オオサンショウウオ (大山椒魚、学名:"Andrias japonicus") は、両生綱有尾目オオサンショウウオ科オオサンショウウオ属に分類される有尾類。別名ハンザキ。日本(愛知県、大分県、兵庫県、広島県、岡山県、岐阜県、島根県、鳥取県、三重県、山口県、四国〈人為分布?〉)固有種種小名 "japonicus" は「日本の」の意。最大全長150センチメートルと、チュウゴクオオサンショウウオと並び世界最大の両生類として知られる。野生個体では全長100センチメートルに達することは極めてまれで、全長50-70センチメートル。皮膚は無数の小さな疣状で覆われる。体側面や四肢の後部では襞状に皮膚が伸長する。背面の色彩は暗褐色で、不規則な黒い斑紋が入る。一様に黒く見える個体、斑紋をほとんど入らない個体もいる。上顎中央部に並ぶ歯の列(鋤骨歯列)は浅い「ハ」字状。頭部は大きく平坦で、眼は小さい。卵は直径0.5-0.8センチメートルで、黄色い。標高400-600メートルにある河川の上流域に生息する。完全水生。夜行性で、昼間は水辺に掘った巣穴などで休む。中流や下流でも見られることがあり、市街地近くや水田の水路に生息していることもある。実際に兵庫県出石川下流での護岸工事のときに400匹以上が見つかっている。食性は動物食で、魚類、カエル、甲殻類、貝類、ミミズなどを食べる。貪欲で水中で遭遇した動物質には襲いかかり、共食いすることもある。繁殖形態は卵生。オスは6-7月に川辺に掘った横穴を掘り、産卵巣を作る。産卵巣は毎年同じ場所を利用することが多く、岩の隙間を産卵巣にすることもある。8-9月にオスが産卵巣にメスを誘い、300-600個の数珠状の卵を産む。卵は約50日で孵化する。オスは孵化するまで保護する。幼生は生後3-5年(全長20センチメートル)で変態し、幼体になる。生後5年(全長57センチメートル。変態してから1-2年後。)で性成熟すると考えられている。寿命は野生下では10年以上、飼育下では51年の飼育例がある。開発による生息地の破壊、人為的に移入されたチュウゴクオオサンショウウオとの競合などにより生息数は減少している。日本では1927年に和良村(現:郡上市)の和良川および支流域(1932年に八幡町の鬼谷川水系、1933年に大和町の小間見川水系が追加)、川上村と中和村、八束村、湯原町(現:真庭市)、院内町(現:宇佐市)と湯布院町(現:由布市)がそれぞれ「オオサンショウウオ生息地」として国の天然記念物、1951年に種として国の天然記念物、1952年に特別天然記念物に指定されている。京都府の賀茂川において、食用として人為的に持ち込まれたチュウゴクオオサンショウウオが野生化しており、在来のオオサンショウウオとの交雑が問題になっている。近年の調査では、賀茂川での調査によって捕獲された111匹のオオサンショウウオのうち、13%がチュウゴクオオサンショウウオ、44%が雑種であるという結果が出ている。しかし、チュウゴクオオサンショウウオもIUCNレッドリストの「絶滅寸前 (CR)」、ワシントン条約附属書Iに記載、種の保存法の国際希少野生動植物種に指定(「アンドリアス属(オオサンショウウオ属)全種」として)されており、法令等により保護されている。そのため、単純に外来種として処理できず、問題が複雑化している。「山椒魚」の名の由来は、一説に、山椒のような香りを発することによるという。平安時代以前からの古称に「はじかみいを」があり、これもすなわち、「山椒(はじかみ)魚(いを)」の意である。また、「ハンザキ」の異称があり、引用されることも多い。由来として「からだを半分に裂いても生きていそうな動物だから」「からだが半分に裂けているような大きな口の動物だから」などとも言われ、疑問符つきながらこうした説を載せている辞書などもあるが、信頼できる古文献の類は現在のところ知られていない。ほかに、「ハジカミ > ハミザキ > ハンザキ」のように変化したとする説や、体表の模様が花柄のようにも見えることから「花咲き」から転訛した、といった説もあるが、これらについても現在のところ裏づけは乏しい。オオサンショウウオは特別天然記念物であり、捕獲して食利用することは禁じられているが、特別天然記念物の指定を受けるまでは、貴重な蛋白源として食用としていた地方も多い。北大路魯山人の著作『魯山人味道』によると、さばいた際に強い山椒の香りが家中に立ち込めたといい、魯山人はこれが山椒魚の語源ではないかと推測している。最初は堅かったが、数時間煮続けると柔らかくなり、香りも抜けて非常に美味であったという。また、白土三平『カムイ外伝』でも食用とする場面が見られ、半分にしても生きている「ハンザキ」と説明されている。
出典:wikipedia
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