「シー・ラヴズ・ユー」("She Loves You")は、1963年8月にビートルズが発表した4枚目のオリジナル・シングル曲である。ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500では64位にランクされている。2005年にイギリスの音楽雑誌「アンカット」が企画した「世界を変えた曲、映画、テレビドラマ」を選ぶ特集では3位となった。レノン=マッカートニーの作品。ヴォーカルはジョン・レノンとポール・マッカートニー。二部コーラスになる部分では、ジョンが下のパートを、ポールが上のパートを担当している。フレーズの繰り返し部分と "She loves you Yeah Yeah Yeah" の部分のみジョージが加わる(ライヴでは、この部分でポールの左利き用ベースとジョージのギターが対に向き合い、"Woo!" で首を振り長髪を振り乱す。これは「ツイスト・アンド・シャウト」と同じ演出である)。エンディングの "Yeah" のバックではG6コードが使われている。プロデューサーであるジョージ・マーティンのアイデアで、曲の冒頭リンゴによるドラムのフィルインに続きすぐにサビの部分から曲が始まる、当時としては斬新な構成の曲である。また、ハイハットの代わりにバスタムを使用して迫力を出す、エンディングに6thコードを使う、当時イギリスでは下品とされた "yeah" を連呼する歌詞等、いろいろな工夫の跡が見られる。「プリーズ・プリーズ・ミー」や「抱きしめたい」などとともに、世界的に彼らの人気を不動のものにしたヒット曲であり、一般的な「初期のビートルズの音楽的イメージは、この曲にある」と断言してもいいほどの作品との記載がある。映画「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」の劇中コンサートのラスト・ソングだったことも大きな印象を与えた。3コーラス目でテープを繋いで編集されている(CDでは1:22から1:23の中間あたり)ため、音色に変化がある。2009年のリマスター版ではこの変化が極力感じられないように修正されている。この曲でジョンの使用したギターはステージではリッケンバッカー325を弾いているが、レコーディングにおいてはギブソンJ-160Eを使用している。ステレオ・ヴァージョンが作成される前にマルチトラック・セッション・テープが破棄されたため、「シー・ラヴズ・ユー」にリアル・ステレオ・ヴァージョンはない。ステレオと表記されているものは全て疑似ステレオである。イギリスでは1963年8月23日にリリースされた。B面は「アイル・ゲット・ユー」。イギリス『メロディー・メイカー』では通算7週1位、約2ヵ月後に返り咲きで再度1位を獲得している(当時としては異例のチャート・アクションだった)。アメリカではメジャー・レーベルから相手にされず、マイナー・レーベル(スワン)からリリースしたが、ブライアン・エプスタインらのセールス・プロモーションにも拘わらず全くヒットしなかった。その後、キャピトル・レコードからリリースされた「抱きしめたい」がアメリカで大ヒットし、ビートルズがアメリカでもメジャーになると、この曲も他の曲と共にヒット。ビルボード誌では1964年3月21日から28日にわたり週間ランキング第1位を獲得。同誌1964年年間ランキングでは「抱きしめたい」に次いで第2位を獲得し、この年の1、2位を独占した。キャッシュボックス誌でも2週連続第1位を獲得し、1964年度年間ランキングでも「抱きしめたい」に次いで第2位だった。オリジナル・アルバムには未収録。現在のCDフォーマットでは『パスト・マスターズ Vol.1』をはじめ、公式編集盤などに収録されている。イギリスでは166.7万枚を売り、当時のイギリスでのシングル売り上げの最高記録を樹立した。この記録は、ポールが1977年にウイングスの『夢の旅人』("Mull Of Kintyre")で219.3万枚を売り上げるまで破られなかった。また、アメリカでは250万枚以上のセールスを記録している。シー・ラヴズ・ユー(ドイツ語))」("Sie Liebt Dich" / John Lennon - Paul McCartney - - Lee Montague)は「シー・ラヴズ・ユー」のドイツ語版である。EMIの西ドイツ支部オデオンの強力な要請によって西ドイツのファンのためになされたレコーディングである。"Sie Liebt Dich"とは英語で "She Loves You"であり、「抱きしめたい(ドイツ語)」に比較して原詞に近く訳されている。訳詞者のJean Nicolas、Lee Montague は同一人物で、ルクセンブルク出身のタレントであるのペン・ネームである。「抱きしめたい(ドイツ語)」では、オリジナルのマスター・テープにドイツ語のヴォーカルをオーヴァー・ダビングしているが、「シー・ラヴズ・ユー」に関してはオリジナルのマスター・テープが破棄されていたため、演奏も含めすべてを録音し直している(ただし、そのため本作のリアル・ステレオ・ヴァージョンがドイツ語バージョンには存在することとなった)。ただ、こちらも英語版と比較してハーモニーと発音が雑な仕上がりになっており、完成度は低い。レコーディングは1964年1月29日に渡仏中パリのパテ・マルコーニ・スタジオで行われており、同じ日に「抱きしめたい(ドイツ語)」も録音されている。ただしビートルズはこれら録音に気乗りせずレコーディング当日に予約していたスタジオに出向かず、滞在していたホテルに立てこもった。事態の収拾をつけるべくプロデューサーのジョージ・マーティンがホテルに出向いてビートルズを説得してスタジオに向かわせたという。彼らがジョージ・マーティンに反抗したのは初めてのことであった。イギリスではビートルズ解散の8年半後の1978年12月2日に発売されたアルバム『レアリティーズ』において初めてリリースされた。アメリカでは1964年5月21日にシングル盤が、日本では1965年5月5日に発売されたアルバム『ビートルズ No.5!』でリリースされていた。「シー・ラヴズ・ユー(ドイツ語)」のリアル・ステレオ・ヴァージョンはビートルズの活動中はリリースされず、ビートルズが解散して8年あまり後に発売されたコンピレーション・アルバム『レアリティーズ』において初めて収録、リリースされた。
出典:wikipedia
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