「ミノタウロスの皿」(ミノタウロスのさら)は、藤子・F・不二雄(発表時は藤子不二雄名義)の初の大人向け(異色短編)読切漫画。1969年に小学館『ビッグコミック』に掲載された。1990年7月にオリジナルビデオアニメ化された(藤子・F・不二雄の Sukoshi Fushigi 短編シアター)。文化や倫理観など、人による価値観の違いを描いた内容となっている。宇宙船の事故で地球によく似た惑星に緊急着陸した主人公は、その星でミノアという美しい少女に救出される。その星は、地球でいうところの「牛」にそっくりな種族が支配する世界で、彼らは地球でいうところの「人間」にそっくりな種族を家畜として育てていた。ミノアはその家畜の中でも特に育ちの良い女性で、最高級の食材「ミノタウロスの皿」に選ばれ、民衆の祭典で食べられる運命にあるという。その事実を知った主人公は、喜んで食べられようとするミノアを助け出そうと奔走するが、結局は救出できずに終わる。主人公は迎えの宇宙船に乗り込むと、泣きながらステーキを食べるのだった。当時、連載作品が次々に終了して落ち込んでいた藤子・F・不二雄のもとに、『ビッグコミック』から執筆依頼が来た。「子供向け漫画ばかり描いてきたから」と断ったが、当時の同誌編集長・小西湧之助の熱意ある説得に応じて引き受けた。こうした経緯から描かれた本作について、藤子は小西編集長が話してくれた民話『猿後家』から着想を得たと書いている。しかし『猿後家』は落語の一噺であり本作とはかけはなれた内容であるため『猿婿入り』という民話との記憶違いと思われる。大人向けコミック誌である『ビッグコミック』に執筆することに対し「自分の絵は子供向きでダメ」と難色を示す藤子に、小西は「かわいい絵だからかえって怖い」と執筆を薦めており、実際に仕上がった本作の原稿の感想を「背筋に寒気が走るほど興奮した」「怖かった」と語っている。この作品の好評をきっかけに、藤子は『ビッグコミック』と『S-Fマガジン』を中心に大人向け漫画を長きに渡り、多数発表するようになった。地球人と酷似した姿をしたイノックス星の家畜。知性も地球人と同等であり、衣類やアクセサリーをまとっており感情も豊かで、ズン類とも普通に会話が成り立っている。愛玩用種、使役用種、食用種とあるらしい。自分達を生まれながらの家畜と認識しており、その境遇に関して疑問や抵抗感を全く抱いていないどころか、食用種にいたってはズン類に「おいしく食べられる」ことを一番の誉れと考えており、自身が「おいしくなる」ために幼い頃から同族間で競い合っている。そのため「発育が悪い」と判定されたり、体に傷や痣がついて等級が下がりハムやソーセージや肥料にしかならないことは何よりも忌まわしい屈辱と捉えており、死への恐れはそれに比べたら何でもないようである。中でも大祭のときに食べられる「ミノタウロスの皿」と判定されることを最高の栄誉と考えている。ミノアもこの中に含まれる。どうやら草食性らしい。外観は地球の牛によく似ているが、二足歩行をする。早い話がタイトルにある「ミノタウロス」のような様相である。多少訛りがあるもの(東北弁などの地方訛り?)の言葉を喋り、性格はおおむね大らかで理性的。中世ヨーロッパを思わせる文化と、洗練された高度な文明を持つ。ウスを家畜としてペットにしたり労働をさせたりして使役したり、食用にするが、主人公がウスではなく別の世界の知的生物だと知ると自分たちと同等の待遇でもてなした。宇宙船を作るほどの科学技術はないが、ウスを美味しく食べるために麻酔薬とソースを兼ねた人工血液や「活け造り」用の人工心肺を作るなど、部分的に高いテクノロジーを持つ。「藤子・F・不二雄のSF短編シアター」第3巻収録。OVA版は原作とは大きな相違点はないが、小さな点で以下のように異なっている。など主人公が総督に対して語った4時間半の熱弁だが、原作にはこの内容がかかれていない。一方、アニメでは熱弁が早回しの声で語られているが、この音声の中身はミノアの声を4倍速したものであり、実際の熱弁内容を確認することはできない。
出典:wikipedia
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