補助翼 (ほじょよく、) とは飛行機をバンク(横転、ロール)させるのに使う動翼である。エルロンと表記することも多い。左右の主翼後縁の外側に取り付けられており、補助翼は機体の前後軸を中心とした回転運動を制御する。主翼と尾翼を備えた一般的な形状の飛行機では、主翼の後縁の外側に取付けられており、飛行機のロー軸周りのローリング飛行を行う際や旋回飛行を行う際に使用される。飛行機が機体を右に傾けたい場合には、以下の操作により行う。旋回飛行では、旋回の際に一定の旋回半径を保っていかなければならないため、右に旋回飛行をしたい場合には、以下の操作により行う。旋回飛行には、求心力と遠心力とが釣合って、高度と旋回半径が変わらない旋回する定常旋回、求心力より遠心力が大きくなり、外側に滑りながら旋回する外滑り旋回、遠心力より求心力が大きくなり、内側に滑りながら旋回する内滑り旋回がある。定常旋回の際に機体に掛かる力の釣り合いの図を使用して説明すると、機体が旋回のため傾いた場合、揚力の鉛直分力Lcosθと揚力の水平分力Lsinθが発生する。その後に方向舵(ラダー)を操作してヨー軸周りの旋回を行なうが、もし方向舵の操作を行なわないと、傾いた側に横滑り(スリップする、スベるなどと称する)を起こす。傾きによるスリップをうまく方向舵の操作で打ち消すと、揚力の鉛直分力Lcosθと重力W、揚力の水平分力(求心力)Lsinθと遠心力Fが共に釣り合う。旋回飛行時には、遠心力が発生するため、機体に加速度が加わっており、その程度を表すものとして荷重倍数を用いている。荷重倍数は傾きの角度に比例して大きくなるため、搭乗者にとっては重力が増加したようにしか感じられず、横向きの力(遠心力)などは感じない(ただし傾きが深くなるとこの垂直Gの増加は著しく増え、60度バンクでは2G = 地上などで安静時の2倍)。また、傾きにより機体の揚力が減少するため、旋回飛行時の失速速度は、水平飛行時よりも大きく、通常の水平旋回では、それを補うために機首上げ(ピッチ軸周りに機首上方向回転)およびパワー増加操作を行なうと、sin(バンク角)×sin(ピッチ角)だけのヨー軸周り右旋回のモーメントが発生する。一般的に補助翼は独立した動翼だが、一部の飛行機では他の動翼の役割を兼ねているものがある。前二者は元になる2種類の動翼が同じ場所にあるため兼用とされたものだが、後二者は後述する操縦性の問題を解消するために採用される。操縦桿が機械的にリンクされている機種では操作に必要な力を軽減させるため、補助翼の下部に『スペード』と呼ばれる三角形の小さな翼を取り付けることがある。操作量は多くなるが軽量化のため動翼と操縦桿を鋼索でリンクさせる曲技飛行機に採用されている。バンク時、補助翼を操作した時の空気抵抗により、旋回したい向きとは逆に機首が振られる現象である。上記の左バンクの例では、左翼では、補助翼が上がり揚力が減少し、反対側の右翼では、補助翼が下がり揚力が増加して、機体を左側に傾かせるが、補助翼の作動角度が同じでも、補助翼の下げ側の方が上げ側より空気抵抗が大きく、それにより、機首は傾いた方向とは逆の方向に振られるヨーが発生する。これをアドバース・ヨーと呼ばれており、この現象を解決するためには、補助翼の作動範囲を、上げ側を大きくし、下げ側を小さくする差動機構を操縦系統に組込んで、左右の補助翼を作動させた場合の空気抵抗を同じにするか、または、主翼上面にあるスポイエロンを使用して、右のスポイラーだけを展開することにより右翼の揚力減少で右バンクすると同時に右翼の抗力増大で旋回側へのヨーを発生させることができる。補助翼の操作によって主翼がねじれてしまい、結果として意図した方向とは逆に機体がバンク(ロール)してしまう現象のこと。薄くて細長い主翼を持った機体が高速で飛行した場合に起こりやすいとされる。大型高速機では主翼の内側に補助翼を用意したり、テイルロンやスポイエロンを装備するなどの対策をとる機体が多い。主翼に後退角を与えることによっても緩和できるが、この目的で後退角を与える事例は少ない。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。