キヌバネドリ科（）は鳥類の分類の1グループである。1科のみでキヌバネドリ目（）を構成する。アフリカ、アジア、中南米の熱帯の森林に生息する。柔らかく密生した羽毛をもち、オスは緑、紫、赤など金属光沢をした鮮やかな色をしている。一方、メスは灰色がかった地味な色をしている。樹上で生活し、地上に降りることはほとんどない。キヌバネドリ目の4本の趾（あしゆび）の内、1番目と2番目が前向き、残りは後ろ向きという特殊な形状をしている。これは変対趾足（へんたいしそく）よばれ、キヌバネドリ目特有の構造である。変対趾足のため、キヌバネドリ科は1科でキヌバネドリ目をつくるとする説が主流である。しかし が形態系統学的手法から、キヌバネドリ科は側系統ブッポウソウ目に内包されるのでブッポウソウ目に含めるべきだとしたのを初め、キヌバネドリ科がブッポウソウ目に内包されるとするさまざまな研究が表れた。分子系統学的手法でも、このことは確認された。しかし、のちのより包括的・詳細な系統解析により、キツツキ目もがブッポウソウ目に内包されることが明らかになったため、ブッポウソウ目を拡大するのではなく、いくつかの単系統に分割する分類が主流となった。キヌバネドリ目と近縁な目との系統関係は次のようになっている。☆は旧ブッポウソウ目である。キヌバネドリ科には7属42種が属する。アフリカキヌバネドリ属、アジアキヌバネドリ属、 は旧大陸に、他の4属は新大陸に分布する。それらの系統関係は次のように推定されている (Moyle 2005)。旧世界の3属は単系統を作るが、3属間の関係ははっきりしない。Sibley & Ahlquist は1988年-1993年に初期の分子系統学的手法であるDNA-DNA分子交雑法で6属（ は に含める）を次のように分類したが、このキヌバネドリ亜科とキヌバネドリ族は側系統と考えられる。国際鳥類学会 (IOC) による。ケツァール (スペイン語・英語 、ナワトル語 ) はもともとカザリキヌバネドリ のことだが、スペイン語や英語では広義にはケツァール属 の総称である。さらにアメリカ鳥学会 (AOU) は 属をケツァールに含めている。

出典:wikipedia