『デビルマンレディー』(DEVILMAN LADY)は、『モーニング』に連載されていた永井豪による日本の漫画作品。基本的には『デビルマン』の設定を男女逆転させた形を取っているが、漫画版とアニメ版では設定・ストーリーが大きく異なり、漫画版では『デビルマン』の世界のパラレルワールドという位置づけで不動明も登場するがスター・システムで宇津木涼も登場する作品となった。アニメ版は完全に独立した作品として完成している。1997年7号から2000年30号まで『モーニング』で連載された。単行本は全17巻、文庫版は全9巻。文庫版には単行本に収録された内容にさらに加筆してあるため、真のエンディングを知るためには文庫版が必要。終盤ではデビルマンとの絡みの場面もある。『チャンピオンREDいちご』2013年Vol.38より『キューティーハニー対デビルマンレディー』の漫画連載を開始。高校教師の不動ジュンは水泳の元オリンピック選手でテニス部顧問。日頃から「戦いたい」という体の疼きにさいなまれている。ある日、合宿中にビースト化した大学生に襲われ、生徒達が次々とビーストの餌食になっていく。とうとうジュンも襲われて死を覚悟した瞬間「デビルマンレディー」として覚醒、ビーストを皆殺しにする。この事件はアスカ蘭がジュンをデビルマンレディとして覚醒させるため裏で仕掛けたものであり、ジュンはアスカに反発しつつも自らの「戦いたいという欲望」を満たすため、ビーストとの戦いを続ける。劇中世界の人気漫画『デビルマン』に登場する悪魔。1998年10月10日から1999年5月8日まで毎日放送(MBS)製作で『あにめシャワ〜』枠内で放送された。全26話。当時、『あにめシャワ〜』枠史上最高の視聴率(5%余り)を記録した。関東地区では独立局でネットされたため、UHFアニメにも分類される。1999年にユニバーサルミュージック株式会社よりLDとVHSが、2002年にDVD-BOXが発売。2011年には、ニコニコ動画とGyao!で相次いで配信が開始された。また、1999年6月24日に(有)フェイスより発売された『デビルマンレディー ハイビジュアルカードコレクション』や、2012年に登場した藤商事の『CRデビルマンレディー』も、当アニメ版を主なモチーフとしている。設定、展開とも原作とは大きく異なり、『デビルマン』やその他の作品との繋がりの無い、完全に独立した物語である。作風についても、原作の暴力的、終末的、官能的雰囲気は継承しつつも、ギャグシーン等は一切ない、一貫してシリアスな作品となっている。一方で、不動明を彷彿とさせる真紀猛をはじめ、オマージュやパロディが多々散りばめられている。漫画版「デビルマン」とは主人公の性別が変わっているだけでなく、ジュンと明、アスカと了、そしてビーストとデーモンと神、それぞれの立ち位置や運命が絶妙な対になっており、シリーズに詳しいファンを唸らせた。更に、力ある者がその使われ方によって「神にも悪魔にもなる」ことや、主人公と主要登場人物との同性愛的関係、異端となった者達が受ける苦しみ、そしてそれら全てを通して描かれる「人間とは」というテーマは、漫画版「デビルマン」、ひいては永井豪作品の特徴的要素であるが、本作もそれを強く意識した作りになっており、制作陣の永井豪への畏敬が感じ取れる作品となっている。これらのことから、本作は「『デビルマンレディー』のアニメ化」であるだけなく「漫画版『デビルマン』の再解釈・再構成」としての側面を持った作品に仕上がっている。また、監督の平野俊貴や構成の小中千昭は、本作を「ホラー」と位置づけており、その演出と展開により、原作に比べ非常に陰鬱かつ不穏な雰囲気となっている。「人間が異形の怪物となる」という荒唐無稽かつ古典的な設定ではあるものの、東京とその近郊の実在する場所を主な舞台とし、登場人物の仕事や生活の風景を丹念な取材やロケハンを基に描写、加えて、雰囲気を放映当時の社会的背景(相次ぐカルト宗教関連事件や猟奇殺人、通り魔等、異常な事件の頻発による社会不安、世紀末に伴う陰謀論や終末論への注目、長引く景気低迷による閉塞感 等)に絶妙にマッチングさせることにより、視聴者と同じくどこにでもいる一般の人々が日常の中で突然恐怖に巻き込まれる不条理をリアルに描き出すことに成功している。作品として一定のファンを獲得したことは勿論だが、作画の質の問題や(制作の項を参照)、作中世界としては一応の大団円であるものの、主要登場人物、とりわけ主人公ジュンが辿る運命があまりに悲愴で、結末に至るまで完全に救われたとは到底言い難い展開であることなどにより、放映終了から十数年が経過した現在も、続編やリメイクを望む声は根強い。その制作にあたっては、週一回脚本家が集まって会議を行い方向性の統一を図るといった試みや、テレビアニメという枠組みの中で出来る限りの現実感・実写感を醸成すべく、舞台を都内や東京近郊の実在する場所とし、それを丹念なロケハンや取材と、慎重な色彩設計に基づきリアルに描き出す、といった工夫と努力がなされた。デザインについては苦労が多かったようで、例えば、一般的にアニメでは人物の服装はあまり変わらないことが多いのに対し、本作の登場人物達は現実と同じく毎回違う服装であり、ジュンなどに至っては変身の度に服が破れ、なおかつモデルという職業もあいまって頻繁に服装が変わる。そのため、キャラクターデザイナーの西岡忍は膨大な数のファッション雑誌を購入し、悪戦苦闘することとなったという。また、色彩設計の中山久美子は原色など、いわゆるアニメっぽい色を避けるよう監督に念を押されていたといい、加えて本作は夜や地下など暗めのシーンが多いことや前述の服装の膨大な種類も重なって、その色彩設計にはかなり苦労したという。一方で、本編の作画については安定したとは言い難く、回によってキャラクターの顔がかなり違ってしまっている。これは、各作画監督の個性や力量の違いはもちろん、西岡のデザインが美しい反面非常に繊細で再現が難しかったことが大きな原因である。しかし、当の西岡は多忙から本編にはほとんど関われず、その悔しさを唯一作画監督を担当した最終話やLDジャケット、『デビルマンレディー アニメーションメモワール』の描き下ろしなどにぶつけたといい、その甲斐あってそのどれもが極めて質の高い仕上がりとなっている。特にLDジャケットについては、本編の猟奇的かつ官能的な雰囲気を非常に美しく表現することに成功しており、平野俊貴や小中千昭に「本編は暴力描写や性描写を自主規制せねばならない中での表現であって、LDジャケットの雰囲気こそが本来描きたかったものである」と評されている。音楽は、渡辺俊幸が作曲。当時のテレビアニメとしては珍しく、フルオーケストラによる収録が行われた。スタッフには、小中千昭、諸冨洋史、古怒田健志、村井さだゆき、長谷川圭一、赤星政尚、丸山浩など、平成ウルトラマンシリーズに関わった人物が多い。その中でも、脚本の古怒田、長谷川、赤星、モンスターデザインの丸山は、本作がアニメデビュー作である。美貌の人気ファッションモデルである不動ジュンは、ある夜突然、アスカ蘭と名乗る女性の訪問を受け、人気の無い倉庫へといざなわれる。閉じ込められたジュンは、人が異形の獣「ビースト」になる恐ろしい光景を目の当たりにする。ビーストに襲われ崩れ落ちるジュン。刹那、彼女の眼に妖しい光が宿り、その肉体は恐ろしくも美しい獣へと変貌を遂げる。ビーストの姿でありながら人の心を持ち続ける「デビルマン」に。本能の赴くままにビーストを葬るも、我に返った瞬間その事実に戦慄するジュン。しかしそれは、「ビーストハンター」として、「デビルマン」として、そして「人間」としての、彼女の過酷な運命のはじまりに過ぎなかった。略称は「ビースト」。「クルセイダーズ」という呼称や、各ビーストの名称は設定のみで、本編では一度も登場していない。※は毎日放送での本放送終了後にネット開始。その他の局は週遅れネット。後に同じ毎日放送製作参加の『進撃の巨人』(2013年)が、福岡県では福岡放送でネットされている。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。