『小沢昭一の小沢昭一的こころ』(おざわしょういちのおざわしょういちてきこころ)は、TBSラジオおよびTBSプロネックス(2012年9月まではテレコム・サウンズ)の制作、TBSラジオをキーステーションに、JRN加盟各局で平日の異なる時間に日本国内で放送されていたラジオトーク番組(モノローグ番組)であり、小沢昭一の冠番組であった。放送期間は1973年(昭和48年)1月8日から2012年(平成24年)12月28日(キー局のTBSラジオは12月14日)まで。番組開始から1998年(平成10年)4月3日まで、トヨタ自動車とトヨタディーラー(トヨタの販売店)が単独提供スポンサーを務めており、原則全国同時ネットで放送された。毎週月曜日に、翌週分の収録が行われていた。「小沢昭一的こころ」「小沢昭一的心」と表記する場合もあった。1962年(昭和37年)3月から1969年(昭和44年)4月までTBSラジオで放送された『森繁の重役読本』の後継番組として企画された。小沢が“口演”と称し、週代わりのテーマ(「○○について考える」)に沿って、軽妙な話術で物語る。扱うテーマは時事問題から下ネタまで幅広く、永年の固定ファンが多かった。落語家の五代目柳家小さんが「本当の現代の落語」とつぶやいたというエピソードを弟子の柳家小三治が残している。「宮坂さん」なる架空の人物が、概ねストーリーの主人公を務める。番組初期には「昭和ヒトケタ」の働き盛り、かつ悲哀漂うサラリーマンの設定(実際には小沢の分身的な役回り)が多かった宮坂さんも、小沢が年輪を重ねるに従い「宮坂お父さん」「宮坂薬局店長の宮坂さん」等、第一線から退いたことを伺わせる表現が用いられるようになった。本番組プロデューサーの坂本正勝を揶揄した「ノーテンキプロデューサー」、宮坂さん行きつけのバーの「れいこママ」と「詩人のヒモ(タロウ)」、子供「とおる」「ななえ」等、固有名詞を持つ脇役も登場するが、宮坂夫人は「奥方」或いは「お前」で特に名は無かったが、2010年(平成22年)5月19日放送分で夫の宮坂さんに「アリコ」とよばれ、ナレーションで「有子(ユウコ)」という名前であることが明かされた。ナレーションも含め、これら全員を小沢が独演する。猛妻の尻に敷かれ子供らに疎んじられる「中年男の悲哀」を基本に、「愚痴を交え、斜に構えた蘊蓄を世事に傾ける」「落ちと言った落ちが無い(その都度テーマを変え、次回に期待を抱かせつつ延々と続く)」路線は、前身の『森繁の重役読本』からそっくり承継されたもの。過去の放送内容の一部は『小沢昭一的こころ』として書籍化され、最晩年となった2012年にも『ラジオのこころ』のタイトルで文春新書の一冊として出版された。1983年1月30日の19:00 - 20:55には、本番組をもとにした特別番組『小沢昭一SP「元祖・蒲田行進曲」』(おざわしょういちSPがんそ・かまたこうしんきょく)が放送された。蒲田で生まれ育った少年・青年期の小沢自身について語ったものであり、同年の民放連賞(日本民間放送連盟賞ラジオ娯楽番組部門最優秀賞)・ギャラクシー賞(制定20周年記念・特別賞)を受賞した。この1983年(昭和58年)にアポロン音楽工業より、『特撰小沢昭一的こころ』(カセットテープ全5巻)が発刊された。番組開始15周年となる1988年(昭和63年)から1991年(平成3年)にかけて『小沢昭一の小沢昭一的こころ』(カセットテープ全12巻。発売:CBSソニー)が発刊された。20周年となる1993年(平成5年)には全編小沢の歌唱による、番組20周年企画をほぼそのまま収録した2枚組CD『唱う小沢昭一的こころ』(1993年6月2日、ビクター音楽産業から発売。番組20周年企画の3週・15回分を収録)が、35周年となる2008年(平成20年)には『小沢昭一の小沢昭一的こころ大全集』(CD10枚組。発売:ジェネオンエンタテインメント)が、それぞれ記念発売された。2011年3月30日には、『小沢昭一の小沢昭一的こころ ゴールドボックス』と題したアルバムCD10枚組ボックスが発売された(発売:TBSラジオ、販売:日本コロムビア)。『ゴールドボックス』の1枚目・2枚目には、先述特番がそれぞれ『小沢昭一の小沢昭一的こころ10周年記念スペシャル 元祖 蒲田行進曲 その壱』『小沢昭一の小沢昭一的こころ10周年記念スペシャル 元祖 蒲田行進曲 その弐』というタイトルで収録された。開始25周年となる1998年(平成10年)には、スポニチ文化芸術大賞優秀賞を受賞。2000年(平成12年)6月、小沢と制作スタッフが放送文化基金賞個人・グループ部門を受賞。2011年(平成23年)3月14日から、11日午後に発生した東日本大震災に配慮し番組を一時休止した。ただし一部のネット局では裏送りで放送した。2011年5月13日に放送1万回目を迎えた。1万回目の週のテーマは「一万回記念、万について考える」(※放送時のタイトルコール表記。公式ページのオンデマンド放送分の表記によると「ひとり万葉集、一万回について・・・考える」となっている)1万回目の放送は「宮坂薬局店長の宮坂さん」が結婚30周年について奥さんと話し、その後小沢が歌う『東京音頭』に繋げる内容となっていた。2012年(平成24年)9月24日から、小沢が長年患っていた前立腺がんによる体調不良で入院したことにより、40周年特別企画として過去の傑作選を放送。同日の番組冒頭ではナレーションの藤田恒美が小沢の体調が優れない旨と傑作選放送のコメントを述べた。11月16日は自宅で収録された小沢のメッセージを放送した(収録日:同5日)。メッセージは以下の通り(一部は、小沢死去の際マスコミでも伝えられた)。同年12月10日に小沢は死去。同日、本来であれば本番組傑作選の放送が予定されていた『大沢悠里のゆうゆうワイド』(8:30 - 13:00)内の該当時間帯(12時台)では、内容を変更。『ゆうゆうワイド』のパーソナリティである大沢悠里が小沢の訃報を伝えるとともに永六輔と毒蝮三太夫が生放送で電話出演し、追悼として2011年7月4日に小沢がゲスト出演した「お昼のスーパートーク」の放送回の一部が放送された。なお、キー局のTBSラジオでは以後の番組の取り扱いを「現在のところ決定していない」としたほか、追悼特別番組を検討中であることを発表した。翌11日には、同日から同14日までは追悼コーナーを放送すること、14日の第10415回(10日放送分は休止となったため、実際には10414回)をもって最終回とすることが報じられた。追悼コーナー初日は、前年6月放送分の編集版として「ハーモニカについて考える」が放送された。そして、14日まで傑作選が放送され、10414回でTBSラジオの放送は終了した。最後の新作となった2012年9月21日放送分までの回数は10355回だった。TBSラジオでは12月10日(テーマ「大百貨店について考える 第1話」=2010年放送)の放送を休止したが、一部のネット局では予定通り放送したほか、公式ウェブサイトでの配信も行われた。TBSラジオでは12月14日放送分を持って最終回としたが、ネット局は各局で終了日が異なるものの概ね引き続き傑作選を放送し、12月28日までに全ネット局での放送を終了。40年の歴史に幕を下ろした(後述も参照)。また、番組公式ウェブサイトでのオンデマンド配信も、一部ネット局にあわせ傑作選を配信した。12月29日の20:00 - 21:00には、『小沢昭一さん追悼特別番組「明日のこころだ 小沢昭一について考える」』(おざわしょういちさんついとうとくべつばんぐみあしたのこころだ おざわしょういちについてかんがえる)を放送。司会は、堀井美香(TBSアナウンサー)。『小沢昭一的こころ』など小沢出演番組の音源と、黒柳徹子、大沢悠里、柳家小三治、藤田恒美ほか小沢と親交のあった人物からの追悼メッセージで構成。一部JRN系列局でもネットされた(後述も参照)。放送批評懇談会が主催する第50回ギャラクシー賞において、ラジオ部門特別賞を受賞した。2015年(平成27年)12月2日、小沢の没後3年を機とした企画CD-Box「小沢昭一的こころ 昭和の傑作選CDボックス」(10枚組)が日本コロンビアより発売された。プロデュースは大沢悠里と謳われている。制作局のTBSラジオでは、開始当初は17:45 - 18:00に放送。当初より、17:00からのワイド番組『東京ダイヤル』(1973年4月13日まで)→『おつかれさま5時です』(1973年4月16日 - 1983年4月8日)に内包されていた。その後、直後のニュース番組(『ニュースハイライト』→『ネットワークTODAY』)の枠拡大に従い、1983年4月11日から17:30(『若山弦蔵の東京ダイヤル954』に内包)へ開始時間を前倒しして行き、1993年4月より17:15開始となった。1995年4月10日から1998年4月3日までは『荒川強啓 デイ・キャッチ!』の内包番組として放送された。なお、この時期までは最初のエンディングテーマが流れCMが挿入された後、ローカルコーナーが挿入されていた(その後に締めの一言・2回目のエンディングが入る)。この形式は『うわさの調査隊』→『メキキの聞き耳』→『ニュース クリップ』へと受け継がれている。1998年4月6日よりスポンサーの都合で夕方の全国ネット枠から移動・10分枠への変更となり、各局で異なる放送時間となった。TBSラジオでは当初『松崎菊也のいかがなものか!?』に内包され(15:30頃)、1999年4月5日より『大沢悠里のゆうゆうワイド』内の12:00台(下記参照)に変更された。ABCでは、17:30(後に17:15)開始の『ニューススタジアムABC』に内包されていた期間のみ、テープネットによる時差放送を行い、アナウンサーの進行次第で17:35(同17:20)頃の開始になる場合が多かった。そのため、全国ネットの後続番組『ニュースハイライト』→『ネットワークTODAY』と放送時間が一時期バッティングしていたが、『ニューススタジアムABC』から独立した時点で解消した。特記ない限り、ネット局と放送時間(終了当時)を明記。小沢の逝去をうけた10日以降の各局における取り扱いはそれぞれ異っている。なお、TBSラジオが放送を終了した翌週にあたる12月17日以降も放送を続ける局では、28日まで「追悼放送」として引き続き傑作選を放送していた。
出典:wikipedia
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