『土曜ワイド劇場』(どようワイドげきじょう)は、テレビ朝日系列で、1977年7月2日から放送されている長時間ドラマ番組、いわゆる「2時間ドラマ」である。1996年4月からのロゴ変更時に、副題として“"Saturday Night at the Mysteries"”が追加された。字幕放送(一部系列局は再放送でも実施)。2015年度までは原則第1・2・4・5週はテレビ朝日制作であり、原則第3週は朝日放送制作であった。2016年度に『土曜プライム』が開始となったことに伴う、『土曜ワイド劇場』の制作局の割り振りについては一部変更された(後述)。2012年10月6日からの基本放送時間は、毎週土曜日の21:00 - 23:06(JST)。1977年7月2日に『土曜映画劇場』の後番組として90分枠で開始され、長時間ドラマの先駆けとなった。現在では2時間以上のドラマ枠は珍しくない(一時は民放5大ネットがすべてこうした番組を持っていたこともある)、当時は1時間を超えるドラマは特例であり、NHKが『土曜ドラマ』として数週連続番組を不定期に放映していた程度である。毎週のレギュラー番組としてこれを提供する試みは初めてであった。当時、『土曜映画劇場』は放送できる作品が底をついて視聴率も低迷、新番組の企画を模索していたときにスティーヴン・スピルバーグ監督のアメリカのテレビ映画『激突!』が、単発の長時間テレビドラマの可能性を示したことが企画の発端だったという。NETテレビの外画部で『激突!』など外国映画の購入を担当後、編成開発部に異動した高橋浩は、アメリカ合衆国におけるテレフィーチャー(テレビ用長時間映画)のブームが、日本でも5年遅れで流行ると予測して『土曜ワイド劇場』を企画。制作本数の減っていた日本映画界の人材を活用し、同一番組で複数の外部制作会社に競作させるという試みで『土曜ワイド劇場』はスタートした。視聴者層は、F2層(35-49歳の女性)とF3層(50歳以上の女性)と呼ばれる主婦層が中心で、開始時のキャッチフレーズは「映画館に行けない主婦のためのお茶の間映画館」で、映画ファンをお茶の間に引き留めようとした長時間ドラマだったという。旅情サスペンスが主流で旅ブームを先取りし、サスペンスものとしてはやさしい犯人当てが特徴である。前後のミニ番組で変動はあるが、現在は毎週土曜日の21:00 - 23:06(JST)に放送されている。主にミステリーやサスペンス、それにホラーの単発物が多く、シリアスな物からユーモラスな物まで幅広いラインナップを誇っている。初回の作品は早坂暁作の『田舎刑事』で、主演には映画『男はつらいよ』シリーズで国民的な人気を得ており、早坂の親友だった渥美清がキャスティングされた。当時、渥美は年に2回の『男はつらいよ』以外の出演はほとんどなく、テレビドラマの出演は珍しかったため、これも話題になった。批評も好評で、この年の芸術祭で優秀賞を受賞している。初期は外国人原作ものが多く、シリーズものが少なく、山口百恵の『野菊の墓』など文芸ものや犯人の主役が作品をやるなど試行錯誤して、当初視聴率的には苦戦していたが、1979年4月から現在の2時間枠に拡大して素人探偵によるサスペンスもの(事件の関係者が独自に推理を繰り広げて犯人を見つけ出す)に特化してから視聴率が上昇した。初期の代表作は天知茂主演の『江戸川乱歩の美女シリーズ』。1982年10月 - 1986年9月には月曜にも『月曜ワイド劇場』という枠が設けられていた。その後1988年4月 - 1991年9月には火曜にも『火曜スーパーワイド』→『火曜ミステリー劇場』として20:00 - 21:48の枠で放送されていた。これもテレビ朝日制作を原則とし、年数本はABCからの制作となっていた。この番組の好調を受けて、他局でも長時間ドラマが次々と制作され、1981年には2大サスペンスの一角・日本テレビで『火曜サスペンス劇場』がスタートし、さらに1982年にはTBSが裏番組として『ザ・サスペンス』をスタートさせる。出遅れていたフジテレビでも1984年に『金曜女のドラマスペシャル』をスタートさせ、現在の『金曜プレミアム』まで単発番組を続けている。テレビ東京でも2001年1月に『女と愛とミステリー』がスタートした。1980年代前半は2時間ドラマが全盛で8本の枠が存在した。しかし2000年代に入って、民放各キー局では、2005年11月に日本テレビの『火曜サスペンス劇場』が『DRAMA COMPLEX』→『火曜ドラマゴールド』に(2007年3月に2時間ドラマ枠撤退)、2006年4月にTBSの『月曜ミステリー劇場』が『月曜ゴールデン』(2016年4月から『月曜名作劇場』)に、同年10月にフジテレビの『金曜エンタテイメント』が『金曜プレステージ』(2014年10月から2015年3月まで『赤と黒のゲキジョー』→2015年4月から『金曜プレミアム』)に、2009年4月にテレビ東京の『水曜ミステリー9』が『水曜シアター9』に(2010年3月に枠自体廃止したが2011年10月に復活、2015年10月から『水曜エンタ・水曜ミステリー9』)に変更されるなどサスペンス作品枠から映画なども含めた多ジャンルの番組を放送する長時間枠に移行される傾向にあるが、テレビ朝日の『土曜ワイド劇場』は現在もほぼ純粋なサスペンス作品枠となっている(但し2011年より『月曜ゴールデン』が再びほぼ純粋なサスペンス作品枠に移行。一方で『金曜プレミアム』はサスペンスドラマの比率が大幅に減少)。2012年で『土曜ワイド劇場』は35周年を迎えた。当初はフィルム撮影によるテレビ映画が殆ど(但し第1作『田舎刑事』はVTR作品である)だったが、1982年頃からVTR撮影の作品も多く制作されるようになり、その後徐々にフィルムからVTRに移行したが、「高橋英樹の船長シリーズ」など1990年半ばまでフィルム撮影を続けていた作品があった。2000年代後半からほとんどがハイビジョン制作であるが、この作品の場合、アナログ放送では13:9(→14:9→2010年7月より16:9レターボックス)のサイズで放送される。番組初期から1980年代半ばまで、22:00から放送開始の裏番組対策として、22:00前後の20分間にはCMを入れず濡れ場やレイプシーンを入れていた、明石家さんまはこれを「10時跨ぎガール」と呼んでいた。。サブタイトルを視聴率獲得のための武器としており、「全裸」「人妻」など扇情的なフレーズが盛り込まれた長いサブタイトルを新聞欄に載せたり、予告映像にも濡れ場や扇情的なシーンを入れていた。数ある作品の中には、連続ドラマ化した作品(『家政婦は見た!』、『相棒』、『警視庁捜査ファイル さくら署の女たち』、『警視庁・捜査一課長』など)や、反対に連続ドラマから単発化(『赤かぶ検事奮戦記』、『法医学教室の事件ファイル』など)された作品も存在している。ABC制作の作品の中には、事件解決後の人々の場面が視聴者の想像に任せると言う体裁となる作品もある。2012年10月6日からは15分拡大され、21:00 - 23:06の放送へと変更した。ただ、前週の9月29日は編成上の都合はあるものの、21:00 - 23:06で放送されている。2016年3月26日をもって、単独番組としての本枠は終了となり、同年4月2日から単発特別番組新枠『土曜プライム』が開始されたが、『土曜ワイド劇場』はその一企画に降格となり、それ以外のドラマやバラエティーも放送する。なお、新枠でも本枠で見られた月1回の朝日放送制作による放送回が維持される。これにより、月1回ある朝日放送制作の週に必ずしも『土曜ワイド劇場』を放送するとは限らず、当該週に『土曜ワイド劇場』以外のラインナップを放送した月には同枠で『土曜ワイド劇場』の放送がある場合にはすべてテレビ朝日制作となる。番組制作はキー局であるテレビ朝日のほか朝日放送(ABC)も担当している。1979年4月から2時間枠に拡大すると同時に毎月1回はABCの制作となった。ABCの制作は原則月1回であるが、ごくまれに月2回制作の月や特番の影響で放送週のない月がある場合もある。なお、ABCの土曜ワイド劇場第1作は、1979年2月放送の『けっぱり先生、仰げば尊し』であり、同年4月には2010年2月まで約31年続いた藤田まこと主演の人気シリーズ『京都殺人案内』の第1作が放送された。ABCが1979年より土曜ワイド劇場の制作に携わるようになったのは、土曜ワイド劇場が90分枠だった時に、22:30 - 23:00枠に30分のバラエティー枠があったためである。また、ABCは腸捻転解消前のTBS系時代において、土曜22時枠で『必殺シリーズ』を制作していたことから、再度土曜夜のドラマ制作を熱望していたものと考えられる。なお、ABCがキー局制作のドラマ枠の一部作品を制作したケースとしては、腸捻転解消前の『東芝日曜劇場』がある。ABC制作の作品では、土地柄からか関西在住の俳優・女優・タレント・芸人が有名無名、役柄を問わずキャスティングされる事が多い。中でも同局のローカル番組の出演者が登場する事が多く、最近では、『おはよう朝日です』のレポーターを当時務めていた楳崎静香や『ごきげん!ブランニュ』のレギュラーであるメッセンジャーのあいはらも出演した。ABC制作の場合、共同制作会社の松竹作品は主に京都が舞台となり、それ以外の共同制作会社の作品は東京が舞台となる事が多い。(特に表記のない作品についてはすべて東映との共同制作)本編のオープニングでは原作者ごとに異なるオリジナルのテーマ曲が使用されており、1996年3月までは主要出演者と共にオープニング最後には、原作者・脚本家・音楽家・監督が画面に登場していた。オープニングに原作者などが登場するのはスタッフを大切にする井塚英夫チーフプロデューサーが決めたことだという。1996年4月からタイトルロゴが変更。2008年6月7日放送分より、地上波デジタル放送・ワンセグで番組連動データ放送を行っている。2009年7月18日よりABC制作分のみ副音声による解説放送を実施(解説者はABCアナウンサーの和沙哲郎だったが、和沙の定年退社後2015年4月担当回からは前塚厚士に交代した。)。再放送でもこれ以降の作品に限り適用される。翌2010年10月2日からテレ朝制作分でも解説放送を開始(解説者はテレビ朝日アナウンサーの野村真季。第1回は『西村京太郎トラベルミステリー・伊豆の海に消えた女』)。また、これ以前に制作された作品についても、字幕放送用字幕と副音声解説を付加した再放送版が一部作品で制作され、地方局などでの再放送時に放送されている。ジャンクションは長期に渡って5秒間だったが、2010年4月17日からは、直前番組『天才をつくる!ガリレオ脳研』の司会である城島茂と内田恭子が「『ガリレオ脳研』の後は!」と言ってから、今日の放送内容を説明する形(計15秒)に代わった。番組のスタート直前には20:58 - 21:00(実質は20:58.30 - 20:59の30秒間)にミニ番組として『今夜の土曜ワイド劇場』が全国向けに放送されている。1990年代半ばまでは21:00 - 21:02(実質は21:01まで)に放送されていた。さらにかつては『今夜の推理はコレダ!』というタイトルでスタジオから中里雅子(当時のテレビ朝日アナウンサー)がその日のこの番組の内容のさわり《見所》を紹介していた。2016年4月2日からは『今夜の土曜プライム』に改題され、この日開始の『土曜プライム』で『土曜ワイド劇場』以外を放送する際にも放送される。またこの日から放送枠と告知時間は変わらないものの、前CMが1分増えて正式開始時刻が20:59:30に変更され、そのままステブレレスで本編開始となる。エンディング後の次回予告について、2作品紹介される。通常は翌週と翌々週の作品で予告VTR(昔はフィルム)の前に「来週の土曜ワイド劇場は」「これからの土曜ワイド劇場は」の一枚画(CG)が出る。翌週が特別番組(ドラマ・時代劇スペシャルなど)の場合は「来週のこの時間は」となる。また翌々週が特別番組の場合なら3週間後に放送予定の作品が紹介され、特別番組の紹介はしない。ちなみに特別番組終了後には「来週の土曜ワイド劇場は」として翌週放送予定の作品のみ紹介される。2015年2月放送分より次回予告は番組本編中の中CM枠に移動されて、翌週以上の放送作品案内については番組ホームページとデータ放送のみに移行されて、番組内での紹介はなくなった(翌週が特別番組を放送するときは「来週のこの時間は」と字幕表示されて特別番組の紹介を行なっている(エンディング後はそのまま後クレが流れている)。開始当初から2003年3月までは60秒(一部90秒)のスポンサー6-7社程度が2時間を通して提供していたが、2003年4月以後はスポンサーを3チームの交代制に変更しており、うち、21時台は30秒スポンサーが10社程度、22時台は2チーム編成されており、それぞれに60秒スポンサー1社+30秒スポンサー2-5社程度が協賛している。この22時台のスポンサーについては週によって更に前半と後半とに分けて提供を行っている。なお30秒スポンサーについては、週によって21時台、22時台前半、22時台後半のいずれかに交代で提供する企業も数社ある。クロスネット局のテレビ宮崎(UMK、日本テレビ・フジテレビ系列とのトリプルネット局)では月曜21:02 - 22:52に『月曜ワイド劇場』のタイトルで放送されている。2012年9月までは2日遅れで新作を放送していたが、2012年10月の15分拡大に伴い、それでもABC制作分は必ず新作を放送していたが、2013年以降、短縮版扱いで21:02 - 22:52に放送するようになった。また、テレ朝制作分の新作は月1〜2回程度で、これら以外の週は2010年10月以降の放送分をABC制作分を除いて順に再放送している。クロスネット時代の青森放送では、『24時間テレビ 愛は地球を救う』内で「24時間テレビナイター」を放送していた時のみ延長オプションを行使(通常は20時54分で飛び降り)し、マストバイ局と同じ編成を採ったため、この時間帯の放送番組を14時(年によっては30分の番組を挟み14時30分)から先行放送していた。その為、この時のみ土曜サスペンス劇場(火曜サスペンス劇場の4日遅れ放送)と連続でサスペンスものが視聴できた。テレビ朝日系列局がない地域でも、山陰中央テレビ(TSK、フジテレビ系列)では2年〜10ヶ月遅れで日曜13:00 - 14:55に『TSKワイド劇場』のタイトルで放送されているが、2014年以降、作品によっては山陰放送(BSS、TBS系列)での放送となる例がある。また、最近では不定期扱いで福井テレビ(FTB、フジテレビ系列)や高知放送(RKC、日本テレビ系列)でも放送されている。長年に渡って放送された膨大な作品は、全国的に午後などの再放送枠やCS放送のテレ朝チャンネルでよく放送されている。放送20年目に入った1996年7月6日放送分より、このタイアップ曲によるエンディングテーマが使われる様になった(これと同時に音声もモノラルからステレオ放送になる)。これ以前は作品に因んだ曲や専用のBGMがエンディングテーマとして使われていた。現在も稀にこの従来通りの選曲を行うパターン(代表例:『家政婦は見た!』)やエンドロール中盤まで作品専用のエンディングテーマを流してからフェードインする形で固定のエンディングテーマを流すパターン(代表例:『京都殺人案内』)もある。開始当初から1979年頃までの作品に登場する劇用車は、ダイハツがスポンサーだったため、ダイハツ製のシャルマン・シャレードや、グループ企業であるトヨタ自動車製のクラウンやマークⅡなどの車輌が主に使用されていた。ダイハツが1979年頃にスポンサーを降板し、新たにマツダが、スポンサーになった為、劇用車もほぼマツダ製のルーチェ・コスモ・カペラ・RX-7などになっていた。1987年にマツダがスポンサーを降板し、この年からは自動車メーカーのスポンサーが付かなくなったため、トヨタや日産など様々なメーカーの車両が使われる様になる。もっともほとんどの作品はトヨタと日産が半々の割合で劇中に登場している。最近では、ゼロクラウンかマークX、カローラアクシオ、フーガなど最新車種が覆面パトカーまたは主人公の愛車として使用されるケースが多く、沖縄ロケの場合は覆面パトカーがニッポンレンタカーの2000cc車両を使用していた場合があった。また様々な作品における北海道ロケでは白黒パトカーに7代目E100#系カローラ(ホイールは黒)が頻繁に登場している(このカローラは連続ドラマにおける北海道ロケでも頻繁に登場している)。稀にホンダやスバルの車両も登場しているが、登場回数は低い。その後スズキがスポンサーに入っていたが、あまり作中に登場する事はなかった。ちなみに三菱自動車が車両提供され、エンディング時にクレジット表記された作品(『法医学教室の事件ファイルシリーズ』や『車椅子の弁護士・水島威』シリーズ)もある。2008年頃から登場車両すべてにおいて会社固有のエンブレムを隠しオリジナルのエンブレムに変える(または車両と同じ色のテープで隠す)処理をしている。かつては前週はトヨタがメインで登場して日産車がエンブレムを隠され、次週の作品は逆に日産車がメインで登場してトヨタ車がエンブレムを隠されたりという現象が見受けられた。スズキがスポンサーを降板して以降、特定の自動車メーカーのスポンサーは入っていない。
出典:wikipedia
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