『北条時宗』(ほうじょうときむね)は、2001年1月7日から12月9日にNHKで放送された第40作目の大河ドラマ。全49回。12月16日・23日に総集編が放送された。鎌倉時代中期、北条氏嫡流得宗家に生まれた若き執権・北条時宗を主人公に、宝治合戦や二月騒動といった幕府内部の抗争および蒙古襲来を国際的スケールで描く。原作は高橋克彦の『時宗』であり、『炎立つ』(1993年~1994年)と同様に脚本と並行して執筆した。主役の和泉元彌は大河ドラマ初出演で、脚本担当の井上由美子も大河ドラマ初執筆。ストーリーは原作と異なっている。鎌倉時代中期を舞台とした作品は大河ドラマ史上初めてで、現在も本作以外に存在しない。 『太平記』(1991年放送)とは近時代であり、作中でも幼少期の北条高時や足利尊氏を登場させるなど、それを強調する演出もなされた。また、時宗の母・涼子(葛西殿)については毛利季光の娘という説が採用され、これに関連する形で毛利家が相模の本領を失って安芸に追われる原因となった宝治合戦の顛末を描いている。この作品までの大河ドラマでは未踏の時代を取り上げ、元寇を題材に西洋人の貿易商人や高麗使節、イスラム教徒の宰相、蒙古皇帝クビライ・カアンまでが登場する世界スケールの構想となり、中国やモンゴルでの海外ロケも行われた。ご当地となる福岡市早良区のシーサイドももち公園内には、謝国明館・少弐氏館・唐人街など中世の博多を再現した中世博多展示会場が設けられ、オープンロケが行われ、同年には「中世博多展」が開催された。一方の鎌倉市街の様子は、横浜市青葉区の緑山スタジオ・シティの屋外スタジオにおいて中世の鎌倉市街を再現して撮影された。主役の和泉元彌は伝統芸能界からでは『元禄繚乱』の中村勘九郎(のちの十八代目勘三郎)からわずか2年後の大河主人公役抜擢であり、能・狂言界から初めて。また本作の前年、2000年のNHK紅白歌合戦の白組司会を務めた。北条時頼役の渡辺謙は1987年『独眼竜政宗』、1993~1994年の『炎立つ』以来の出演で、急性骨髄性白血病の長期療養からの復帰後第一作目となった。また、『独眼竜政宗』で伊達政宗の父伊達輝宗を演じた、謝国明役の北大路欣也との共演となった。初回放送の「鎌倉大激震」での蒙古の大船団、後半放送の「蒙古襲来」「弘安の役」での蒙古の大群の上陸の様子など、デジタル合成やコンピューターグラフィックスを駆使し、スケールの大きな迫力ある映像で再現。前作『葵 徳川三代』に続く2度目の全編ハイビジョン作品となる。平均視聴率は18.5%、最高視聴率は21.2%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ)。オープニングのテーマ曲で流れるモンゴル民謡オルティンドーの歌い手ノロヴバンザドの歌声と、番組最後の紀行コーナーで流れる曲「蒼風」(正式バージョンとテレビバージョンがある)は、山下洋輔の演奏である。また全編3DCGで描かれたオープニングは、モンゴルの原野から大海原、そして宇宙にまで飛び火する壮大なストーリーが描かれており、歴代大河のオープニングの中では最もダイナミックな構成となっている。これは、主人公・時宗が夢の中でまだ見ぬ広大な大陸に思いを馳せる、というアイデアから生まれたものである(ただし、時宗存命時には存在しない建造物も登場する)。なお冒頭の「北条時宗」を表す題字とともに、無数にうごめいている文字は、クビライの生涯の中で戦ってきたライバル達の名前である。また、「北条時宗」の文字もモンゴル文字風の字体デザインになっている参考・NHKオンデマンド。ドラマの内容にあわせて映像の細かい部分を回毎に変化させていったこともそれまでの大河ドラマのオープニングにはない試みであった。2016年現在、総集編(前後編形式、ともに99分)しか商品化されておらず、通常放送回が映像ソフト化される見通しは今のところ立っていない。総集編のみが公開されている作品としては、唯一のハイビジョン製作の作品である(封印状態にある2003年の『武蔵 MUSASHI』を除く)。その一方で、番組公開ライブラリーとNHKオンデマンドではその総集編が公開されている。本作は大河ドラマとして初めて副音声解説がついた作品であり、この解説は総集編DVDでも聞くことができる。相次ぐ飢饉で人々が飢え苦しみ、社会が混乱の様を呈していた鎌倉中期。鎌倉幕府第5代執権・北条時頼の嫡子として得宗家に生を受けた時宗は、幼少時には父・時頼から多大な影響を受け、博多商人謝国明や松浦党の娘桐子らと出合い国際的視野を広めるが、異母兄である時輔とは確執が生じていた。やがて時宗は第8代執権に就任し、時輔や幕府内の反得宗勢力との争いなど相次ぐ苦難に翻弄される。また、海の向こうでは元朝の初代皇帝クビライ・カアンが世界征服を進めており、時宗は若くして蒙古襲来(元寇)という国難に直面し、世の平安を模索していく。
出典:wikipedia
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