スピン偏極STM(スピンへんきょくSTM、Spin Polarized Scanning Tunneling Microscope)は、磁場を計測することが可能な走査型プローブ顕微鏡の一種である。磁区によるスピンを計測することができる顕微鏡として磁気力顕微鏡とスピン偏極顕微鏡がある。ここで、MFMとスピン偏極STMを比べると、空間分解能でMFMが劣る様に思われるが、磁気ディスクの読み出しをはじめ、記録されたデータを読むという意味では、MFMに分がある。またスピン偏極STMが磁区情報を取得すると言う意味において考えなければならないのは、熱による揺らぎによりスピンの状態がどのようになるか、そして空間分解能で0.1 nmと言ってもそれほどではないという点に注意しなければならない。磁性材料薄膜をコーティングした探針を磁性試料表面上で走査しながら、探針―試料間の距離、及び探針―試料間に流れるスピン依存したトンネル電流を制御し検出する。探針と表面のスピンの向きが同じ場合、あるバイアスVを試料-探針間に印加すると、電流は流れやすく、スピンの向きが異なる場合、電流は流れにくい。ここで、探針を磁性体としたスピン偏極STMでは、トンネル電流は常にスピン偏極していて、電子はトンネル後もスピンを保存しようとするために、トンネル確率はスピン偏極度と磁化の向きで変化する。また、探針または試料のスピンを固定し、コンダクタンスを調べると、試料の磁化方向を知ることが可能となる。Biasを変化させ、電流像とトポ像取得する方式 (CITS) が再現性がよくもっとも良い方法と考えられている。STM同様表面に敏感、または酸化膜などがある場合は表面の観察が不可能。
出典:wikipedia
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