魔」-「試合終了…!?」(アニメ版「甲子園の奇跡! 見えない悪魔に負けず嫌い」)に登場した。作者の初期作品『プレイ イット アゲイン』、『夏のサンタクロース』は劇中劇として登場している。これ以外に『サンデー』や『コロコロコミック』の企画によるOVAでの共演もある。「紫紅の爪(パープル・ネイル)」(アニメ版「怪盗キッドの瞬間移動魔術」)では小五郎が同じ『サンデー』原作の『絶対可憐チルドレン』に登場する人物について言及している場面がある。また、サンデー×マガジン創刊50周年企画の一環で『金田一少年の事件簿』との共同漫画誌とゲーム『名探偵コナン&金田一少年の事件簿 めぐりあう2人の名探偵』でのコラボレーション企画や、テレビアニメの特番『ルパン三世VS名探偵コナン』、劇場版『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』でルパン三世との対決(協力)が描かれたり、東川篤哉の『謎解きはディナーのあとで』とのコラボレーション短編小説『探偵たちの饗宴』でコナンと毒舌執事の影山が共演するなど、他作者の作品との共演も積極的になってきている。2002年7月1日放送の第284話「中華街雨のデジャビュ(前編)」には、同日放送夜10時開始のドラマ『私立探偵濱マイク』の主人公・濱マイクが、ドラマ主演の永瀬正敏の声で登場した。その他にも、大沢在昌の小説『新宿鮫シリーズ』の鮫島警部やテレビ朝日のテレビドラマ『相棒』の杉下右京との共演もさせてみたいと考えており、大沢からは人伝(ひとづて)に「鮫島を出してもいい」と言われているという。以下の道具は全て協力者である阿笠博士が開発した発明品。作品の主な舞台は東京都内の架空の町や施設で、多くの名称は推理小説に由来している。『名探偵コナン』(青山剛昌)は小学館・少年サンデーコミックスから発売されている。既刊90巻。裏表紙では、鍵穴の中にキャラクターが描かれている。カバー折り返しでは、「青山剛昌の名探偵図鑑」として名探偵と作者お薦めの作品が紹介されている。かつては小学館の学年別学習雑誌『小学四年生』、『小学五年生』、『小学六年生』にて連載されていたが、3誌ともに全て休刊となったため、2016年現在は『週刊少年サンデーS』および『月刊コロコロイチバン!』で連載されている。単行本はてんとう虫コミックスにて発刊。原作とは一線を画したオリジナルストーリーで、アニメ化されたことは第86話の「誘拐現場特定事件」、第113話「白い砂浜殺人事件」の2度しかない。原作者・青山剛昌は原案となり、作画は以下の3組にて行われている。また、小五・小六の後継誌『GAKUMANplus(2011年に休刊)』でも学習漫画「名探偵コナン 推理ファイル」が連載されていた。1996年から読売テレビ・日本テレビ系列で放送されているテレビアニメ作品。制作はトムス・エンタテインメント。現在、日本テレビ系列において、全国同時ネット放送の30分レギュラーアニメ番組としての最長寿作品。2016年現在、監督は山本泰一郎、キャラクターデザインは須藤昌朋と岩井伸之、音楽は大野克夫。1997年の春から公開されている劇場版アニメ作品。配給は東宝。これまでに20年連続20作品が公開されており、2016年現在、興行収入は18年連続・通算18度の20億円超え、8年連続・通算11度の30億円超えを記録、さらに近年は3年連続で興行収入40億円を突破するなど、現在も人気は上昇傾向にある。シリーズ最高興収は『純黒の悪夢』(2016年)が記録した63.1億円(2016年7月25日現在)でこれまでの最高興収であった前作『業火の向日葵』の44.8億円を大幅に上回り、シリーズ初の50億円と60億円の大台を同作品で突破する記録的な大ヒットとなった。これまで4年連続で最高興収を更新し続けている。正規シリーズ外では、2013年に『ルパン三世』シリーズとのコラボ作品『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』が公開された。興行収入は『純黒の悪夢』『業火の向日葵』に次ぐ42.6億円を記録した。詳細は2000年から発売されているOVA作品。読売テレビのイベント「天保山10デイズ わくわく宝島」の特別企画として、サントリーアイマックスシアターで3Dアニメが限定上映された。2014年4月23日には、スマートフォン向け放送局「NOTTV」にて、原作エピソード「逃亡者・毛利小五郎」が初めてアニメ化、放送された。これは劇場版第18作『異次元の狙撃手』の公開を記念して制作、放送されたもの。主題歌・スタッフは当時のテレビアニメ版に準じている。原作が一話完結する短いストーリーのため、通常より短いアニメ本編と劇場版の特報などを合わせて30分の番組を構成している。なお、後に「謹賀新年 毛利小五郎」のサブタイトルで2015年1月3日にテレビ放送された。2006年から読売テレビ・日本テレビ系列で放送されているテレビドラマ作品。放送されるエピソードは、江戸川コナン誕生前に発生した事件という設定になっており、全ての回で工藤新一が主人公となっている。挿画は小説 名探偵コナンを除いて、小説オリジナルとドラマ版のノベライズは青山のアシスタントでもある谷、阿部、山岸のイラストが、映画版とTVSP版のノベライズはアニメのイラストが用いられている。15周年記念特別企画として、『CONAN RADIO』が読売テレビ公式サイトで配信された。原作連載20周年を記念して2014年に3か所、2015年に4か所で開催された。テレビアニメ放映20周年を記念して2016年に、新たに2か所で開催されている。『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』の公開を受け、京都・東映太秦映画村で2013年11月30日から2014年2月14日まで本作の企画展『ルパン三世・名探偵コナンの世界展』が開催された。東映傘下である映画村で東宝配給の本作が特集されるという、異例の企画であった。ライバル同士と言われた2社のタッグは東映側からの提案から始まり、東宝側が快諾した。作者の青山剛昌の出身地、鳥取県東伯郡北栄町ではコナンを町のシンボルとして登用しており、町内各所にコナンのブロンズ像があるほか、青山剛昌ふるさと館も設置されている。また、北栄町役場で発行される住民票にはコナンのイラストや透かしが入っており、好評を博している(詳細は住基ネット巡りを参照)。2010年に「コナン」が縁となって北栄町と滋賀県湖南市の交流が始まり、2011年7月2日に両市町は友好提携都市となった。
出典:wikipedia
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