61式戦車(ろくいちしきせんしゃ、TYPE61 M.B.T.、TYPE61 TANK、M61A5 MBT、TYPE-61 5+)はアニメ『機動戦士ガンダム』シリーズに登場する架空の戦車。宇宙世紀0061年に制式採用された地球連邦軍の戦車。劇中ではモビルスーツ (MS) を引き立てるやられ役となることが多い。一年戦争前半の地球連邦軍の主力陸戦兵器として、モビルスーツやマゼラアタックなどのジオン公国軍地上部隊と戦った。本車はミノフスキー粒子下での戦闘が考慮されていない旧来の兵器だが、開戦当初の連邦軍ではモビルスーツに対抗できる唯一の陸戦主力兵器であった。モビルスーツとの戦闘では大きな損害を出したが、本車輌で5機以上のザクIIを撃破したエースも輩出した。連邦軍においてもモビルスーツの配備が進むに従い一線を退いていったが、宇宙世紀0087年頃まで使用され続けたという記録も存在する。モビルスーツ相手では苦戦を強いられているが戦車としては非常に高性能であり、マゼラアタックのような旧来の地上兵器に対しては十分に対抗できる戦力であった。元々の設定では無名であったが、アニメ誌が陸上自衛隊の61式戦車の名を代用し、その後のムックなどでもこの名が使われ定着。その後、長らく文字情報として「61式」という表意しかされていなかったその名の表音がOVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO』劇中で「ろくいちしき」と初めて明らかにされ、公式設定となった。OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』ではデザインが刷新され、『機動戦士ガンダム MS IGLOO』など、他の一年戦争を扱った作品にも登場。OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO2 重力戦線』の第2話では主役兵器として活躍する。長らく立体商品化されなかったが、『機動戦士ガンダム MS IGLOO2 重力戦線』の展開に伴い、1/35スケールミリタリーモデル『U.C.HARD GRAPH』シリーズとHGUCザク地上戦セットの双方で発売された。これに伴い、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』以降刷新されたデザインは61式戦車の数ある後期型のバリエーションの一つ「61式5型(スカート装着状態)」であり、主砲は「155mm滑腔砲」であると設定が付け加えられた。また、スカートを外すと『機動戦士ガンダム』に登場した車体に近い外観となるようデザインされている。乗員は各種操作の徹底的な自動化によって車長兼砲手、操縦手兼通信手の2名となっている。駆動方式は電気式。砲塔には155mm口径の滑腔砲を2門搭載する。砲身左右交互の射撃により高い発射速度を持ち、同時に斉射することも可能。砲塔側面には発煙弾発射機が各4基の計8基装備される。砲塔には砲手兼車長が乗車し、自動装填装置により給弾リングに収められた砲弾は自動で装填される。これに加え、衛星とのデータリンクにより精密長距離射撃が可能。車体前部に操縦手が乗車する。フットペダル方式を採用し、レバーにより方向転換を行う。脱出用ハッチも設けられている。劇中に明確な描写はないが車体後部はキャリアがあり、物資や4名ほどが乗車可能。最高速度は不整地でも時速90kmに達する。155mm2連装滑腔砲を装備したスタイルは信頼性が高く、制式採用後度重なる改良を受け続け、高性能化に成功。また、数多くのバリエーションが生まれた。『MS IGLOO2』のセリフから、地球連邦陸軍では本車輌4輌で一個小隊を編成している。また、一年戦争下の宇宙世紀0079年7月の時点でも生産が続けられている。各戦地や生産時期によって多数のマイナーチェンジが施され、それぞれ微妙にデザインが異なる場合がある 。本車輌は主に一年戦争を舞台とした作品に登場する。『機動戦士ガンダム』のテレビ版・劇場版共に、ジオン公国軍が占領した資源地帯オデッサへの攻略作戦「オデッサ作戦」発動直前から、他の陸上・航空兵力と共に登場している。テレビ版第26話にも登場。アイルランド、ベルファスト基地でのマッドアングラー隊によるホワイトベースへの攻撃でも、通常塗装車の他に、オレンジ色の本車が登場した。テレビ版第29・30話のジオン軍によるジャブロー攻撃の際も多数出撃している。シャア専用ズゴックを砲撃するが装甲に弾かれ、逆に踏まれたり投げ飛ばされるなどして多数が撃破された。アッガイによって潰された61式戦車も確認できる。テレビ版以降に製作された劇場版や映像・ゲーム・漫画の派生作品では、主砲を直撃させられればMSを撃破できることを強調する描写が増えていく。ジャブロー戦に於いては、ガンダムによる赤鼻の搭乗するアッガイを撃破する描写(テレビ版第30話)が、劇場版『哀・戦士編』では61式の攻撃に変更され、同じくゾックも61式の攻撃で撃破されている。テレビシリーズおよび劇場版では、いずれの戦いも性能で勝るジオン公国軍のモビルスーツに対し物量で対抗するという戦術であった。『機動戦士ガンダム MS IGLOO -1年戦争秘録-』第2話では、アリゾナの砂漠で、連邦軍が鹵獲使用する陸戦型ザクII小隊(セモベンテ隊)を61式2輌が支援。ジオン軍試作機動戦車「ヒルドルブ」と交戦した。ミッチェル車はザクマシンガンの120mm弾を被弾して撃破され、マリオン車は稜線の影に隠れるもヒルドルブの300mm主砲で吹き飛ばされた。『機動戦士ガンダム MS IGLOO2 重力戦線』第1話では脇役だが、第2話では主役兵器として活躍し、マゼラアタックとの戦車戦も描かれた。劇中では、61式戦車がマゼラアタックを圧倒する描写がある。さらに0079年7月26日の戦闘では、ハーマン・ヤンデル中尉の指揮する第301戦車中隊の2個小隊(8両)+1両が、残骸に紛れて待ち伏せをし、発煙弾発射機・焼夷榴弾・閃光弾(劇中では「フラッシュバン」と呼称)による撹乱など多彩な戦術を駆使し、敵の機動性に苦しめられつつも、ザク3機と交戦して8両を失いつつも勝利する。しかし救援に来た第11パトロール隊の対戦車ミサイルによって撃破される。くわえて前日にも、連邦軍欧州方面軍がザク部隊によって機甲戦力の半分を失う大損害を受けた。第3話にもオデッサ作戦に参加する本車が登場するが、陸戦型ジムや陸戦強襲ガンタンクに比べて目立った活躍はなかった。「ギレンの野望シリーズ」「GGENERATIONシリーズ」など、ゲーム作品でも登場するが、モビルスーツに比べ性能・命中率が劣るユニットとして登場する。一部ゲームでは、ザクやドムより射程が長く設定されている場合もあり、この場合は一方的に砲撃が可能である。61式戦車の設計は宇宙世紀0061年と古く、設計当時は対MS戦闘は全く考慮されていなかった。搭載する主砲もモビルスーツを撃破できるだけの威力はあるものの、当てるのは困難であった。劇中に登場する61式戦車は敵MSに対して有効な戦闘を行っているシーンが少なく、ほぼ一方的に撃破される描写が多く見られる。ただし、前述のように劇場版では後方からアッガイを、正面からゾックを砲撃して撃破している。また、ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオン独立戦争記』内のムービーではファンファンを、『機動戦士ガンダム アグレッサー』ではMSを囮にして誘き出したザクを、待ち伏せしていた61式部隊が主砲で撃破している。また『MS IGLOO』におけるヒルドルブとの対戦では、MSに比べ低い車高を生かし地形の稜線に隠れながら戦っている。オデッサ作戦では大量に投入され連邦軍を勝利に導いているが、作戦に参加した61式戦車の8割を喪失したという、ムックによる非公式設定もある。一方で、小説版『ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079』では、対MS戦術としてエイガー少尉の発案で装甲が薄い背面を攻撃する作戦がとられるなど、戦車の戦闘力を生かした描写もある。戦後の兵器開発ではMSが重要視され、旧来の兵器体系である主力戦車や制空戦闘機の新規開発は旧型の改良以外はほぼ停止された模様である。以後のシリーズに試作車両は登場するが、本格的には登場していない。U.C.0096に活躍し200mm滑腔砲2門を主砲とする「D-50Cロト」の“タンク形態”は、一年戦争後唯一地球連邦軍が新規制式化し運用した装甲戦闘車両である。
出典:wikipedia
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