『未来戦隊タイムレンジャー』(みらいせんたいタイムレンジャー)は、2000年(平成12年)2月13日から2001年(平成13年)2月11日まで、テレビ朝日系列で毎週日曜7:30 - 8:00(JST)に全51話が放映された東映制作の特撮テレビドラマ、および作中で主人公たちが変身するヒーローの名称。シリーズの放映25周年を記念して、本作品よりシリーズ名が正式に「スーパー戦隊シリーズ」とされ、オープニング冒頭にも新規にデザインされたシリーズのロゴが表示されるようになった。「未来戦隊」というタイトル名は1982年放送の『大戦隊ゴーグルファイブ』にて、仮タイトルとして用いられていたものを再起用したものであるが、作中でこの名前が使われたことはない(後述)。本作品のテーマとして取り上げられたのは「時間」であり、スーツや武器のデザイン、必殺技の演出なども、その要素が多分に取り入れられたものとなっている。千年紀の変わり目に当たる、西暦2000年の戦隊で時間をテーマとすることはその数年前より決定しており、実際に関係者からは「ミレニアム戦隊」とも呼ばれていた。「時間」をテーマにしているため、本作品では時系列が明確に設定されており、本編最後、「つづく」などの表示の代わりに、その回の出来事が起こった日付が表示される。他方でメインターゲットであると同時に、過去という観念がほとんどない幼年層には「時間」というテーマが非常に分かりにくいことから、本作品では1年という長期にわたる放送期間を考慮して、タイムパラドックス的な展開を避けると同時に、物語の舞台を基本的に現代に置き、「未来」というものをあくまで「戦士たちの故郷」という程度の捉え方でも楽しめるような構成が心がけられた。また本作品におけるヒーローの定義が「未来から来た戦士」であり、新たな仲間を設定しにくいということから、本作品の「6人目の戦士」に当たるタイムファイヤーは敵でも味方でもない、第三勢力的な存在として設定されている。従来より高年齢層も視野に入れた作品作りがなされているのも本作品の特徴の一つであり、メインライターを務めた小林靖子による、浅見竜也とユウリ、ドモンと森山ホナミの恋愛模様などを織り込んだストーリーなどにも、それが色濃く表れている。また、ユウリを始めとした強い女性像の提示なども、大きな特徴である。高年齢層を視野に入れるという方向性は主題歌にも強く表れており、スーパー戦隊シリーズとしては初の女性歌手単独による歌唱、ゴスペルやプログレッシブ・ロックなどの要素が多分に盛り込まれるなど、シリーズ中では異色の一曲となっている。しかし、英語交じりの歌詞が難解であるという意見が寄せられ、後述の通り一時期はOPに歌詞が字幕表示されたこともあった。また、キャスト表示が数回変更されており、当初は「画面左右から入ってくる役名が画面中央で合体して、俳優名の表示となる」と凝ったものだったが、役名表示が瞬間的で分かりづらかったことから、同様に途中から役名、俳優名を併記する一般的な表示に変更されている。特筆すべき点として、タイムレンジャーの目的は、(歴代の「怪人」に相当する)囚人を「処刑する」ことではなく、「逮捕する」ことにある。そのため、一度も敵を殺していないという、極めて珍しいケースとなっている。技術面ではそれまで総集編のOP・EDを除き、フィルム仕上げであったテロップ入れや編集などのポストプロダクションが、本作品からビデオ仕上げへと移行した。次作『百獣戦隊ガオレンジャー』をもって、スーパー戦隊シリーズが25作目を迎えることから、本作品では放映リスト上の最終回である第51話は『未来戦隊タイムレンジャースペシャル スーパー戦隊大集合』と銘打った特別編として制作された。内容は5人とタックがタイムジェットに乗り、『秘密戦隊ゴレンジャー』から『救急戦隊ゴーゴーファイブ』までの戦隊を振り返るというもので、番組のラストには変身後の姿のみではあるが、ガオレンジャーが登場し名乗りを披露し、タイムレンジャーからガオレンジャーへ正式にバトンタッチする一幕も盛り込まれた。他のシリーズ作品と比較して無理のない人間ドラマやSF性により、前述の通り従来よりもターゲットとして重きを置いていた高年齢層の人気を獲得し、「ミレニアム」にふさわしい記憶に残る作品となった。一方、本来のターゲットである児童層への商業的なアピールは芳しくなく、総売上は64億円、内玩具売上42億円と前年比60%程度の不振だった。時は西暦3000年。タイムワープ技術が確立・実用化されたのはわずか10年程前であるが、既に宇宙航行と異星への交流は日常化している。その平和な「今」を守るべく設立された、不法な歴史修正などを監視する公的機関「時間保護局」。ここに一つの警報が鳴り響く。それは1000年の圧縮冷凍刑を受ける予定の大物マフィアであるドン・ドルネロが、自身の配下ごと日本へ逃亡したというものだった。時間保護局の特殊部隊「タイムレンジャー」隊長のリュウヤはユウリら4人の新人隊員とともに逮捕に向かうが、これはドルネロ一味の策略であり、リュウヤはドルネロの情婦であるリラが変装した偽者。彼らはドルネロが収容されたロンダー刑務所ごと、時間保護局の船と一緒に西暦2000年の日本へと逃亡してしまった。船から放り出され、西暦2000年の日本に到着したユウリたち。意気消沈する彼らの前に現れたのは、リュウヤに瓜二つの容姿を持つ20世紀人の浅見竜也。ユウリたちは圧縮冷凍を解除されて暴れる刑務所の服役囚たちを鎮圧すべく、唯一残った緊急時用の強化服システムを着用=変身しようとするが、着装システム「クロノチェンジャー」は時間保護局の1チーム規定人数である5人がいなければ初起動できない、という制約がかけられていた。本来ならリュウヤを含めての構成であったため、困った彼らは竜也を半ば強引にメンバーにして変身を遂げ、1人目の囚人の収容に成功。成り行きでタイムレッドになった竜也であったが、「自分の運命は自分で決める」という固い意思の下でタイムレンジャーへの加入を決める。一方、ユウリたちは時間保護局本部と連絡することに成功するが、本部からはドルネロの逃走によって生じた歴史の歪みを拡大しないため、ドルネロと彼によって「ロンダーズファミリー」と名づけられた服役囚たちを全員逮捕するまで、20世紀に留まるように厳命されてしまう。ユウリたち4人は竜也とともに2000年の現代で暮らしながら、ロンダーズ構成員達の犯罪の阻止と逮捕に取り組むこととなる……。タイムレンジャーとは30世紀の時間保護局員たち、および彼らの緊急戦闘モードの総称である。5人が劇中で未来戦隊と名乗ったことは一度もない。普段は自分たちが設立した便利屋トゥモローリサーチで自分たちの能力にあった職業を営んでいる。レッド(竜也)のみ現代人で、他の4人は時間保護局新人隊員の未来人。名乗りの際はタイムエンブレムを掲げ、最後に1名が「時間保護法違反により逮捕する!」(シオンの場合は敬語に変化)と宣言する。名乗りはコードネーム(2人以降は色名のみ)と「タイムレンジャー」のみと比較的シンプルな形である。30世紀から20世紀の地球に逃亡してきた、ドン・ドルネロを首領とするマフィア。タイムワープの際に利用したロンダー刑務所を本拠としており、刑務所内の圧縮冷凍された囚人たちを解凍して配下にしている。組織名もこの刑務所にちなんでギエンとリラが名づけたものである。従来のシリーズの敵の組織・悪の組織と大きく異なる点として「世界征服」や「人類抹殺」ではなく「金儲け」を目的とした犯罪組織であることが挙げられる。囚人が逮捕されても利益が出ることがある。場合によっては金儲けの障碍となるタイムレンジャーの抹殺を目的として、囚人を解凍する場合もある。そうした目的とは別に、幹部のギエンが暴走し大量殺戮を行なうことがある。歴代のシリーズ同様、ドルネロはもちろんのこと、組織を構成する囚人の大半が異星人のため、異形の姿をした者が多い。そのため、事情を知らない現代人やシティガーディアンズから『人間』ではなく、凶暴なモンスターとして見られている他、巨大メカも含め『(巨大)ロンダーズ』と呼ばれると言った描写があった。組織の名称は「マネーロンダリング(資金洗浄)」から、幹部たちの名前は「ドル」「円」「リラ」など、貨幣の単位から付けられている。クロノチェンジャーから取り出される重火器で、メンバー毎にその形状は大きく異なる。2人のボルユニットで同時に攻撃するダブル シュートという技もあり、一度だけグリーンとピンクが使用。状況に応じて出力レベルを調整できるとされており、それぞれ単体でも最大出力で囚人たちを射殺できることが劇中でも言及されているが、タイムレンジャーの任務が囚人の再逮捕・圧縮冷凍であるため、その目的で使われることはない。30世紀からタイムゲートを通じて現代へ送り込まれる5機の超時空戦闘マシン。基本的に東京ドームの天井が時間移動の出入口になっているが、初登場のCase File 2と『タイムレンジャーVSゴーゴーファイブ』では観覧車を出入り口として出現したこともある。タイムジェットは合体コード「3Dフォーメーション・○○(合体形態名)!」の呼称により、下記3形態のいずれかに合体可能。また、各形態から「チェンジフォーメーション・○○(合体形態名)!」の呼称により、別形態に変形することも可能。各形態の操縦は集合コクピットでタイムレンジャー各人がそれぞれの起動スティックを握り、そこから各人の意志を伝える形で行われる。戦闘が終了すると強制的に合体が解除され(この時、タイムレンジャーは強引に地上へと投げ出される)、タイムジェットはすぐさま30世紀へと帰還していく。タイムロボとタイムシャドウがデルタフォーメーション・○○(合体形態名)により合体した超巨大ロボ。タイムロボを核に、ボディを展開したシャドウが強化外骨格「エクソ・スケルトン」となり、両足部・背部・胸部を覆うように合体した後、頭部に出現したバイザーを装着することで完成する。シリーズでも珍しい、2号ロボがパーツを分離せずに合体可能なロボである。専用武器として、大剣形のソードモードとライフル形のバスターモードの2モードに変形可能な遠近両用武器プロディバイダーを使用する。同武器は合体時にタイムジェットと同じ要領でプロバイダスから送り出される。時空剣同様、コクピット内のタイムレッドの起動スティックは必殺技発動時にプロディバイダーと同じ形状に変化する。物語の展開上、タイムシャドウおよびデルタフォーメーションの各形態は終盤での出番が少なく、最終決戦でも登場していない。Case File 28から登場。時間保護局が高密度のλ2000を組み込んで製作したTレックス型巨大生体メカ。タイムファイヤーの持つブイコマンダーからの音声入力によって、コントロールされる。元は西暦2994年の時間移動実験に失敗して時空を彷徨っていたが、時空パルスの裂け目に興味を持ったギエンの手で西暦2000年の時代に出現。このブイレックスを巡って、タイムレンジャー、ギエン、直人による争奪戦が繰り広げられた。Case File 31において、タイムファイヤーこと直人の手に渡り、彼が属するシティガーディアンズの所属機となった。Case File 49で直人が死亡した後は、ブイコマンダーを譲り受けた竜也が操縦した。尻尾や牙による格闘戦に加え、毎秒20発のエネルギー光弾を放つ両肩のレーザー砲レックスレーザーも使用。自己修復機能も有するが、それを行うと、24時間機能停止してしまう。タイムロボαを背に乗せての連携攻撃も展開。必殺技はレックスレーザーと頭頂部に立ったタイムファイヤーのディフェンダーガンを最大出力で同時に放つマックスバーニング。ネオ・クライシス戦では、ディフェンダーガンのエネルギーでλ2000をζ3に変換。それにより、ブイレックスは動けなくなったが、時空は無害にもなり、その状態からマックスバーニングを放ち、ネオ・クライシスを操縦するギエンのλ2000を消滅させた。数値は特記のない限り『未来戦隊タイムレンジャー超全集』に基づく。竜也の父・渡が会長を務める大型企業団体で、先代(竜也の祖父)が一代で築き上げた、日本でもトップクラスの有名企業。神奈川県川崎市にある第三総合研究所によるλ2000とライメイの開発や、シティガーディアンズの発足など、意欲的に社会に貢献している。30世紀の世界で、世間から隔絶された大海原の海上に建っているとされるタワー状の刑務所。出自も罪状も様々な数多くの凶悪犯達が、所内の特殊な装置によって圧縮冷凍され収監されている。所内には所長をはじめ、時間保護局と同様の武装係員や警備ロボットが勤めていたが、ドルネロとギエンによって最上階をジャックされ、彼らの陰謀で、最上階がプロバイダーベースへとテレポートし、ユウリ達が乗り込んだイグレックと共に、20世紀へとタイムスリップしてしまった。以降はこの刑務所の最上階が所在地不明の森の中に傾いた状態で置かれ、そのままドルネロたちのアジトとなった。前作より引き続き参加の小林靖子がメインライターとして再び起用され、自身が以前に手掛けた『ギンガマン』よりも、さらに大人向けのドラマ世界を構築。作品後半はほぼ一人でシナリオを執筆している。この他やはり前作より続投の山口亮太、そしてスーパー戦隊シリーズには久々の参加となる井上敏樹が、物語前半から中盤にかけて脇を固める格好となった。パイロット演出は日笠淳プロデューサーと親密な諸田敏が担当。長らく助監督としてスーパー戦隊シリーズに従事した諸田だが、これが自身にとって初のパイロット&メイン監督であり、同時に年間を通して最多演出を果たした。また平成仮面ライダーシリーズに移動した長石多可男と渡辺勝也に代わり、坂本太郎と松井昇が復帰するなど、前作から監督ローテーションは大きく変化している。この他、後にスーパー戦隊シリーズにて演出陣の主力を担うこととなる中澤祥次郎も、本作品にてデビューを果たしている。劇伴音楽は『激走戦隊カーレンジャー』より挿入歌の作編曲などで携わってきた亀山耕一郎を初めて起用。キャラクターデザインには過去のシリーズ作品にも度々携わってきた原田吉朗が初めて年間通してメインで参加、この他森木靖泰や阿部統もヘルプ的な形で名を連ねている。全編通して、話数のカウントは「Case File」で統一。先述の通り、第51話は歴代スーパー戦隊を振り返る特別編のため、第50話が本編の最終回に当たる。特番などによる放送休止は以下の通り。各作品における詳細はそれぞれの項目を参照。2015年11月現在までに、以下の専門局・動画配信サービスにて本作品の放送・配信が行われた。2000年4月に放送されたナインティナイン司会の特番「ナインティナインだ!! 新番組をやらせろSP」(2000年4月6日放送)内にて登場した、岡村隆史扮するタイムレンジャーそっくりのヒーロー。胸に「オカ」の文字が書かれ、また腰に装備した秘密兵器「オカムユンケル」を飲むと動きが俊敏になるヒーローとして描かれた。オカムレンジャーの変身シーンはタイムレンジャー本編のパロディとなっており、本作品と同様に特撮研究所が製作を担当したため、非常に良く似た演出になっている。タイトルロゴも、タイムレンジャーのロゴデザインのパロディとなっている。特番の内容は、当時同局で放送されていた各番組に殴り込み、番組を賭けた対決を挑むというものであり、番組中ではオカムレンジャーがタイムレンジャーに体操対決を挑むが、圧倒的な差で敗北。途中から乱入した、マッドブラストとゼニットに襲われたところを、タイムレンジャーに救われるといった内容だった。タイムレンジャーは、シオン役の倉貫が学業の期末テストで出演できず、タイムグリーンは変身後のみ登場する。オカムレンジャーは「ナインティナインだ!! 新番組をやらせろSP-2」(2000年10月12日放送)にも登場しており、オカムレンジャーと矢部浩之が変身する矢部んライダークウガがココリコの扮する伝説のヒーロー戦士タナカイダーとクレヨンしょうちゃんと対決を行なっている。初登場の時に比べ、マスクののぞき穴の部分が大きくなっている。
出典:wikipedia
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