函館本線(はこだてほんせん)は、北海道函館市の函館駅から長万部駅、小樽駅、札幌駅を経由して旭川市の旭川駅を結ぶ北海道旅客鉄道(JR北海道)の鉄道路線(幹線)である。北海道最古の鉄道開業区間を含んでおり、以来本州との連絡をおもな目的として北海道における鉄道輸送の基幹を担ってきた。現在は、函館駅から旭川駅までの全区間を運行する列車はなく、函館駅 - 長万部駅間、長万部駅 - 小樽駅間、小樽駅 - 札幌駅 - 旭川駅間の各区間でそれぞれ路線の性格が異なっている。長万部駅 - 小樽駅間以外では現在も道内の主要幹線としての使命を担っている。支線(別線)を含めた総営業キロは458.4kmで、これは北海道で最長である。函館駅 - 長万部駅間は函館市と札幌市を結ぶ特急列車や本州からの貨物列車(JR貨物による運行)のメインルートとなっている。現在、これらの優等・貨物列車は長万部駅から先の区間は室蘭本線・千歳線経由となる。一方、長万部駅 - 小樽駅間はローカル線と化している。長万部駅から室蘭本線・千歳線を経て札幌方面に接続するルートを「海線」と通称するのに対して、函館本線のこの区間は「山線」と呼ばれ、通称としては「山線」の方が古くから存在する。かつては長万部駅 - 小樽駅 - 札幌駅間の山線にも多くの優等列車が往来し、昭和40年代まではC62形蒸気機関車の重連による牽引の急行列車など蒸気機関車が集結したことでもにぎわった。ただ小樽駅までが単線な上、急勾配・急曲線が連続する速度向上に不利な線形を抱えていた。対して、海線経由は30km以上遠回りであるが、もともと線形も良く所要時間も短縮できるうえに比較的沿線人口にも恵まれていた。特急列車の登場以来、徐々に函館駅 - 札幌駅間のメインルートとしての役割は海線へ移り、かくして1986年(昭和61年)11月1日に定期の優等列車が山線から全廃された。小樽駅 - 旭川駅間は電化されており(このうち、小樽駅 - 滝川駅間は国鉄による道内で最初の電化区間である)、札幌市と旭川市の両都市を結ぶ特急列車は道内最大の運転本数を有し、旭川を超えて網走市や稚内市まで接続するJR北海道の最重要区間である。また札幌都市圏にあたる小樽駅 - 岩見沢駅間は近距離利用客が多いため、快速を含む普通列車が多く運転され、IC乗車カード「Kitaca」の利用エリアとなっている。北海道旅客鉄道の支社管轄は、函館駅 - 熱郛駅間が函館支社(砂原支線含む)、目名駅 - 滝川駅間が本社鉄道事業本部、江部乙駅 - 旭川駅間が旭川支社である。区間ごとの輸送密度は以下の通り。区間ごとの収支(営業収益、営業費用、営業損益)と営業係数は以下の通り。いずれも管理費を含めた金額である。▲はマイナスを意味する。なお、小樽駅 - 札幌駅 - 岩見沢駅間は、室蘭本線(苫小牧駅 - 沼ノ端駅間)、千歳線、札沼線(桑園駅 - 北海道医療大学駅間)を合わせたデータのみが公表されており、単独のデータは不明。起点の函館駅から出発すると五稜郭駅を過ぎるまで、函館市内の住宅地が連なる。七飯駅 - 大沼駅間は本線と支線の二手に別れ、大沼駅付近では駒ヶ岳が見える。大沼駅 - 森駅間は駒ヶ岳を挟んで山間部を通る本線と海沿いを通る支線に線路が分かれ、まったく異なる車窓風景が見られる。森駅 - 長万部駅間は噴火湾(内浦湾)沿いに海岸線を進む。長万部駅からは山へと分け入り、急勾配の峠に挑む。ニセコアンヌプリや羊蹄山の麓を過ぎると余市からは沿線に果樹園が続き、蘭島駅付近から再び海岸が近づいて小樽駅へ至る。小樽市内の小樽築港駅 - 銭函駅間では、間近に日本海を望むことができる。石狩湾を離れると、いよいよ札幌市へ入る。札幌駅を中心とした北海道最大の都市圏を抱え、沿線は住宅地のほか商業地域やマンションが目立つようになる。江別駅を過ぎると徐々に田園風景へと移り、岩見沢駅から滝川駅にかけて平らかな石狩平野の穀倉地帯を北上する。並走する国道12号に日本一の直線区間があるように、函館本線もこの区間は長い直線が続き、特急「スーパーカムイ」をはじめとする優等列車や電車による普通列車もその性能を遺憾なく発揮する。沿線は時折市街地を挟みながら田園風景が続き、車窓の変化は少ない。並行する石狩川を妹背牛駅の手前で初めて渡り、納内駅 - 近文駅間は景勝地である神居古潭を長いトンネルで抜ける。1969年に切り替えられた新線は複数の山を合計5本のトンネルで貫き、複線・電化の際に曲線緩和と距離短縮を目的として建設されたが、引き換えに車窓風景を失った。石狩川の屈曲に合わせて河岸を通っていた旧線は「旭川サイクリングロード」として整備されており、途中の神居古潭駅跡には旭川市の有形文化財に指定され再整備された駅舎やホームが残されているほか、3両の蒸気機関車も静態保存されている。近文駅を過ぎて再び石狩川を渡ると、終点の旭川駅に到達する。かつては構内南側にヤードや機関庫などが広がっていたが「北彩都あさひかわ」計画に伴いすべて撤去され、跡地に高架化された駅舎を新築し、2010年(平成22年)10月10日に一次開業した。函館駅 - 長万部駅間は、室蘭本線・千歳線を経由して函館市 - 札幌市間を結ぶ幹線の一部で、特急「スーパー北斗」・「北斗」がほぼ1 - 2時間間隔で運転されている。なお優等列車の大沼駅 - 森駅間については、定期特急列車はすべて距離の短い駒ヶ岳回りの本線(大沼駅 - 大沼公園駅 - 駒ヶ岳駅 - 森駅間)経由で運転される。かつての特急・急行列車は本線の急勾配を避けるため、上りが砂原支線(大沼駅 - 渡島砂原駅 - 森駅間)・下りが本線(こちらが勾配を下る形となる)と分けて運転されていた。しかし、時代とともにエンジンをはじめとする車両性能が向上したことや、観光地である大沼公園があることから、特急列車のルートは次第に上下問わず本線経由に移行していった。ただし、上り(函館方面)の臨時特急列車の中には砂原支線を経由するものもある。なお貨物列車は現在でも上りが支線・下りが本線と上下別の運転を行っている。七飯 - 大沼間は新函館北斗駅に停車するため本線経由で運転されている(2016年3月25日まで下りは藤城支線を経由していた)。このほか函館駅 - 新函館北斗駅間には、北海道新幹線のアクセス列車として、快速「はこだてライナー」が運転されている。札幌駅 - 旭川駅間は年間約450万人の都市間輸送量がある。この2都市間やその中間都市を結ぶ特急「スーパーカムイ」が30分から1時間間隔で運転されるほか、旭川駅から石北本線を経て北見・網走方面へ向かう特急「オホーツク」、および宗谷本線を経て名寄・稚内方面へ向かう特急「スーパー宗谷」「サロベツ」も運行されている。このほか札幌駅 - 白石駅間には千歳線から優等列車が乗り入れる。室蘭本線を経由し上記函館方面から来る列車のほか、途中の室蘭駅からも特急すずらんが、また石勝線経由で根室本線帯広・釧路方面を結ぶ「スーパーとかち」・「スーパーおおぞら」が走る。これら千歳線からの列車は併設された千歳線列車用の複線を走行する。函館駅 - 長万部駅間は札幌駅 - 旭川駅に次ぐ「特急街道」であるが、新函館北斗 - 長万部間は非電化で、一部区間では単線のままである。なお、函館地区に配置される電車・電気機関車の検査の際、電化・非電化区間を通し、苗穂工場までディーゼル機関車の牽引によって回送される。長万部駅 - 札幌駅間については、1986年11月1日のダイヤ改正で特急「北海」・急行「ニセコ」が廃止された後は定期運転する優等列車が設定されていない(ニセコ駅 - 札幌駅間などに臨時特急が運行される場合はある)。またこの区間は室蘭本線が不通になった場合の迂回ルートとしての役割を担う側面もあり、最近では2000年の有珠山噴火の際に多くの特急列車・貨物列車が迂回運転され、その役割の重要性が再認識された。なお通常は札幌を中心とする道内各地と本州を結ぶ貨物列車は長万部からすべて室蘭本線・千歳線経由で運行されており(「貨物輸送」の節を参照)、倶知安駅・小樽駅経由で長万部駅 - 札幌貨物ターミナル駅間に定期貨物列車は設定されていない。函館駅を中心に普通列車が運転されている。運行区間は函館駅 - 長万部駅間の直通列車のほか、区間列車が函館駅 - 七飯駅間、函館駅 - 新函館北斗駅間(はこだてライナー)・函館駅 - 大沼公園駅間・函館駅 - 森駅間・森駅 - 長万部駅間などに設定され、函館駅に近いほど列車の本数が多くなっている。森駅 - 長万部駅間は普通列車に限れば1日わずか6往復のみである。大沼発渡島砂原経由森行きが下りのみの設定、下り大沼発大沼公園経由森行きが毎日1本、上り森発大沼公園経由大沼行きが毎日2本の運転で、大沼発函館行きが日曜・祝日および年末年始(おおむね12月30日 - 1月3日)運休で1本のみの設定となっている。また、2016年3月25日まで快速列車として長万部発函館行きで「アイリス」が上りのみ設定されていた(これは旧瀬棚線直通の急行「せたな」の後身でもある)。全普通列車がワンマン運転となっている。函館駅 - 五稜郭駅間では道南いさりび鉄道の普通列車が乗り入れるため、運行本数が多くなっている。東山駅・姫川駅と砂原支線の流山温泉駅は一部の普通列車が通過する。七飯駅 - 大沼駅間は本線(新函館北斗駅〈2016年3月26日に渡島大野駅から改称〉・仁山駅経由)と新線(下り専用:藤城支線)に分かれるが普通列車は基本的に本線を走る。ただ一部の下り普通列車で藤城支線を通るものもあり、藤城支線を通る列車は新函館北斗駅と仁山駅は経由しない。2016年3月26日の北海道新幹線開業によるダイヤ改正で特急列車は全て本線経由となるが、藤城支線を通る普通列車も引き続き運転される。なお、1996年(平成8年)12月4日に、渡島大野駅・仁山駅を通る上下単線が貨物列車の速度超過による脱線事故のため線路・路盤が変形して不通となった際、復旧までの間、この藤城支線を上下単線として使用していたことがあった。大沼駅 - 森駅間は本線と砂原支線に分かれ、この区間では小樽駅を中心に列車が設定されており、普通列車のみのローカル輸送に徹している。朝に蘭越発札幌行き、夕方に札幌発倶知安行きでそれぞれ1日1本運転される快速列車「ニセコライナー」(旧称「マリンライナー」)もこの区間内では各駅停車となる。札幌駅発着の列車と、早朝上りの一部列車を除き、小樽駅または倶知安駅発着で運転される。長万部駅 - 小樽駅間の列車のほか、蘭越駅・倶知安駅・然別駅・余市駅折り返しの区間列車が設定されている。利用客は小樽駅側でやや多く、日中でも余市駅 - 小樽駅間は1 - 2両の車内が混雑する。比較的列車本数の多い余市駅 - 小樽駅間で1時間に1 - 2本程度(時間帯により2時間近い間隔もある)の運転となっている(並行する路線バスのほうがはるかに多い)。この区間で最も列車の少ない長万部駅 - 蘭越駅間では、1日下り4本、上り5本のみの運行になっている。2010年12月4日現在、快速「ニセコライナー」1往復と朝の倶知安発苫小牧行き1本、夜の小樽発倶知安行き1本をのぞき、ワンマン運転を実施している。例外があるのは、該当列車がワンマン運転に対応していないキハ201系による運用のためで、小樽駅 - 倶知安駅・蘭越駅間でも車掌が乗務している。この区間では、ニセコ周辺のスキーリゾートへ訪れる外国人観光客のため、ワンマン列車では英語放送が流れる。小樽駅を境に一気に列車の本数が増え、札幌近郊区間として快速「エアポート」(千歳線直通)・区間快速「いしかりライナー」・普通列車が札幌駅を基軸に運転されている。札幌を起点とした都市圏輸送量(平成15年)は札幌駅 - 小樽駅間で年間2,365万人、札幌駅 - 岩見沢駅間で年間1,440万人に達している。ただし、札幌駅始発・終着の列車はあまり多くなく、両方面を直通する運行形態が中心となっている。函館本線内で手稲・小樽方面と江別・岩見沢方面を結ぶ列車のほか、手稲・小樽方面と千歳線の千歳・新千歳空港および室蘭本線の苫小牧方面を結ぶ列車も多い。手稲駅 - 札幌駅間は、朝は手稲から札幌行き、夜は札幌から手稲行きで特急車両の札幌運転所への回送を兼ねたホームライナーが運転されている。桑園駅 - 札幌駅間は札沼線(学園都市線)用の単線が、札幌駅 - 白石駅間は千歳線用の複線がそれぞれ別線として存在し、いずれの列車もその別線を経由して札幌駅まで乗り入れている。小樽駅 - 岩見沢駅間は日中の一部時間帯を除き、1時間間隔のパターンダイヤが組まれている。2015年3月14日のダイヤ改正現在での日中の1時間あたりの運行本数(札幌駅基準)はおおむね以下のようになっている。2007年9月30日までは、日中の大部分の区間快速が手稲駅 - 江別駅間を通して快速運転を行っていたが、翌10月1日のダイヤ改正でこの運行形態の列車は廃止され、手稲駅 - 札幌駅および札幌駅 - 江別駅間のどちらかを区間快速とする運転となった(「いしかりライナー」も参照)。2016年3月26日改正ダイヤの日中の各区間における1時間あたりの平均的運転本数は以下の通り。かつては普通列車の多くが小樽・手稲・札幌方面と滝川・旭川方面を直通運転していたが、現在では一部を除いて岩見沢駅で系統分割されており、札幌方面と滝川・旭川方面を普通列車で移動する場合、ほとんどが岩見沢駅で乗り換えとなる。ただし、直通運転を行う普通列車も一部残されているほか、一部の列車は滝川駅で乗り換えとなる場合もある。岩見沢駅 - 旭川駅間では快速運転を行っておらず、すべての普通列車が各駅に停車する。旭川運転所の配置気動車の効率的な運用のために、この区間では気動車の乗り入れも設定されている。岩見沢駅 - 滝川駅間では一部の札幌や旭川方面に直通する列車も含め、1時間に1本程度の割合で普通列車が運転されているが、2時間ほど開く場合もある。この区間における普通列車は全列車が岩見沢駅と滝川駅を通して運転しており、途中駅で折り返すなど区間運転を行う普通列車は上下ともに設定されていないほか、岩見沢駅から室蘭本線へ直通したり、滝川駅から根室本線へ直通運転する列車もない。滝川駅 - 旭川駅間の普通列車も多くが岩見沢駅まで直通運転しており、滝川駅 - 旭川駅間のみを運転する列車は少ない。また、この区間では気動車を使用した普通列車のみワンマン運転を行っている。ただし気動車を使用した普通列車でも札幌駅・岩見沢駅から直通運転する場合は、滝川駅 - 旭川駅間を除く区間で車掌が乗務する。区間運転は岩見沢駅・滝川駅 - 江部乙駅間(平日のみ)と深川駅・近文駅 - 旭川駅間(近文駅発着は平日・土曜日のみ)に設定されているほか、旭川発で深川駅から留萌本線に直通運転する普通列車も1本設定されている。普通列車の運転本数は江部乙駅 - 深川駅間が最も少なく、頻繁に往来する特急列車とは対照的に3時間以上間隔が開く時間帯もある。貨物列車は、五稜郭駅 - 長万部駅間と札幌貨物ターミナル駅 - 旭川駅間で運行されている。函館駅 - 札幌駅間を直通する長距離旅客列車と同様に、長万部駅 - 札幌貨物ターミナル駅間は急勾配の続く「山線」を避け、距離は長いが線形の良い室蘭本線・千歳線を経由する。五稜郭駅 - 札幌貨物ターミナル駅間には、コンテナ車のみで編成された定期の高速貨物列車が1日上下21本ずつ設定され、室蘭本線・千歳線とともに、本州と北海道を結ぶ幹線として機能している。なお、函館駅 - 長万部駅間の貨物駅は五稜郭駅のみで、貨物列車は運転停車をのぞき、途中駅には停車しない。また五稜郭駅は青函トンネル用電気機関車EH800形が乗り入れるため、道内の貨物駅で唯一着発線が電化されている。新函館北斗駅 - 小樽駅・東室蘭駅間は非電化のため、すべての貨物列車は五稜郭駅(函館貨物駅)にて機関車交換を行う。五稜郭以北に営業運転の電気機関車は乗り入れず、津軽海峡線をのぞいて道内を運行するすべての貨物列車はDF200形ディーゼル機関車が牽引する。五稜郭駅以外の電化区間上(東室蘭駅 - 沼ノ端駅 - 札幌駅間と小樽駅 - 北旭川駅間)にある道内各貨物駅は着発線を含めすべて非電化である。札幌貨物ターミナル駅 - 旭川駅間で運行される列車は、基本的に宗谷本線に乗り入れ北旭川駅を起点・終点としている。この区間では、高速貨物列車に加え、専用貨物列車も運行されている。定期の高速貨物列車は、札幌貨物ターミナル発北旭川行が1日4本、北旭川発札幌貨物ターミナル行が1日2本運行されているほか、北旭川発で岩見沢駅から室蘭本線に乗り入れ、苫小牧・東室蘭方面へ向かう列車が1日2本運行されている。季節運行の臨時高速貨物列車は、根室本線富良野駅や石北本線北見駅と札幌貨物ターミナル駅を結んでいる。札幌貨物ターミナル駅 - 旭川駅間の貨物駅は、札幌貨物ターミナル駅と滝川駅がある。専用貨物列車は室蘭本線本輪西駅 - 北旭川駅間で運行され、苫小牧駅 - 岩見沢駅間を室蘭本線、岩見沢駅 - 旭川駅間を函館本線を経由している。本輪西発北旭川行の列車は1日2本運行されており、石油製品を輸送するタンク車を連結する。その逆の、北旭川発本輪西行のタンク車返送列車は1日1本運行されている。これらの列車を補完する臨時の専用貨物列車も、本輪西駅 - 北旭川駅間に1日1往復設定されている。なお、JR貨物は札幌貨物ターミナル駅 - 苗穂駅間においても第二種鉄道事業者となっているが、この区間に貨物列車は設定されていない。季節列車はのぞく室蘭本線直通列車・経由列車の車両は「室蘭本線#使用車両」も参照のこと。また、当路線の五稜郭駅 - 函館駅間のみを走行する車両や、札幌駅 - 白石駅間のみを走行する車両についてはそれぞれ直通先の「江差線#使用車両」、「千歳線#使用車両」を参照のこと。普通列車は気動車と電車で運転されている。特急・急行・快速列車については、各列車の記事も参照。函館本線は、北海道の鉄道の発祥路線である。1880年(明治13年)から1882年(明治15年)までに官営幌内鉄道の手で開通した手宮駅(小樽市・現在廃止) - 札幌駅 - 幌内駅(三笠市・現在廃止)間の鉄道がそれである。官営幌内鉄道の路線を譲り受けた北海道炭礦鉄道、北海道鉄道(初代。千歳線などを建設した2代目の北海道鉄道とは別会社)および北海道庁が運営する北海道官設鉄道によって建設され、北海道官営鉄道は1905年(明治38年)に鉄道作業局(国有鉄道)へ編入、北海道炭礦鉄道と北海道鉄道は、1906年(明治39年)に成立した鉄道国有法によって買収され、国有鉄道線となったものである。イギリスに範をとった本州の鉄道に対して、北海道の鉄道はアメリカの技術を導入して建設されており、前面にカウキャッチャー、煙突には巨大なダイヤモンドスタックを取り付けたアメリカ式の蒸気機関車が輸入され、客車も「マッチ箱」と称される本州の4輪車に対し、開拓使号客車に代表される、木造台車を履いたボギー車が使われた。「義経」「弁慶」・「しづか」などと命名された機関車(のちの7100形)は、現在も鉄道博物館(さいたま市)、交通科学博物館(大阪市)、小樽市総合博物館鉄道・科学・歴史館(小樽市)に保存されており、その姿を見ることができる。大沼駅 - 渡島砂原駅 - 森駅間については、第二次世界大戦中の輸送力増強のため、急勾配の介在する駒ヶ岳駅回りのバイパスとして建設されたものである。同区間に並行して渡島海岸鉄道(森駅 - 砂原駅間)、大沼電鉄(現在の大沼公園駅 - 鹿部駅間)という2つの私鉄が存在したが、函館本線の建設に伴い買収、廃止された。小樽築港駅 - 銭函駅間は工事の容易な石狩湾の海岸線に敷設されたが、当時は汽車の煙や火の粉が漁業に悪影響を及ぼすと考えられており、漁獲量の減った年を中心に、沿線の漁師との間でたびたび補償問題に発展したため、余市駅 - 塩谷駅間では「浜」を避けて線路が敷かれている。戦前は青函航路と稚泊航路を介し内地と樺太を、その後も本州と道内各都市を結ぶ動脈であったが、小樽における貿易、民間航路、漁業の衰退と、金融の中心機能の札幌への移転、また、室蘭・苫小牧地区の工業の発展と歩調を合わせた室蘭本線・千歳線の改良により地位の低下が始まり、道内初の特急である「おおぞら」をはじめ、新規の優等列車は「海線」経由で設定されることが多くなっていった。さらに、航空路線の拡充に伴い、国鉄は本州連絡に関しての競争力を失い、その末期には、函館駅から扇のように展開していた道内の特急網も、札幌を起点とする方針に改められ、1986年(昭和61年)10月をもって長万部駅 - 札幌駅間の優等列車はすべて廃止となった。1960年(昭和35年)から15年計画で行なわれた蒸気運転全廃に向けた動力近代化計画では、函館駅 - 長万部駅間も電化計画に含まれていたが、石炭輸送衰退の影響で、新函館北斗駅 - 長万部駅間の電化は室蘭本線東室蘭駅 - 長万部駅間とともに現在でも実現していない。非電化区間としては特急および貨物列車の本数が多く、七飯駅 - 森駅間の8の字区間を除いたほとんどの区間で複線化も行われている。1994年(平成6年)には、かつての運炭線であり、函館本線最後の盲腸線となった上砂川支線が、利用客の減少により廃止された。全駅北海道内に所在。なお、全区間において駅ナンバリングが設定されているが、駅ナンバリング順ではなく、函館駅から下り方向に記述。駅ナンバリングの詳細については「北海道旅客鉄道の駅ナンバリング」を参照。全駅渡島管内に所在。なお、七飯駅 - 大沼駅間に下り専用の支線(通称:藤城線)があるが、営業キロの設定、および途中駅は無い。藤城線は単線非電化。全駅渡島管内に所在。この区間は全区間複線。桑園駅 - 札幌駅間は三線で小樽方面への複線と札沼線直通線の単線を併設。札幌駅 - 白石駅間は岩見沢方面への複線と千歳線直通線の複線を併設する方向別複々線。廃止区間上にあるものはのぞく。括弧内は営業キロ。
出典:wikipedia
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