『ガス人間第一号』(ガスにんげんだいいちごう、英題:"The Human Vapor")は、1960年12月11日に公開された、東宝製作の特撮映画。イーストマン・カラー、東宝スコープ。上映時間は91分。併映は『金づくり太閤記』(主演:加東大介、監督:川崎徹広)。変身人間シリーズの第3作。怪奇空想科学映画シリーズと銘打たれた検討用台本が『電送人間』の検討用台本とほぼ同時期に完成しており、当初よりシリーズ物として製作が進められた。『電送人間』では当時多忙であった本多猪四郎に替わり福田純が監督を務めたが、本多が監督する予定の『今日もわれ大空にあり』が製作中止になったため、本作の監督を務めることとなった。本作は東洋的な要素が受け、アメリカで大ヒットした。そこで、アメリカの映画会社によって『フランケンシュタイン対ガス人間』という続編が企画された。 アメリカで企画書を見た田中友幸が土屋に語ったところによれば、「藤千代をよみがえらせるためにガス人間がフランケンシュタイン博士を探す」というものだったという。関沢新一による第1稿のシナリオも作られたが、映像化には至らなかった。この企画は後の『フランケンシュタイン対地底怪獣』へとつながる。本作のBGMは、後に宮内國郎が音楽を担当した『ウルトラQ』や『ウルトラマン』に流用された。『ウルトラマン』の初のサウンドトラック・アルバム『ウルトラマン 総音楽集』(1991年、キングレコード)は、ボーナス・トラックとして本作のBGMが未使用分も含めて全曲収録されたほか、ライナーノーツには本作のデータや解説、楽曲メニューなどが記載され、本作のサウンドトラック・アルバムを兼ねた内容になっている。東京で不可解な手口による銀行強盗が頻発し、警察は容疑者を半ば強引に逮捕するが、そこに真犯人を名乗る青年・水野があらわれる。水野は違法な人体実験の果てに、自らを自由にガス化できる体質の「ガス人間」にされてしまった犠牲者だった。愛する女性、零落した日本舞踊春日流の家元・藤千代のため、自分の体質を悪用して銀行強盗で大金を貢いでいた水野は、自らをガス化して悠々と逃亡してしまう。そして、世間の批判にさらされる藤千代の発表会が開かれるが、観客たちは藤千代に「ガス人間を出せ!」などと罵声を浴びせる。怒った水野が正体を現すと、観客たちはホールから逃げ出す。観客がいなくなったホール内には警察の策略によってUMガスが充満していたが、藤千代は水野のために踊り続ける。踊り終えた藤千代が水野と抱擁を交わしながらライターに点火すると、ホールは大爆発を起こし、水野と藤千代は命を落とすのだった。本作で最もスタッフが苦労したのは、人体がガス化したりガスが固まって人体に戻ったりという視覚効果である。特殊撮影の責任者である円谷英二は、過去に『美女と液体人間』で使用した「膨らませたゴム人形の空気を抜いてしぼませる」という方法で人間が溶かされていく描写を表現したが、本作でも同様の方法を採用した。ガス人間役の土屋嘉男の顔面および全身から形取りした本物そっくりの空気ゴム人形を作り、膨らませた状態で衣裳を着せ、ピアノ線で吊り上げて補助しながら立たせておく。衣裳の内側にはドライアイスの粒がいくつも仕込まれており、人形の足元にはぬるま湯を入れたタライがある。人形の空気を抜いてしぼませると衣裳内側のドライアイスが落下し、ぬるま湯の中に沈む。空気の減り具合に合わせてピアノ線の補助を緩めて下ろしていけば、ゴム人形は衣裳と共にゆっくりとその場にへたり込み、襟や袖の隙間からモクモクとドライアイスの蒸気を吐き出す。この仕掛けを足元のタライが写り込まないように撮影し、その上に光学合成で青白く光るガスを焼きつけ、「自由にガス化する超能力」を表現した。製作当時、CGなど高度な映像加工技術は当然ながらまだ無く、円谷は持ち前の創意工夫によって「誰も見たことの無い不思議な映像」に挑戦した。しかし、このゴム人形を使った効果は予告編でしか見られず、完成版では演技する土屋本人の上に直接ガスを合成している。ただし、衣裳がへたり込んで襟からドライアイスの蒸気が出る場面は、完成版でも残されている。※映画クレジット順※映画クレジット順※以下ノンクレジット出演者2009年10月、シアタークリエにて舞台化。脚色・演出は後藤ひろひと。原作の「異端者の悲恋」をテーマに、設定を現代に置き換えてコメディ要素もふんだんに取り入れた作品となっている。出演は、高橋一生、中村中、中山エミリ、伊原剛志、水野久美、三谷昇、山里亮太など。
出典:wikipedia
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