裏ビデオ(うらビデオ)とは、主として性器部分に修整(モザイク処理など)を加えず性交場面などを収録しているポルノ映像作品(アダルトビデオ)である。日本においては、多くは法令の、わいせつ物頒布罪に該当する可能性が高いため、流通・販売が「表」では行えず「裏」で行われるためこう呼ばれる。1980年代頃より制作と販売がなされていた。ここでは主に日本の裏ビデオについて記述する。DVDによる無修正ポルノ映像作品については裏DVDを参照。また、わいせつ以外の「裏ビデオ」については下記の非性的なものを参照。そもそも日本においては、性器の画像修整が無い映像の流通販売がわいせつ物頒布罪によって違法とされている。米国などのポルノビデオとは異なり、日本で販売、あるいはレンタルされているアダルトビデオ(“表”ビデオ)は、倫理審査団体の審査による自主規制、もしくはメーカー側の判断による自主規制により性器に“モザイク”など様々な手法で修整が行われている。性器に修整が無い映像(無修整映像)を観たい市場の潜在的な需要に対応し、1980年代頃より目立たないように流通するようになった。違法性が高いビデオの事を通称「裏ビデオ」と呼ぶ。1989年昭和天皇崩御前後の自粛期間における当局による風俗に対する一斉検挙以後は、裏ビデオ業界の自主制作作品がほとんど姿を消し、変わって、1990年代までには、修整をかける予定の撮影素材テープや仮編集の段階での流出などがしばしば裏ビデオとして認識されるようになった。家庭用VHSデッキの普及と同期して、1980年代頃から一般に登場した。いくつかのタイプに分類可能であるが、複数のタイプが複合したものもある。ここからは、主にジャンルで示す。基本的にはモザイク有りのアダルトビデオと大きく変わらない。前者は、単にロリータビデオもしくはショタビデオと言った場合、裏ビデオには属さないものもあることに注意。裏ビデオに属するものの場合、双方共に違法性が高い。また、被写体の児童やその保護者の同意の下に撮影された物と、児童への猥褻行為を記録した物とがある。海外でも違法性が高い国が大半を占めており(重罪になることもある)、入手が困難で、ほとんどが海外の裏市場で入手された物であるが、現在法規制がされていなかったり、定義年齢が日本より低い国からインターネット配信をする方式で合法的に発信を行っているサイトも一部にある。ロリータビデオではないが、児童ポルノの被写体は女児のみならず男児も含まれ、これを「ショタビデオ」と呼ぶ。日本では、男児の児童ポルノ所持についても既に何人か逮捕者が出ている。日本国内で製作されたと思われる物の例として『名古屋団地』『双子姉妹』『妖精伝説』『堂山ビデオ』(少年を扱ったもの)などが挙げられる。犯罪行為である実際のレイプを撮影したものはあまりなく、多くはそれらしく演技、構成したものである。実際のレイプ物が存在するかは、その地域の宗教色やポルノに対する寛容度によって差があるとされている。ポルノに対して比較的寛容で、ポルノの話題を口にしやすい地域では、口コミで情報が広がりやすく、警察が情報を掴みやすく摘発に遭いやすいと言われる。オーストラリアでは、「ノン・バイオレンス・エロチカ」と言われる、暴力性の無いポルノは無修整でも完全に合法とされ、女性でも見る者が多くなっている。英国にある世界最大のポルノショップのオーナーも女性である。転じて、性的描写が含まれないものでも、非合法でひそかに流通しているものを「裏ビデオ」と称することがある。例として以下のようなものがある。合法のアダルトビデオとは異なり、一般的なレンタルビデオ店には置かれず、下記に示す流通法で販売されている。初期の作品が家庭用ビデオカメラを用いて撮影、編集されているものも多いうえに、ダビングを繰り返されているのも多いため、一般的に映像の品質は高くない。しかし近年ではファイル交換ソフトの普及で(非合法ではあるが)だれでも無料で裏ビデオの入手が可能になった為に、原版と同一で画質の良好なものが多数存在している。DVDプレーヤーの普及に伴い、メディアはDVD-Rへ移行しつつある。わいせつ物は陳列、販売、頒布することは違法になるが、単に個人が楽しむ目的で所持しているのみでは違法とされていない(ただし、販売する目的での所持を除く)。そのため、裏ビデオを買った場合に取締りの対象になるのは店側のみである。ただし、証拠品として警察にビデオ提出を要求されたり、事情聴取として連行されたりすることがある。ネット上に販売サイトを開設し、米国のハワイ州やカリフォルニア州などから発送を行う業者がある。国際発送を行うのは、業者が販売の罪に問われるリスクを低減するためである。しかし、裏ビデオは輸入禁制品であるため、税関で没収されたり、荷物の開封の要請がくる場合もある。現地にて直接購入する場合も同様である。なお、米国の州法で認められている無修正アダルトコンテンツを、日本国内で日本の18歳以上の成人がwebで閲覧することは、違法ではない。しかしアメリカでは、2257法案などにより、アメリカ国内で未成年へのアダルトビデオ販売に関する規制が厳しくなっており、年齢確認証明などの成人限定という写真付き本人証明の提出登録などの手続きが必須となっており、違反した場合は米国連邦捜査局(FBI)の調査が入り、摘発された場合は20年の禁固刑が科せられる。主な経路を示す。一般的にこの種のビデオの価格は1本あたり約1,000円から1万円を超える高価な物まで様々である。ただし、データ配信のみ、まとめ買い、コピー商品(著作権などでも違法)などでは1本300円以下になることもあり、低価格化が進んでいる。現状では、海外で直接購入したりファイル共有ソフトで入手した裏DVDをコピーして販売する業者が価格破壊に乗り出しており、1本800円から1000円程度で入手できる。かつてのビデオテープなどのダビングとは異なり、デジタルデータは無劣化で複製できるため、コピーとはいえ高品質な裏ビデオを入手できるとされる。インターネットでの動画配信サイトでは、顧客がブロードバンド普及とともにweb配信へ移行している。しかし、裏ビデオを大量購入しやすくなったことと商品在庫という概念が無くなったので市場規模は拡大している。インターネットによるストリーミング再生によって無修正映像を配信することが多く、商品販売とは別にデータのみの販売という形で存在している。理由として日本では無修正ビデオ配信は違法であっても、海外からのストリーミング配信は、サーバーのある国の法令に準拠する為、合法とされている。具体的には、海外においてあるサーバよりWMV・DivXなどの圧縮した映像をDRM化でコピーコントロールした、ストリーム再生技術を使用したweb配信の利用である。動画の決済には配信元の通貨にあわせた支払方法になる。違法性の高いロリータ物から海外のweb配信ものまで幅広く流通している。基本的に全ジャンル流通していると言ってよいだろう。ファイル共有ソフトを用いる裏ビデオの流通も、雑誌でだれでも簡単に収集可能と紹介された為、(非合法ではあるが)高画質な裏ビデオを無料で入手することができる。これらはファイル共有ソフトウェアで蔓延しているコンピュータウイルスに感染するリスクを伴い、裏ビデオの収集が原因となっている可能性が高い(これはウイルスによって情報と共に添付される検索ワードファイルから確認可能)。情報流出事件も多発しているため、違法であると共に情報流出という点からも安易な利用は避けるべきである(情報流出では実際に収集していたものに関して報道される場合がほとんど無いが、これらの流通経路を秘匿する為とも、わいせつ物頒布罪の法解釈の盲点や矛盾点が表面化されない為とも言われる)。これらは、裏ビデオという非合法性をはらみつつ、さらに著作権法にも違反している。ファイル共有ソフトの台頭によって無修正ビデオを無料で入手可能な状況となり、ビデオ販売業者は存続の危機に立たされている。
出典:wikipedia
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