ザンスカール帝国(ザンスカールていこく)は、テレビアニメ『機動戦士Vガンダム』及び長谷川裕一による漫画作品『機動戦士クロスボーンガンダム ゴースト』に登場する架空の国家。宇宙世紀0140年代にサイド2にて勃興した。マリア・ピァ・アーモニアを女王に置き、実権をフォンセ・カガチが握っている。マリア主義の実践を唱えるガチ党の党員が中心となり、同じくマリア主義を唱える民衆によって成り立っている。宇宙世紀0140年代、サイド1のアルバニアン政庁に在住していたマリア・ピァ・アーモニアは、オカルト的な能力(いわゆるヒーリング能力)を持ち始め、相談所を開いて治療を行い始める。それと同時に治療に来た人々に自らの考えを広め始め、共感を得て民間団体の指導者に収まる事となる。その主張は「母なるものを大切にする」ことを中心として、人類は宇宙の中で特別な存在ではなくあくまで生物の一種であることや、宇宙での生活が主となる時代においても未だ愚かさを捨てきれないでいることを教え諭すものである。同じく宇宙世紀0140年代、サイド2のアメリア政庁を始めとする各コロニーでスペースノイドの自治権を獲得するための動きが活発になっていた。フォンセ・カガチはこれに乗じてマリア・ピァ・アーモニアの理念を取り入れたガチ党を結成、彼女の活動を支援するように仕向けた。また、最終的に彼女を半ば強制的にザンスカール帝国の女王の座に就かせ、自らは宰相の地位におさまった。その理念は民衆の支持を得て勢力は拡大し、議会の第三勢力にまでなった頃に贈収賄事件の首班グループをギロチンに掛け公開処刑した。マリア主義を唱えるガチ党の行動と自らにそぐわない者を即座に処刑するという行動のギャップは民衆に大きな衝撃を与える。これは民衆を暗に脅迫したものであるが、目論見の通りその恐怖により民衆は結束していき、反抗勢力には恫喝となった。そしてガチ党は短期間でサイド2アメリア政庁にザンスカール帝国を勃興させるに至った。それからはザンスカールに反抗する者や反逆者はギロチンで公開処刑する強権支配を敷いた。この公開処刑は、これらの者がザンスカールの礎となるために殉じるという方便で塗り固められ、祭事的な儀式となる。このフランス革命時の恐怖政治を彷彿させるやり方はやがて反ザンスカール組織リガ・ミリティアを生み出すこととなる。なおサイド2にはサイド2・サナリィが存在し、ザンスカール帝国建国の折には研究施設、人員、技術ごと接収された。ザンスカール帝国は地球圏に新たな秩序を打ち立てることを名目に、自国の軍事組織ベスパを動員し、他のスペースコロニーの制圧や地球への侵攻を始める。これに伴うザンスカール戦争では、ザンスカール帝国は当初、弱体化・形骸化していた地球連邦の無関心もあって有利に戦いを進めるが、抵抗組織リガ・ミリティアやそれに同調した地球連邦軍の一部から反撃を受けるようになる。帝国の事実上の支配者である宰相カガチは半ば個人的な感情に基づき、最終兵器エンジェル・ハイロゥをもって人類を粛清することをこの戦争の隠された真の目的としていたが、中将キゾの離反と「エル・ザンスカール帝国」の「建国」などの内部分裂、エンジェル・ハイロゥをめぐるリガ・ミリティアおよび地球連邦軍の連合軍との決戦において主戦力のほとんどが壊滅、女王マリアや宰相カガチをはじめとする帝国の主要メンバー全員が戦死した。その後のザンスカール帝国についてガンダムシリーズで語られる事は少なく、『機動戦士クロスボーンガンダム ゴースト』最終話にて、少なくともU.C168年の時点では既に存在しない事が語られるのみである。ベスパ (BESPA) は、ザンスカール帝国の軍隊の通称で、"Ballistic Equipment & Space Patrol Armory"(弾道研究と宇宙偵察部隊本部)の略。帝国建国と同時に設立された。ガチ党の一党独裁体制が確立していく中で接収したサイド2駐留地球連邦軍の部隊とサナリィの一部が母体となっている。名称は駐留していた連邦軍の研究機関名をそのまま継承したことに由来しており、イタリア語でスズメバチを意味するといわれているが、イタリア語の「スズメバチ」のスペルは「Vespa」である。ベスパの地球侵攻作戦の先発部隊。主な装備はゾロである。名称は部隊で用いられる黄色いパイロットスーツに由来する。ベスパの精鋭パイロットたちによって構成され、その中の第三戦闘中隊は地上用モビルスーツの試験運用も兼任していた。ヨーロッパ地区のラゲーンにある飛行場を拠点とし、当初は弱体化した地球連邦軍を圧倒していたが、モビルスーツの開発に成功し勢力を拡大したリガ・ミリティアの地上部隊に苦戦することとなる。後にピピニーデン隊やガッダール隊が合流し戦力を拡大した。しかし戦争後期にはラゲーン基地が連邦軍との停戦協定のために武装解除され、装備は連邦軍に接収されたが、その前に駐留していた部隊は転籍あるいは解散させられていたようである(大半の装備は接収直前にリガ・ミリティアの一部部隊との交戦で失われていた)。主な構成員はワタリー・ギラ、ライオール・サバト、ガリー・タンなど。ベスパはザンスカール帝国勃興時に周辺サイド各地の企業や工廠を接収し、その技術を取り込んでいった。中でもサイド2とサイド4占領によりサナリィの技術や工廠を手に入れたことは大きな影響を与えている。また、ザンスカール戦争中におけるベスパのモビルスーツ生産は、主にサイド3にて行われていたといわれており、かつてアナハイム・エレクトロニクス社に吸収された旧ジオニック社や、その他旧ツィマッド社や旧MIP社などが開発に係わっていたという説もある。また月面の旧アナハイム関連設備も一部掌握しており、ゾロアットなどの量産型MSはこちらでも生産された。ベスパのモビルスーツにはゲンガオゾやザンネックなど、サイコミュの搭載が疑われる機体が多く存在することもこれを裏付けているとされている。そもそもこの時代のモビルスーツは外見上から開発企業を割り出すのは困難であり、どの企業がどの勢力を支援していたかを一概に判別するのは不可能である。しかし、 サナリィのサイド2支社がベスパの母体ともなっていることから同社の技術がザンスカール系モビルスーツの基礎になっていることが窺える。飛行システムであり攻撃・防御にも使用できるビームローター、ドッゴーラなどのモビルアーマー、オールレンジ攻撃が可能な武装、強力なバイク戦艦など、帝国の兵器開発能力はかなり高かった。機動戦士Vガンダムの登場人物#ザンスカール帝国(イエロージャケット・ベスパ含む)を参照。
出典:wikipedia
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