小幌駅(こぼろえき)は北海道虻田郡豊浦町字礼文華にある、北海道旅客鉄道(JR北海道)室蘭本線の駅である。駅番号はH45。「礼文華トンネル」と「新辺加牛トンネル」という2つの長大トンネルの間に挟まれた崖のわずかな明かり部分に位置しており、四方のうち三方が急傾斜地、一方は海(内浦湾)に接している。そのため、鉄道と船舶以外の交通手段では接近が難しい。1943年(昭和18年)に、列車交換のための信号場として設置され、1987年(昭和62年)に駅になった。いわゆる『秘境駅』のひとつとして数えられ、牛山隆信の『秘境駅へ行こう!』のランキングにおいて秘境駅度1位とされている。2016年3月26日のダイヤ改正以降では、1日あたり普通列車は下り(室蘭方面)2本・上り(長万部方面)4本の計6本が停車する。2015年時点では1日8本の普通列車が停車していた。道内の主要幹線である室蘭本線に位置するため、通過する特急列車や貨物列車の数は多い。2015年(平成27年)7月、保守のためのコストが問題となっており、利用実績も乏しいためJR北海道は廃止の可能性を示唆し、その後、同年10月を目処に廃止する意向を豊浦町に伝えた。町では当駅を観光資源として存続させるよう求めたその後、豊浦町が駅の管理・運営を検討していることを明らかにし2015年10月での廃止は見送った上でJR北海道と協議を続けることになったJR北海道が示した年間の維持費は約150万円、そのほか、老朽化したプラットフォームの改修には一千万円程度かかる模様だが、町は2016(平成28)年度の予算に駅存続のために当面必要な費用を盛り込む考えを示している。さらに今後、ふるさと納税の活用なども含め、費用確保の方法を模索するとしている2015年12月、JR北海道は町との協議に基づき町から駅存続のための費用・人的支援を受け、当面1年駅を存続させるとともに、今後も状況を見つつ1年ずつ更新を検討していくことを公表した。相対式ホーム2面2線を有する複線区間の地上駅。互いのホームは千鳥式に配置されており、長万部方にある構内踏切で連絡している。後述の放棄された配線が中線状に残置されており保線用の横取りとして機能しているが、礼文華山トンネルへの入口は2004年ごろに閉鎖された。豊浦町管理の無人駅となっており、駅舎や待合室は存在しないが保線用の小屋と汲み取り式便所がある。列車接近時には踏切警報機が作動し、注意を促す自動放送がアナウンスされる(停車列車、通過列車とも内容は同一)。開業当時の構内のルートは、現在長万部方面に向かって海側のトンネル(幌内)と、東室蘭方面に向かって3つ並ぶ坑口のうち真ん中の閉鎖されているトンネル(礼文華山)を結ぶルートである。既設の幌内トンネルと、礼文華山トンネルの間の僅かな明かり区間に行き違い信号場として設置した。狭隘な明かり区間に交換設備を設置する制限から以下の施工となった。長万部方面は、幌内トンネルの更に長万部寄りの美利加浜トンネル内で山側に分岐し、幌内トンネルに平行する新隧道を掘削した。東室蘭方面は礼文華山トンネルの山側に新たに隧道を掘削し、これを礼文華山トンネル内で合流する構造とした。これにより行き違い信号場として開業した。長万部側から新静狩、新鼠ノ鼻、新辺加牛の各トンネルを既設路線の山側に新規掘削し、新辺加牛トンネルは「山側に分岐した先の」美利加浜トンネルを併合接続とし、静狩〜小幌信号場間の複線化が1964年7月5日に完了した。この時点で美利加浜トンネル内の分岐は用途廃止となった。続けて東室蘭方面も施工され、礼文華山トンネルの海側に平行して新礼文華山トンネルを掘削し、静狩-小幌信号場-礼文間を完全複線化として1967年9月29日に開通、同年10月1日を以て信号場から仮乗降場となった。この時点で駅構内に3本の軌道と、東室蘭方面に3つの坑口ができ、うち真ん中に位置する開業時の軌道及び礼文華山トンネル内の合流が廃止され、列車行き違い設備としての機能は放棄された。一般の利用者は、ほぼ鉄道ファンのみとされる。駅から海岸に降りることが出来る。2014年7月13日に放送されたテレビ朝日の番組「日本全国なぜそこに?誰が使うの!?秘境駅」に拠れば、近隣に民家はなく、保線要員が利用するためだけに残されているとのことである。設置当時は海岸沿いに民家や、町営キャンプ場、海水浴場が設けられていたが、海辺の集落は1970年代半ばまでに消滅した。また、旧国道37号から小幌駅へ行く道があったが、現在は廃道となっている。豊浦町では、駅を観光資源として位置づけており、2015年10月には列車で駅を訪れ周辺を散策するツアーを実施、また、2016年9月には、国道37号から林道を経由し歩いて駅を訪れるツアーを開催している。陸の孤島ともいえる当駅の周辺に、かつて1人の男性が住み着いていた。男性は「仙人」「小幌太郎」などと呼ばれ、20年以上にわたって駅に住んでいたが、2006年秋に体調を崩して衰弱したところを発見され救助された。ヘリコプターを使用した男性救助の様子は、2007年に放送されたテレビ番組『激撮!警察24時』で全国放送された。男性は翌年に死去した。当駅を秘境駅度第1位としている牛山隆信は1999年12月12日の初下車を含め、少なくとも4回は訪れており、1回目と2回目の2度にわたってこの「仙人」と対面している。かつては当駅(小幌信号場)と礼文駅との間に鳥伏信号場が存在した。
出典:wikipedia
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