フサイチコンコルド(1993年 - 2014年)は日本の競走馬、種牡馬である。わずか3戦のキャリアで東京優駿(日本ダービー)を勝ったことから、「和製ラムタラ」の異名をとった。主戦騎手は藤田伸二。半弟にミラクルアドマイヤ、ボーンキング、アンライバルドがいる。馬名の「コンコルド」とは旅客機のコンコルドのことではなく、フランスにあるコンコルド広場に由来している。デビュー前の栗東への輸送中に輸送性の肺炎を発症し、その影響と思われる逆体温(朝よりも日中の体温が低い)、輸送時にたびたび起こる熱発(発熱)など、極めて体質が弱かった。デビューは3歳となった1996年1月5日、京都競馬の新馬戦で、単勝1番人気に応えて勝利した。2か月後のすみれステークスを勝利し、皐月賞へ出走できるだけの収得賞金を加算したが、管理調教師の小林稔は皐月賞を回避することを決定した。しかし、東京優駿への道は平坦ではなかった。トライアルのプリンシパルステークスへ出走するため東京へ輸送したところ熱発してしまい、同競走を回避することとなり、そのため賞金的に出否が微妙になった。東京優駿の前には、同厩舎同馬主(関口房朗)のフサイチシンイチが900万下条件戦を勝ち上がりコンコルドより収得賞金が多くなり、小林と関口はコンコルドが出走できるならシンイチの回避も考えていたが、何とか2頭そろって出走にこぎつけた。しかし、輸送後にまたも熱発で小林が出走取消を考えるなどドタバタ続きであった。迎えた第63回東京優駿(日本ダービー)で1番人気に支持されたのは、皐月賞を同様に熱発で回避したものの、プリンシパルステークスを勝利したダンスインザダークだった。皐月賞2着のロイヤルタッチが2番人気、1着のイシノサンデーが3番人気と、3頭のサンデーサイレンス産駒が人気を集めていた。フサイチコンコルドは、無敗とはいえキャリアがわずか2戦、度重なる熱発ということもあり、「関西の秘密兵器」として穴人気をしていたものの7番人気にとどまった。レースはサクラスピードオーがスローペースで逃げ、ダンスインザダークが3、4番手の絶好の位置につけていた。フサイチコンコルドはスタートでわずかに出遅れたものの、7、8番手からダンスインザダークをマークする形で進んだ。最後の直線でダンスインザダークが抜け出したが、鞍上の藤田からゴーサインを出されたフサイチコンコルドが差を詰め、2頭の叩き合いはゴール板前まで繰り広げられ、最後にはフサイチコンコルドがダンスインザダークをクビ差退けた。3戦でのダービー制覇は1943年のクリフジ以来53年ぶりで、戦後初の快挙となった。このレースの実況を担当したフジテレビの三宅正治アナウンサーは、超音速旅客機・コンコルドのイメージから「外から、音速の末脚が炸裂する!!」と叫び(本馬場入場でも「関西最後の秘密兵器。大外を駆け抜ける音速の末脚」と実況した。)、翌日のスポーツ新聞はその勝利を「音速の末脚」という見出しで飾った。三宅は自らの予想はフサイチコンコルド-ダンスインザダークの1点だったとも語っている。その後も体質の弱さは相変わらずで、菊花賞のトライアルとして京都新聞杯を予定していたが、調整が間に合わず翌週のカシオペアステークスで復帰。圧倒的な1番人気に推されたが、大逃げを打ったメジロスズマルを捕まえ切れず、5馬身差の2着と完敗、初黒星を喫した。菊花賞ではダンスインザダークに次ぐ2番人気だったが、最後の直線でダンスインザダークとロイヤルタッチに交わされ3着に敗れた。その後も脚部不安に悩まされ、出走することなく翌1997年の秋に引退。11月16日に東京競馬場で引退式が行われた。フサイチコンコルドは1998年から種牡馬となり、社台スタリオンステーションとブリーダーズ・スタリオン・ステーションで繋養された。種牡馬としてはブルーコンコルド(東京大賞典・JBCスプリント・マイルチャンピオンシップ南部杯などG1を7勝)、バランスオブゲーム(弥生賞・毎日王冠・中山記念など重賞を7勝)、オースミハルカ(エリザベス女王杯2年連続2着、チューリップ賞・クイーンステークスなど重賞を4勝)などを輩出している。ブルードメアサイアーとしての産駒も2006年より競走馬として走っており、2009年にジョーカプチーノがファルコンステークスとNHKマイルカップを制し、ブルードメアサイアーとしての重賞競走初勝利を記録している。2011年10月、シンジケートの解散にともない種牡馬引退が決まり、余生を送るため青森県の太田ファームへ移動したが、現地生産者からの要望があり、2013年時点でも種牡馬として供用されていた。2014年9月6日、放牧した際に転倒し左後脚を骨折。7日には自力で起き上がれなくなり、2014年9月8日午後5時ごろに息を引き取った。ブルードメアサイアーとしてのおもな産駒は以下のとおり。
出典:wikipedia
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