聟島(むこじま)は、東京都小笠原村にある無人島。小笠原諸島のうち最北に位置する聟島列島の主島である。別名に、ケーター島、平島など。面積2.57km²。父島から船で所要約2時間。南東約5kmの地点に媒島がある。1881年に移住が始まり2人が入植、1905年の調査では初寝村という集落が存在し、人口25人を数えていた。牛や羊の放牧と甘藷栽培が主な産業であったが、後にサトウキビ栽培と製糖業も行われた。しかし、第一次世界大戦後の砂糖価格暴落に伴い、多くの住民が島を離れ、その後は少数の住民が放牧を営んでいた。1944年の小笠原引き上げの際には、すでにほぼ無人島化していたといわれる。残っていた住民が死亡した後は完全に無人島化した。現在でも開拓者であった岩崎亀五郎の墓が残っている。無人島化後は野生化したヤギが増殖していたが、90年代から駆除が始められ、現在では根絶に成功している。現在では本来島内に存在しないクマネズミのほか、ギンネム、タケ・ササ類も駆除が進められており、これらの排除によって在来の植物や昆虫の保全と復活を見込んでいる。現在では観光で一社が利用しており、一年に数百人が上陸している。島で最も標高が高いのは大山(88m)であり、島の東部に存在する。西部には象頭山と聟島小富士、属島の小島である聟島鳥島が存在する。中部の南側には南浜が存在し、上陸地点になっている。アホウドリの繁殖地である鳥島は日本有数の活火山であり繁殖地が破壊される可能性があるため、聟島に新たな繁殖地を人為的に設ける計画が2006年から進められている。ミッドウェー島と聟島が候補地に挙がったが、聟島には島の西部から属島の鳥島にかけて既にクロアシアホウドリやコアホウドリが生息していること、以前にアホウドリの繁殖地が存在したことなどから聟島が選定された。計画は5年間の期間で、鳥島で産まれたアホウドリの雛の一部を聟島に運んで育て、聟島を新たな繁殖地として認識させる。成鳥の模型で島内への誘引をはかり、偽物の卵を置くことで戻ったつがいの産卵を促している。5年間でのべ70羽のひなを移送し、死んだ1羽をのぞく69羽すべてが巣立った。2012年に巣立った14羽のうち6羽には発信器が取り付けられており、今後の行動について追跡調査が行われる。2011年ごろからは人工飼育個体の帰還が始まり、2011年2月に2008年に放鳥したうちの1羽が聟島に戻っているのが目撃され、その後も徐々に帰還し、2011年5月時点で計7羽、2012年12月時点では、2008年から2009年にかけて旅立った25羽のうちの12羽が帰島していた。2012年12月になり、NHKのカメラによってつがいが産卵していることが確認されていたが、孵化はせず未受精卵だったと考えられる。2013年12月13日、昨年に産卵したのと同じつがいが昨年と同じ場所で今年も産卵しているのが確認された。聟島での産卵は2年連続となり、順調にいけば、翌年1月に孵化するものとみられていたが、孵化予定だった2014年1月12日に山階鳥類研究所の研究員が実地調査したところ、無精卵で腐敗していることが判明した。2015年1月下旬からは、既に置かれている成鳥の模型に加え、生後30日のひなを忠実に再現した模型10体(京都市の西尾製作所製)が設置された。2016年1月15日、島内北西部でアホウドリの雛が初確認されたことが発表された。このアホウドリは2012年以来営巣していたオスの個体で、メスは野生個体と見られている。雛は順調に育ち5月14日には巣立ちが確認されたと発表された。なお、聟島列島内の媒島では2014年に聟島に移送した個体と鳥島の個体のつがいによる繁殖が先行して見られている。
出典:wikipedia
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