『ブラックホーク・ダウン』("Black Hawk Down")は、2001年のアメリカの戦争映画。監督はリドリー・スコット、プロデューサーはジェリー・ブラッカイマー、主演はジョシュ・ハートネット。実際にソマリアでおこった壮烈な「モガディシュの戦闘」(米軍を中心とする多国籍軍とゲリラとの市街戦)を描いている。作品には、劇場公開版と、これに7分半の映像を加えた完全版「スペシャル・エクステンデッド・カット」がある。「ブラックホーク」とは、米軍の汎用ヘリコプターUH-60 ブラックホークの強襲型、「MH-60L ブラックホーク」の事である。キャッチコピーは「あなたはこの戦争に言葉を失う。しかし、知るべき時が来た。」本作は、ソマリア内戦への超大国による介入とその失敗を描いたノンフィクション小説『ブラックホーク・ダウン アメリカ最強特殊部隊の戦闘記録』(マーク・ボウデン著、日本版は伏見威蕃訳・早川書房刊)を映画化したものである。1993年、国際世論におされた米軍は、民族紛争の続くソマリアへ派兵。内戦を終結させようと、最大勢力ババルギディル族を率いて和平に反対するアイディード将軍の副官2名を捕らえるため、約100名の特殊部隊を首都モガディシュへ強襲させた。当初、作戦は1時間足らずで終了するはずだったが、作戦の開始直後にアイディード将軍派の民兵の放ったRPG-7により、第160特殊作戦航空連隊に所属する2機のUH-60 ブラックホークが撃墜されてしまう。敵地の中心へ仲間たちの救出に向かう兵士らは、泥沼の市街戦に突入していく。映画化に際し、原作者のマーク・ボウデン本人が脚本に参加。登場人物のカットや、複数の登場人物の要素を一人の映画キャラクターの要素に詰め込むなど多すぎる登場人物の整理が行われた。後日談なども大幅にカットされている。撮影は、実際のモガディシュがいまだ政情不安のため、地形の似たモロッコで実施された。主人公エヴァーズマン二等軍曹のモデルとなったマット・エヴァーズマン退役曹長は、ロケーションを見学してモガディシュの戦闘を思い出し、足のすくむ思いをしたという。映画的な誇張が散見されるものの、基本的にはリアリティを求めた映像作りがなされている。近年の映画同様、本作でもCGが多用されているが、あくまでも撮影技術の限界を解決するためだけに用いられている。たとえば、エヴァーズマンとブラックバーンがダウンウォッシュの砂煙に包まれるシーンでは、実際の砂煙に包まれると撮影が困難であるため、砂はCGで合成された。ブラックホークが墜落するシーンは当初、実物大模型での撮影が試みられたものの、重量感が不足したために、本物とCGで創り直された。このCGを作成する際、実際にSH-3 シーキングが墜落したときの記録映像が参考にされ、モデリングされた。1993年に実際にこの作戦に従事して無事帰還したアーロン・A・ウィーバーというレンジャー隊員が居る。彼は補給任務に就いていたので原作の作戦参加将兵リストに記載されていないが、ブラックホーク墜落の報を受け現場へ救出に向かっている。映画の終盤でデルタ隊員にコーヒーを手渡す役という形でカメオ出演した。彼は、2004年のイラクのファルージャにおいて、ヘリでの移動中に撃墜されて死亡した。元隊員達によるDVDオーディオコメンタリーによると、他にも元隊員のカメオ出演がある。「ディトマソ」と無線で呼ばれるチョーク班長、墜落現場へ急行するMH-6 リトルバード「スター41」のパイロット、再び出撃するストルッカー軍曹の車両隊に飛び乗る眼鏡をかけた隊員などである。ラストで敵対地域を脱出し、停戦ライン(グリーン・ライン)を通り抜けて親米地域に入った米兵たちが住民の歓待を受けるシーンは、モノクロでスローモーションがかかり、まるで米兵たちの夢想であるかのような演出がなされるが、オーディオコメンタリーでは史実であったと述べられている。登場する兵士のモデルになったアメリカ陸軍兵士ジョン・ステビンズ(36)は、2000年6月、12歳未満の少女(6歳の実の娘)を強姦した罪で懲役30年を言い渡され服役となったが、軍はこの事実を隠すため原作者マーク・ボウデンにキャラクター名を変えるように圧力を掛けていた。その結果、役名が「ジョン・グライムズ」と変わっている。
出典:wikipedia
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