春麗(チュン・リー、Chun-Li、正体字:春麗、簡体字:春丽、ピン音:Chūn Lì)は、カプコンが開発・販売している対戦型格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズに登場する架空の人物。作品によってはカタカナで「チュンリー」とも表記される。『ストリートファイターII』(以下『ストII』と表記)で初登場し、以降の『ストリートファイター』シリーズ、およびVS.シリーズなどのクロスオーバー作品においてほぼ全ての作品に登場している。キャラクターデザインは安田朗(あきまん)。対戦型格闘ゲーム初の女性プレイヤーキャラクターであり、後に数多く登場した対戦型格闘ゲームの女性プレイヤーキャラクターの開祖でもある。また、サブカルチャー論ではフェミニズムの観点から論じられる対象となる。春麗のストーリーは『ストII』シリーズおよび『ストリートファイターZERO』(以下『ZERO』と表記)シリーズを通じて黒幕として登場する犯罪組織「シャドルー」と密接に関係しており、また数少ない女性ファイターとして「華」の役割を期待されることもあり、アニメ化をはじめとするメディアミックス作品群では主役級の役割を与えられることが多かった。1999年には、中央アフリカ共和国で発行された切手のデザインになった。ゲームのキャラクターが切手のデザインになったのは、世界でも初めてのことである。2006年10月31日にカプコンは米国映画製作配給会社であるハイドパーク社と共同映画制作会社を設立、春麗を主人公にした実写映画『Street Fighter: The Legend of Chun-Li』の製作を発表した。2009年2月28日公開。演じるのはクリスティン・クルック。中国代表の格闘家。インターポールの刑事(麻薬捜査官)で、ベガを首領とする犯罪組織「シャドルー」専任の捜査官。国際公務員である。謎の失踪を遂げた父親を追う一方で、シャドルー捜査の任務を遂行する。シャドルー壊滅後は、刑事を辞め、一時戦いの場から退いていたが、あるとき世界各地で格闘家が失踪する事件が相次ぎ、その陰に崩壊したはずのシャドルーの存在を感じ取ったことから戦いの場に舞い戻る。その後、数年間は平和な暮らしを過ごしていたが、クンフー教室で教えていた生徒が行方不明になったことを機に、再びストリートファイトを始めている。二つのシニヨン(通称:お団子)と鍛え上げられた脚線美が特徴。主に蹴り技を得意とし、これは同じく中国拳法の達人であった父から教わったものである。『CAPCOM VS. SNK』シリーズの掛け合いによると、蹴りの多用からか腰痛持ちである様子。「百裂脚(百裂キック)」と「回転的鶴脚蹴(スピニングバードキック)」の時にバランスをとりやすくするため、両腕にはトゲ付きの重い腕輪が付けられている(製作側の理由としては腕の位置を視認しやすくするために追加した)。ほとんどの出演作品ではチャイナドレスを基調としたデザインの格闘服を着ており、『ZERO』シリーズのみ身体に密着したジャージのような服装になっている。『ZERO2』以降はゲーム上の性能に若干の差異を持たせたキャラクターとしてチャイナドレスタイプも選べるように配慮がされている。『X-MEN VS. STREET FIGHTER』などでは逆に隠しコスチュームとして、このジャージ姿が用意されている。なお、『ストリートファイターIV』(以下『ストIV』と表記)ではアレンジコスチュームとして、従来と違い太腿を露出した黒いチャイナドレスの他、京劇を意識したチャイナドレスが用意されている。『ストリートファイターV』(以下『ストV』と表記)では『ストIV』での黒のチャイナドレスを踏襲しているが、髪型がロングヘアーに変わっている。春麗のコスチュームの色は青だが、アーケード版『ストII』でのキャラクターセレクト画面ではオレンジ色になっている。これは他ハードへの移植版で青に修正されている。春麗の名字については一貫した公式設定はない。『ストリートファイター』シリーズのゲーム本編で春麗の名字が語られたことはなく、小説やドラマCDなど各種派生作品ではそれぞれ異なる名字の設定(「楓」、「王」など。「春」が苗字という設定も)がなされている。1994年に公開されたハリウッド映画版『ストリートファイター』ではChun-Li Zang(チュンリー・ザン、臧 春麗)というフルネームの設定があったが、この作品での春麗はゲーム本編とは大きく設定が異なっている。『X-MEN VS. STREET FIGHTER』ではエンディングでプロフェッサーXから「ミス・リー」と呼ばれている。春麗が主人公となった2009年版のハリウッド映画『ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー』では明言されていないが、父の墓石に刻まれた苗字が「黄」となっている。『ZERO』での年齢は18歳とされているが、開発スタッフによると『ZERO』シリーズは『ストII』シリーズのパラレルワールド的な世界とされていて、生年月日も設定されていない。プロフィールの「好きな物」にクレープ、フルーツ類とあるが、しばしば「グレープフルーツ類」と混同される。『ゲームセンターCX』でも春麗のプロフィールとして「好きな物・グレープフルーツ類」と放送された。『MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES』(以下『MARVEL VS. CAPCOM』と表記)には、通常の春麗のほかに春麗がシャドルーによって改造された姿である「シャドウレディ」が隠しキャラクターとして登場する。ミサイルにレーザー、電撃など春麗にくらべ大きな改造がなされている。ただし、正義の味方としての一面は健在。キャラクターデザインを担当した安田朗は『ストII』に春麗を登場させたことについて、「『イー・アル・カンフー』など、当時は「中国娘」はいないといけない感じだった」と説明している。『ストII』シリーズでの春麗は気の強い高慢な性格として描かれているが、『ZERO』シリーズを経て芯のしっかりした女性というキャラクターが確立されていき、30代となった『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』(以下『ストIII 3rd』と表記)では落ち着いた雰囲気の大人の女性として登場している。年齢設定を問わず、勝利後には跳び上がってはしゃぐ一面も持っている。刑事としての側面が強調された『ZERO』以降の作品では、犯罪を許さない毅然とした態度も見られるようになる。また、幼い頃からブルース・リーの大ファンで、部屋には彼のポスターが貼ってある。『ストリートファイターII MOVIE』でははしゃぐ一面がより描かれ、劇中そのような振る舞いをガイルとの対面時に見せているが、西村キヌは「イメージが違う」といった理由から、これを酷評している。『ZERO3』ではダンをシャドルー配下の格闘家と勘違いして一方的に勝負を挑み、負けてしまうと捜査官に暴行をした、という理由で逮捕しようとするなど捜査官としては横暴な面も見られる。『ストV』ではニューヨークの捜査中にシャドルー四天王を見かけると、ガイルの制止を振り払ってベガに挑んで殺されかけるなど冷静さを失う場面もある。刑事として犯罪を追う一方で、普通の女の子としての生活に憧れる一面も持っている。『ストII』シリーズのエンディングでは「普通の女の子」として普段着の春麗が見られ、『X-MEN VS. STREET FIGHTER』のローグのエンディングではどうすれば「普通の女の子」になれるものかとローグと二人で悩む。『スーパーストリートファイターII』以降の『ストII』シリーズではプレイヤーの選択によってはボーイフレンドらしき男性とデートするシーンがあるが、絡んできたチンピラを軽くあしらう春麗にボーイフレンドは怯えきっており、このボーイフレンドが続編や関連作品で現れることはない。スタッフいわく「単に春麗がデートというものをしてみたかっただけ」とも。『ストリートファイターIV オリジナルアニメーションfeat. 春麗』では『ストII』の後「普通の女の子」に戻った春麗が描かれており、私服(『ストII』エンディング時の服装)で旅行を楽しむ姿や、Tシャツにエプロン姿で下町の大衆食堂で働く姿を見せている。『タツノコ VS. CAPCOM CROSS GENERATION OF HEROES』(以下『タツノコ VS. CAPCOM』と表記)では白鳥のジュンのエンディングで私服姿の春麗が登場し、ジュン、ロール(『ULTIMATE ALL-STARS』ではサキ、ヤッターマン2号も参加)と一緒に「第一回『普通の女の子になるために』会議」なるものを開くが、なかなか話が進まない。彼女の父親の名前は『ストV』公式サイトの「シャドルー格闘家研究所」の「キャラ図鑑」にて「銅昴(どうらい)」だと判明し、詳細なプロフィールも明かされるかつテレビアニメ『ストリートファイターII V』の設定が逆輸入されている。香港警察の警察官だった春麗の父は中国拳法の達人であり、香港警察の中では特に「蹴りの名手」として知られていた。ゲーム本編では姿を見せていないが、色々なメディアでは口ひげにオールバックという風貌で描かれている。春麗の通常技の中でしゃがみ状態から出す強キックが初代『ストリートファイター』の頃の元が使う技と同一であり、技名も「元伝暗殺蹴」と設定されている(特に『ストIII 3rd』のものは構えまで似ているが、同作では技名は「龍顎脚(リュウガクキャク)」となっている)。そのために元との関係が初期から囁かれていた。後に『ZERO2』における会話シーンで春麗と元には面識がないことが判明する。また、春麗の技は父から教えられたもので、元が春麗の父について何らかの手がかりを持っていることが描写されている。また、「元伝暗殺蹴」は元→春麗の父→春麗へと伝わったと説明されている。なお、アメコミ版の設定では父娘ともに元の弟子とされている。『ストIV』では元と春麗のライバル戦にて、元の勝利メッセージに「あの男の娘だからといって容赦はしない」というものが存在しており、元と春麗の父親に何らかの関係があることが描写されている。小説『ストリートファイターZERO 春麗』に登場する春麗の叔父の邵逸義(シャオ・イーフェイ)は、春麗の師の一人である。シャドルー専任捜査官という位置づけから、彼女と同じくベガと敵対するナッシュやガイルとの競演が多く見られる。『ZERO3』のいくつかのエンディングでは、ナッシュと共に戦闘機でシャドルーのアジトに乗り込んでいる。シャドルーのメンバー・バルログは春麗の美しさを妬んでおり、アニメや漫画でもそれに相当する描写が少なくない。『ストV』ではシャドルーに誘拐された天才プログラマー少女の丽芬(リーフェン)を救い出すが、身寄りがないため共に暮らすこととなる。『ストIII 3rd』ではリーフェンを誘拐した秘密結社の幹部・ユリアンと対決することになる。『ポケットファイター』ではその人気ぶりゆえにモリガンからライバル視されている。一方で『PROJECT X ZONE』ではそのモリガンと一緒にペアユニットとして参戦している。続編となる『』では『鉄拳』シリーズの凌暁雨とペアユニットを組んでいる。また、『ストリートファイター X 鉄拳』で共演した『鉄拳』シリーズの登場人物である刑事のレイ・ウーロンとは古い同僚。『CAPCOM VS. SNK』(以下『カプエス』と表記)シリーズ、『頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM』(以下『頂上決戦 最強ファイターズ』と表記)、『SNK VS. CAPCOM 激突カードファイターズ』シリーズ、『SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』(以下『SVC CHAOS』と表記)ではSNKのキャラクターとの関係も描かれている。SNKの代表的なヒロインのひとり・不知火舞からは強くライバル視されている。春麗も舞を意識しており、ふたりの間に舌戦が度々見られる。香港出身の刑事・ホンフゥとは知り合い。『春麗にまかせチャイナ』(パチスロ)では春麗の友人としてメアリーやレイコ、無名の幼少女が登場している。スピードと手数で攻めるタイプのキャラクター。足の速さを活かして自分に有利な間合いを取りやすく、しゃがみ中キックなどで牽制しつつ、相手の一瞬の隙に一気に踏み込んで投げに行くような戦い方が可能。空中戦では空中投げ技「龍星落」が象徴的で、特に『ストII』においては有効範囲が非常に広く強力であった。必殺技よりも通常技の比重が大きいキャラクターであったが、『ストリートファイターII'ターボ』(以下『ストIIターボ』と表記)で飛び道具の「気功拳」が加わるなど有用な必殺技が追加されていった。『スーパーストリートファイターII X』(以下『スパIIX』と表記)で追加されたスーパーコンボ「千裂脚」は強力な突進技で、特に『スパIIX』では前方に歩きつつボタンひとつで発動できる「歩き千裂脚」が猛威を振るった。『ZERO2』ではしゃがみガードできない「旋円蹴」が使いやすく、また新要素であるオリジナルコンボでは「百裂脚」を出し続けるだけで体力の半分以上を奪う。『ストIII 3rd』では5人の追加キャラクターの一人として登場。新技のスーパーアーツ「鳳翼扇」が非常に強く、相手の隙に対する反撃はもちろん、主力の牽制技であるしゃがみ中キックがヒットしたのを確認してから比較的容易に「鳳翼扇」に繋げられるため、ゲージがたまった瞬間に地上戦で優位に立てる。各種の通常技も優秀なものが揃っており、プレイヤーからはユン、ケンとともに「3強」に数えられる。さらに近年では職人系プレイヤーのやりこみによって『3rd』最強No.1の名をほしいままにしている。『ストIV』においては、体力の低さという弱点はあるものの、豊富な特殊技に加え、ダッシュや通常投げの性能に優れるため、セービングアタックと投げが重要なゲームシステムの恩恵を受けやすい。また、相手の飛び道具をすり抜けながら攻撃を決められるウルトラコンボ「鳳扇華」も強力である。『MARVEL VS. CAPCOM』では、春麗のエンディングでシャドルーに春麗が捕まり、シャドウ(前作『マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター』で改造されたナッシュ)に救出されるというエンディングが存在する。この流れを受け、同作では通常の春麗とは別に、隠しキャラクターとしてシャドルーに肉体改造された春麗である「シャドウレディ」が登場している。シャドウと同様に黒ずんだ姿となっており、彼と同じくシャドルーに敵対して正義の味方として戦う。そのエンディングでは、シャドルーに襲撃され瀕死となったジン・サオトメ(『サイバーボッツ』)をシャドウと共に救出し、同じく改造人間として復活させている。なお、続編の『MARVEL VS. CAPCOM 2』では、ナッシュ同様に通常の春麗のみが登場し、シャドウレディは登場していない。通常の春麗とは異なり、ビームやミサイルなどの兵器を中心とした技を使用する。また、同作の春麗と同様に空中ダッシュや3段ジャンプも使えるが、空中ダッシュには高度制限がなくなり、地表付近の低い位置でも使用可能となっている。『ストV』の公式サイト「シャドルー格闘家研究所」の「キャラ図鑑」のイラストでは、本来の春麗と髪型がわずかに違っている。当初はシリーズ唯一の女性キャラクターであったため、神崎将臣の漫画『ストリートファイターII-RYU』をはじめとした二次作品では主人公であるリュウとの間にラブコメが描かれることがあった。多くは思いを寄せる春麗に対し、恋愛沙汰に鈍感なリュウが気付かないという図式である。中平正彦の漫画『さくらがんばる!』では、さくらからリュウとの関係を恋人かとたずねられ激しく動揺している。本編でこのような関係が描かれることはなく、『ストIII 3rd』では互いに古くからの友人として言葉を交わしている。ドラマCD『ストリートファイターZERO 外伝 〜春麗旅立ちの章〜』では2人が夜眠れなくて話をしている時に、ゴウケンとの繋がりのある老人から2人の仲を茶化されている。ラストバトルではリュウと共に闘うシーンもある。漫画・アニメなどのメディアミックスにおいてはいわゆる「お色気担当」として、数々のサービスカットが盛り込まれる。ラブコメがほとんど描かれていない作品も存在する。ほとんどの作品で春麗の父親は失踪したか死亡している。以下はそれ以外の設定。春麗役として登場したもののみを記載し、単なるコスプレのみは除外する。初代『ストリートファイターII』から『II' ターボ』までは、エドモンド本田のキャラクターデザインを担当した女性スタッフが声を当てている。
出典:wikipedia
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