『妖怪大戦争』(ようかいだいせんそう)は、2005年に公開された日本映画。監督は三池崇史。主演は神木隆之介。1968年に公開された大映の同名作品『妖怪大戦争』のリメイク作品である。登場する妖怪の一部は旧作に準じており、特に旧作で主役級の役割を果たした河童は今作品でも同様に扱われているが、時代設定・登場人物・筋立て等は旧作とは全く異なっている。水木しげる、京極夏彦、荒俣宏、宮部みゆきが「プロデュースチーム『怪』」として製作に参加している。荒俣の代表作『帝都物語』の登場人物加藤保憲が登場するほか、水木の代表作『ゲゲゲの鬼太郎』に言及する台詞も存在する。主題歌は井上陽水と、同映画で妖怪ぬらりひょんとしても出演している忌野清志郎。サントラCDと主題歌&挿入歌のCDは同年7月27日に発売。テレビでの地上波初放送は2006年8月11日であるが、物語の重要なキーワードである「真っ白な嘘」及びそれに絡む多くの部分、そして「本当の結末」が電波に乗らなかった他、妖怪件(くだん)や一つ目小僧の登場場面をはじめ多くのシーンやカットが削除されており、劇場公開時とはかなり異なった内容となった。角川グループ60周年を記念して製作された。2002年11月、作家の宮部みゆきと雑誌『怪』編集部の、68年の『妖怪大戦争』に関する雑談がきっかけになり、同じ頃設立された(株)角川大映映画の企画として取り上げられた。2004年7月13日にロケ地である鳥取でクランクイン、9月1日に調布市の角川大映スタジオで製作記者発表が行なわれた。11月21日には火災によりセットの一部が焼失する事件があったが、2005年1月16日にクランクアップ(撮影終了)となり、8月6日に全国松竹・東急系劇場にて公開に至った。角川大映映画の処女作として13億円の制作費をかけ、スタジオ内に森・沼・吊り橋などの大規模なセットを設け、コンピューターグラフィックも用いているが、全面的に頼る事はせず、手作業やアナログの映像にもこだわりを見せている。妖怪は3000人ものエキストラを動員して撮影した。著名な芸能人が妖怪役を務めたことも話題となった。主人公、稲生タダシはひ弱な都会っ子。両親の離婚に伴って母方に引き取られ、母の故郷・鳥取で、ボケの始まった祖父と3人で暮らしている。しかし、田舎暮らしになじめず、学校では都会育ちゆえに悪ガキたちにいじめられる、うんざりな毎日を送っていた。そんなタダシが夏祭りの夜、この世が危機に陥った時に人々を救うという「麒麟送子」に選ばれる。「麒麟送子に選ばれた子どもは、大天狗が住む山へ伝説の聖剣を取りに行かなければならない!」そう悪ガキたちにはやし立てられ、バカにされたタダシは意を決して山へ行く。が、恐ろしさのあまり逃げ帰ってしまう。しかし、行方知れずになった祖父の助けを求める声が山から聞こえ、否応無しに再び山に足を踏み入れる。怯えるタダシを待ち受けていたのは、恐しくも愉快な妖怪たちだった。彼らとの出会いによってタダシは、歴史の闇に追いやられた古代日本の先住民族の怨念をまとった魔人・加藤保憲率いる悪霊軍団との戦いに巻き込まれてゆく。エンドロールおよび「写真で見る日本妖怪大図鑑」より。キャストがあるものは #妖怪のみなさん 参照。麒麟、一反木綿、化け傘、たくろう火、件、輪入道、雲外鏡、徳利転がし、目目連、化け提灯、洗濯狐、化け狸、手伝鬼、青面鬼、芝天、座敷殿、寺長、鉄猴、髭囃子、正眼猿、巻子の翁、分銅鬼、赤鴉、柿男、否哉、田植坊、野唇、鉄瓶噛り、カジカ爺、籠だまし、お金坊、油絞り、頭山、遠野河童、鬼童子、鴉坊、水神どん、灰汁坊主、漆壺、おらび鮹、オジーマジムン、目一ツ五郎、桶長、大まなぐ、木っ端天狗、つん太郎、目ひとつ坊、一角どん、なめくじら、大豕、布絡み、鉄腕、猿転晩子、蜘蛛親爺、猫魈、釜鳴、籠もどき、桶お化け、化け墨壺、なめら、笑ひ獅子、大手様、笑い口、青天狗、岩ぶくれ、赤髪、鬼娘、かわん太郎、古箪笥、山人、十二坊、三ツ目蜘蛛、屋鳴、まきざっぽう、蟹坊、禰々子、水天坊、伊草の袈裟坊、九千坊、追辺の平四郎、東司なめ、次背高、二尺坊、夢枕、八日象、メンツチ、土天狗、塗坊、紅蟷螂、磯天狗、瘤爺、籠男、聖天もどき、三角どん、木蓮の精、がふう、下がらごんぼこ、おんぼのやす、中連鬼、壺頭、ビーシャーヤナムン、水天翁。そのほか、台詞での言及だけだが鬼太郎の名が出る。2006年2月3日に発売。販売元は角川エンタテインメント。スペシャル・エディション(2枚組)とコレクターズ・エディション(3枚組)が同時発売された。完全受注生産による「怪」愛蔵版もある。また、映画公開に先駆けて2005年7月29日に見所を紹介したDVD『妖怪大戦争 ~ある夏の冒険記~』が発売された。漫画版は、雑誌『怪』 Vol.17 (2004年10月刊)から Vol.19 (2005年7月刊)に連載された後、終末部分を追加して単行本にまとめられたものが2005年8月1日に刊行された。鳥刺し妖女アギが『河童の三平』や水木の短編作品等に登場する魔女花子(『ゲゲゲの鬼太郎』の猫娘を思わせる容姿)に置き換えられ、川姫の役割の重要度が小さくタダシとの心的交流も無く、機怪の代わりにナンジャラモンジャラという怪物が出て来るなどの相違があるが、特に前半部分は映画の筋に忠実である。小説版は2005年5月30日に初版が出ている。全体に映画との違いが大きい。映画では既に離婚していたタダシの両親は物語の終末で離婚し、その際父母のどちらを選ぶか決断を迫られたタダシが本心を隠して母を選択した事が「真っ白な嘘」であるとされる。また、タダシの姉タタルが重要な役割を担っている事、アギや川姫の出自が日本歴史の闇の部分と深く関わっている事、アギと加藤保憲の関係も綿密に描かれているなどの点が映画と異なっているが、ヨモツモノ工場で機怪を作り出して人間社会に攻撃を仕掛ける、妖怪たちが東京に押し寄せる、妖怪大翁の登場等の物語の大筋は映画と共通する。この他、本作に登場する妖怪や機怪の写真で妖怪全般を紹介した『写真で見る日本妖怪大図鑑』が『妖怪大戦争』全日本妖怪推進委員会編集名義で2005年7月に刊行された(ISBN 4-04-853901-9)。「はしがき」は、映画の登場人物である佐田が書いていることになっている。よみうりランドでは映画を基にした歩行(ウォークスルー)型アトラクション『妖怪屋敷』が開業した。
出典:wikipedia
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