119番(ひゃくじゅうきゅうばん)は、日本において消防機関に提供される緊急通報用電話番号。消防機関への緊急通報用電話番号であり、火災の場合や救急が必要な場合、不発弾を発見した場合に使う。本項では、沖縄県の離島・へき地において同様の目的で使用されてきたワンクッションコールについても述べる。再呼機能があり、119番発信者が受話器を置いても、消防から呼び出せるようになっている。119番に電話すると、消防本部の通信指令室の受付台に接続される。東京消防庁管内は大手町の災害救急情報センターもしくは立川の多摩災害救急情報センターに接続される。2010年代からは東京消防庁に倣った、110番同様の「集中受付制」が各地で始まり、該当地域では地元消防本部ではなく「消防共同指令センター」が通報を受け付け出動指令を発するようになった。1917年(大正6年)4月1日電話による火災報知が制度化された。当時は電話は交換手に通話先を伝えてつなぐ方式だったため、交換手に「火事」と言えば、そのまま交換手が消防につないだ。1926年(大正15年)に電話にダイヤル式が導入されたため、自働局所属加入者は112番が緊急通報用に定められた。当時一般的だったダイヤル式の電話で、一番早くダイヤルできるのが「1」であり、その次が「2」「3」」となり、一番時間がかかるのが「0」であったためである。しかし、電話が普及して間もない頃でかけ間違いが多発したため、翌年1927年(昭和2年)に、当時地域番号としては使用されていなかった「9」を使用することで間違い電話を減らす目的で、119番に改められた。なお、早くダイヤルするために「1」を二回続けたあと、緊急時にも心を落ち着かせ、最後の1つを回せるように時間のかかる番号「9」を使い、「119」が割り当てられたという俗説があるが、上記の通り、そもそも掛け間違いを防ぐ以外の目的がないため、本来この説は誤りである。地震等の災害時はダイヤルしても消防に繋がらないことが多い。原因は概ね、電話回線の混雑を回避するための発信規制だが、稀に電話線の断線によるものや、交換機設備の故障の場合がある。発信規制をかけられると、一般電話からの119番への発信ができなくなる(フックアップした時点で話中になるので、どこにダイヤルしたいかは関係ない)。これは、携帯電話、PHSにおいても同様である。NTTは発信先によって規制をかけられる方法を考案すべきとの意見もある。又、常時、非常時に係わらず、一定のエリアから複数の発信があると、話中となる場合がある。これは、着信側の回線数が決まっているためである(○○市は○回線、○○地区は○回線等、携帯電話、PHS、IP電話についても回線数が地域毎に決められている)。回線数を増やすことは可能だが、それに対応できるかは別問題(災害対応を見越して、平時から何十人もオペレーターは配置できない 受付台だけは緊急時に備えて多数設置されており、災害対策本部が設置されるような事態が起きた場合にのみフル回転で通報を受ける)。ドン・キホーテ放火事件で、火災を通報した女性店員が逃げ遅れて死亡した。消防が“通報者は屋外の目撃者であるとは限らない”という点を想定していなかったためという指摘もあるが、通報の影響など逃げ遅れた際の状況については正確には判明していない。ドン・キホーテ (企業)#消防法不備と放火事件も参照。いたずら電話の内容に虚偽の通報があった場合は消防法44条15号の規定により30万円以下の罰金又は拘留の処罰対象となり、通話履歴などから実際に検挙されている。また、偽計業務妨害罪で懲役2年の実刑判決を下した事例(2006年12月・仙台地裁)もある。近年は携帯電話の普及により、携帯電話からの通報が増加している。当初は携帯電話事業者の交換機からアナログ専用線で接続する形態であったため、各地域の代表の消防本部(主として都道府県庁所在地や規模の大きな消防本部)に繋がり、受理した本部から通報地管轄の消防本部への転送や通報内容の伝達が行われていた。2016年現在は、通報者の電波を受信した基地局の所在地の消防本部へ繋がるようになったが、携帯電話の特性上携帯電話の位置と基地局の位置が数キロメートル異なる場合があり、必ずしも管轄の消防本部へ接続されるとは限らない。携帯電話からの通報者は現在居る位置がわからない場合が多いので、総務省では携帯電話からの緊急通報における発信者位置情報通知機能(緊急通報位置通知)を2007年までに整備するよう検討。これにより、2007年(平成19年)4月1日以降に販売される第三世代携帯電話には、位置情報の通知が義務づけられたものの、GPSの搭載は原則義務化となったため、基地局測位での対応とした機種も多く、GPS受信機非搭載のものが、その後も新規に発売されていた(例えばNTTドコモの70xiシリーズや、この流れを汲むSTYLE seriesの大部分とSMART seriesの全機種。機能の絞り込みや薄型化を理由に搭載が見送られた。またソフトバンクは多くが非搭載だった)。auでは、CDMA方式だったので、GPS受信機の搭載が容易であり、2006年度末時点で、殆どの機種がGPSに対応していた。Y!mobileの旧イー・モバイル音声網は、一部接続されていない消防本部がある。近年、緊急性が認められない119番通報が増加しており、救急隊が到着、傷病者を病院へ搬送するまでの時間が長くなる傾向、また出動させられる事により、真に救急対応が必要な傷病者のための救急出動が困難になっている。救急車は緊急に病院に搬送しなければならない傷病者のためのものであり、緊急性の低い件に用いてしまうと、真に救急医療を必要とする人への対処が遅れる原因となる。病気や怪我の場合でも、緊急の救助が必要な場合以外は、タクシー等の手段で病院へ行くよう消防機関は呼びかけている。東京消防庁は2007年(平成19年)6月1日より「救急搬送トリアージ」を試行している。この制度は緊急性が認められない救急の要請に対して、自身での医療機関受診を求めるものである。しかし現場で緊急性が無いと判断しても通報者の希望を拒否できない事になっており、搬送するケースが多いのが現在のところは実情である。2010年10月31日には、山形市で山形大学の学生が、体調不良で119番通報したが、市消防本部は緊急性が認められないと判断して救急車を派遣せず、タクシーで病院に行くよう指示するにとどめた。学生は通話後死亡し、遺族が1000万円の損害賠償を求める訴訟を提起している。一部の地域(札幌市・東京都・大阪市・奈良県など)では、応急手当の方法、近隣の救急病院の案内、救急車を呼んだ方がいいのかどうかなど、救急に関する緊急性の低い事柄に対応する部署を設置している。「救急相談センター」「救急安心センター」など部署名はそれぞれ異なる。設置している地域においては「#7119」に電話することでその地域の部署につながる。火災(消防車)と救急(救急車)の出動要請を兼ねるため、最初にどちらの事案であるか明確にする必要がある。通報を受けた指令台オペレータは必ず「火事ですか、救急ですか」と訊ねるので、これに応えればよい。ただし通報者は往々にして動揺し、場合によってはパニック状態になってしまうため、オペレーターは強い口調で繰り返し訪ねる事がある。これは、通報者を落ち着かせて身の安全を確保させると共に、最も重要な住所などの情報を得るためである。通報者のほとんどは動転しており、意味のない言葉(「燃えてるー燃えてるー」「車が、人が」など)を繰り返したり、不完全な住所(何丁目何番地、だけ繰り返すなど)しか言えなくなっていたりする。もし、『自分はちゃんと言ってる』のに何度も聞き返されるとしたら、それは必要な情報が抜け落ちている事を意味する。通話中になんらかの事情で通話が切れた場合には指令台側からかけなおしてくる。まとめると次のようになる。緊急通報用電話番号は世界共通ではない。例えば、アメリカでは「911番」(警察と共通で、指令センターの受信係は内容を聴いて法執行機関に伝えるか消防に伝えるかを判断する)、イギリスでは「999番」、EU加盟国の多くでは「112番」である。いくつかの国では、日本と同様に119番が救急・消防(一部の国では警察)に割り当てられている。大韓民国では「119番」は救急および消防に割り当てられた緊急通報用電話番号で、韓国消防防災庁により運用されている。通報者の位置は回線が接続されると指令台側で自動的に特定され、韓国語・英語・中国語・日本語の4か国語に対応できるオペレーターが応対する。1339番が緊急を要しない医療の情報提供ダイヤルとなっている。ポケットベルを用いた「U119」救急医療サービスも、一部の高齢者やがん患者向けに提供されている。スリランカでは「119番」は、警察用の緊急通報用電話番号である。119番はいったんコロンボの担当部署 にかかり、そこから各地の警察署へ割り振られる。元は、スリランカ内戦 (1983 – 2009) 時に、テロ通報用番号として導入された。ワンクッションコールとは、沖縄県において、119番が運用されていなかった離島・へき地に所在する診療所在勤の医師等医療従事者の心身の負担解消と安全に医療従事できる環境づくりのため、夜間(時間外)・休日の救急に関する連絡を役場・消防本部・消防団・委託を受けた警備会社が受け付け、その判断を経て対応を行う仕組みである。その電話番号は119番のような特番でなく、市外局番から始まる通常の電話番号や、090から始まる携帯電話番号が用いられていた。ワンクッションコールは、2011年(平成23年)3月時点で、国頭村(楚洲、安田、安波、奥、北国、佐手)、伊平屋村、伊是名村、伊江村、うるま市(津堅島)、渡嘉敷村、座間味村、渡名喜村、粟国村、北大東村、南大東村、多良間村、竹富町及び与那国町で運用され、2013年(平成25年)6月からは南城市(久高島)にも導入されたが、沖縄県消防指令センター(センター119)の運用開始に伴い、2015年(平成27年)10月から12月に掛けて市町村ごと順次「119番」へ移行され、従来のワンクッションコールの電話番号は廃止される。
出典:wikipedia
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