もぐさ(艾)は、ヨモギの葉の裏にある繊毛を精製したもの。主に灸に使用される。西洋語にもmoxaとして取り入れられている。もぐさは、夏(5~8月)に、よく生育したヨモギの葉を採集し、臼で搗(つ)き、篩にかけ、陰干しする工程を繰り返して作られる。点灸用に使用される不純物(夾雑物)のない繊毛だけの艾を作るには、多くの手間暇がかかるため、大変高価である。高級品ほど、点火しやすく、火力が穏やかで、半米粒大のもぐさでは、皮膚の上で直接点火しても、心地よい熱さを感じるほどである。もぐさの主成分としては毛茸(葉裏の白い糸、T字形をしているのでT字毛とも呼ばれる)と線毛(芳香成分として精油(テルペン、シネオール、ツヨン、コリン、アデニン)、タール)、11%の水分、67%の線維と11%のたんぱく質などの有機物、4~5%の類脂質(脂肪)、4~6%の無機塩類(灰分)、ビタミンB、ビタミンCなどで構成される。水分が多く、灰分、夾雑物が少ないもぐさ(国産高級もぐさは3~4%)が一番良いとされる。夾雑物の混じっている安価な艾は、隔物灸(温灸)などに用いられる。百人一首の51番目にある、藤原実方朝臣(ふじわらのさねかたあそん)の歌、「かくとだに えやは伊吹の さしも草 さしも知らじな 萌ゆる思ひを」から、滋賀県の伊吹山がもぐさ原料ヨモギの特産地(製品もぐさを80%生産)と思われているが、滋賀県ではもぐさ用ヨモギはほとんど作られておらず、新潟県、富山県など、もぐさ原料のヨモギは北陸産が多い。また、この「伊吹山」は、滋賀県ではなく、栃木県栃木市にある小さな山だという説もある。もぐさの商標には、お釜のマークの「釜屋」が有名だが、これを名乗る業者は数社ある。もぐさが施灸を目的に作られた小塊を艾炷(主に円錐形・円柱形)という。もぐさはその精製の度合いによって、点灸用・灸頭鍼用、温灸用の区別がある。また現在では、せんねん灸など、様々な「もぐさ加工品」が売り出されている。朱油を含ませ朱肉の印池としても用いられる。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。