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水平対向エンジン

水平対向エンジン(すいへいたいこうエンジン、Horizontally-opposed cylinder engine)とは、レシプロエンジンの形式の一つで、1本のクランクシャフトをはさんでシリンダーを左右に水平に配置し、対になるピストン同士が必ず向かい合うように下降か上昇するエンジンである。気筒配置や外形の似たエンジンとして180°V型エンジンがあり(詳細は後述)、広義にはこれを水平対向エンジンに含む場合がある。なお外観からこれら2形式を識別することは、極めて困難である。以下本項では、「水平対向エンジン」と「180°V型エンジン」とを区別して呼び、これらの総称としては「フラットエンジン(Flat engine)」と呼ぶ。1896年、ベンツ社(現ダイムラー社)の創業者カール・ベンツが水平対向エンジンを発明した。水平対向エンジンでは、対になる気筒(シリンダー)間のクランクシャフト位相角は180°(クランクピンが対称の位置)とし、ピストンとコネクティングロッドを軸対称的に動作させ、対の気筒同士が振動を打ち消しあう。この低振動であることと、軸方向が短く上下に薄く幅広い外形とが、直列型などの他形式エンジンに対する水平対向エンジンの特徴である。水平対向エンジンの左右対称なピストンの動きがボクシング選手のグローブを打ち合わせる様子に似ることから、ボクサーエンジン(Boxer engine)とも呼ばれる。また、2本のクランクシャフトの間で1シリンダー内のピストン2個が対向する「対向ピストンエンジン」と区別するため、対向シリンダーエンジンとも呼ばれる。日本語の「水平対向エンジンおよび180°V型エンジンの総称」に対応するアメリカでの呼称は「flat engine」(平らなエンジン)である。富士重工業(スバル)では水平対向エンジンの英訳として、レオーネを含みそれ以前のエンジンについては「FLAT-4」であった。その後、レガシィ以降は「flat engine」というアメリカ英語を採用している。2つのシリンダーで一対となるため、偶数気筒数のみとなる。外観上は区別をつけづらいものの、実際には内部構造(クランク・シリンダー形式)の点から「水平対向エンジン」と「180°V型エンジン」とは別のものである。具体的には、水平対向が左右のバンクで対をなすシリンダー間で位相を180°ずらしたクランクシャフトを採用するのに対し、180°V型では左右シリンダーにおけるクランクピンが共通(同位相)である。180°V型エンジンでは水平対向と異なり、振動を対向シリンダーの間で相殺することができないため、片側バンクのみで1次振動・偶力振動を相殺できる8気筒(片バンク4気筒)以上の気筒数でなければ、激しい振動が発生する。また、気筒数によっては等間隔燃焼にならない。ただし2次振動に関しては対向シリンダー間で相殺されるので、90°V型エンジンと8気筒同士で比較すると、振動特性がクロスプレーンと同等でありながらバランスウェイトが不要であるメリットがある。8気筒での採用例もあるが、特に全長が長くなりがちな12気筒エンジンでは、片側バンクのみで一次振動・二次振動・偶力振動ともバランスするので180°V型が容易に採用でき、クランクシャフトを水平対向よりも短縮してエンジン全長を切り詰める事が可能なため、圧倒的に採用例が多い。自動車への採用例としてはフェラーリの180°V型12気筒モデル(フェラーリ・テスタロッサなど)が知られている。レーシングカー用のメルセデス・ベンツ・M291エンジンや、スバルとモトーリ・モデルニが水平対向12気筒エンジンに続き共同開発したエンジン、鉄道車両用のDML30系エンジンなども、180°V型12気筒エンジンである。水平対向4気筒の場合、クランクシャフトを支えるベアリング数はいくつかバリエーションがある。かつてのフォルクスワーゲン・タイプ1の例ではベアリングは両端と中央の3つであった。スバルでも過去の機種EAエンジンは3ベアリングであった。スバルのEJエンジンは直列4気筒と同じくベアリングは5つである。ちなみにより一般的な直列4気筒エンジンの場合は、両端と各気筒の間の合計5つという例が多い。またV型4気筒の場合は、両端と中間の合計3つである。かつてのF1カー フェラーリ・312Bに搭載された180°V型12気筒エンジンでは、ベアリングは両端の2つと片バンク2気筒に付き1つの合計4つであった。フラットエンジンの低全高、広全幅という形状は四輪車には基本的に好ましい。四輪車では、エンジンルームは高さが極力抑えるべきものであるのに対し、幅に関してはトレッド(車輪左右間隔)やキャビン(乗員空間)の確保のために、エンジン幅にかかわりなくある程度大きく取ることになる。つまり四輪車のエンジンルームの空間は、フラットエンジンにより有効活用できる。特に、高回転型の縦置き多気筒エンジンが、低く幅広なボディに搭載されることの多いスポーツカーにおいては、水平対向エンジンのメリットは大きい。高回転型のエンジンは自ずとショートストローク型となり、高回転域を多用することから振動特性の良さが求められるからである。また低く幅広なボディは、低全高・広全幅の水平対向エンジンとの相性が良い。スポーツカーは量産実用車と比較すれば燃費性能・排ガス性能を厳しく求められないことも、水平対向エンジンにとって有利な点であるといえる。また大衆車においても、軽量で少気筒数でも低振動であることや冷却性の良さなどから、1960年代頃までは空冷水平対向エンジンが好んで用いられた。しかし気筒配置にかかわらずエンジン振動を低減する技術の進歩、横置きエンジン+FFレイアウトの一般化、低燃費化要求によるロングストローク化、排ガス対策による排気系の複雑化など、上記の水平対向エンジンの「長所」を弱め「短所」を強めるような環境変化が多く、自動車への採用は減っている。そのうえ特に日本では全高・エンジンルーム高ともに高い乗用車が一般化してきたため、この点では水平対向エンジンのメリットは薄れている。低重心のフラットエンジンにより、車両の重心が逆に高くなるとする意見がある。実際に自動車に搭載する場合、フラットエンジンは全幅が大きく、しかもクランクシャフトの高さあるいはそれより下部(下側カムシャフト部など)で最大幅となり、低い位置にある他部品(ステアリング系やサスペンション系など)との干渉を避けるためにエンジンを高く搭載した場合、トランスミッションなどをクランクシャフトの高さに合わせて搭載する必要もあり、車両全体で他形式エンジンより低重心を実現できるとは限らない。したがって、水平対向エンジンの長所を最大限に生かすためには、それにふさわしい車体設計が必要になる。ストローク(シリンダ)を伸ばすとエンジン本体の横幅が大きくなり、縦置きの場合は車体幅を広げる必要があることから、車体幅に制限されトルクを出しやすいロングストロークエンジンが作りにくい。そのため、フラットエンジンではショートストロークエンジンが主流である。かつて水平対向4気筒エンジンの独特の排気音は、「ボクサーサウンド」としてファンから親しまれていた。不等間隔燃焼である片バンクごとに排気管を集合させたことによる、排気干渉による音であり、前側2気筒と後側2気筒をそれぞれ等長排気管で集合させれば、この排気干渉は回避できる。クロスプレーンクランクシャフトのV型8気筒エンジンでも片バンクが不等間隔燃焼であり、やはり「V8サウンド」としてファンに親しまれるが、ボクサーサウンドとも近い音であるといわれる。2015年時点で水平対向エンジンを搭載した4輪車を生産している企業は、日本の富士重工業(トヨタ自動車との共同開発車生産を含む)およびドイツのポルシェのみであり、両社は市販4輪車用の水平対向エンジンを長年にわたり生産し続けている。オートバイではBMWのRシリーズやツュンダップ()をはじめ、その亜流も含めて数社が水平対向式エンジンを生産していたが、開発を続けているのはBMW(BMWモトラッド)、本田技研工業(ホンダ)、ウラルモト、長江モーターワークスのみとなっている。F1のエンジンとして、かつてポルシェやフェラーリ、アルファロメオなどがフラットエンジンを開発していた。特にフェラーリの180°V型12気筒エンジンは、ドライバーズタイトルやコンストラクターズタイトルを獲得するなど、低重心を生かし成功を収めたといえる。しかしグラウンド・エフェクト・カー時代になると、ダウンフォースを得るために車体下面に空気の流れる空間を確保することが重要となり、エンジン左右に空間的な余裕があるV型エンジンが有利となって、低い位置で幅の広いフラットエンジンは廃れていった。フラットボトム規制以降の1990年にスバルがF1に180°V型12気筒エンジンを供給した事もあるが、このエンジンはサイドポンツーンの部分まで張り出してしまい、ラジエーターの冷却効率が落ちるという致命的な問題があり、シーズン途中で撤退した。2000年からF1のエンジンはレギュレーションでV型エンジンに統一されたが、その以前から可能な限り車体後部の左右を絞り込む空力処理がF1では主流となっており、仮に参加が許されていたとしても、幅の広いフラットエンジンにかつてのフェラーリのような成功は期待できなかった。F1以外ではスポーツカーレースにおいて、特にポルシェが水平対向エンジンで活躍している。例えば1982年から1992年に存在したグループCレースでは、市販レーシングカーであるポルシェ・956および962Cが5シーズン連覇している。グループCカーも当初からグラウンド・エフェクトを利用していたが、956・962Cは縦置きの水平対向6気筒エンジンを前下がりに傾斜搭載し、床下でダウンフォースを得るためのディフューザー形状と水平対向エンジンによる低重心とを両立し、効率のよい速さを得ていた。後にメルセデス・ベンツ・C291に180°V型12気筒のM291エンジンが、ポルシェ956・962C同様に前下がりに搭載されたが、水平シリンダーを熟知するポルシェのようなエンジンの信頼性はなく、成功をおさめることなく撤退した。日本におけるナショナルフォーミュラーカテゴリーFJ1600では、すでに乗用車向けとしては生産されていないEA71型を使用する。富士重工業は、FJ1600のためにEA71型をサポートし続けている。鉄道車両、特に気動車においては、直列エンジンの場合にはシリンダーを寝かせた横型のディーゼルエンジンが主流となってきている。そのためフラットエンジンは、そのクランクシャフトの逆側にシリンダーを増設した高出力バージョンという位置づけで開発されていた。なお、気動車において横型が主流であるのは、レールと車体の台枠の間という狭い空間にエンジンを収めなければならないためと、縦型では車体床下中央上部となるシリンダーヘッド周辺のメンテナンスが困難となるためとであり、ともにフラットエンジンであれば問題はない。国鉄で初めての特急形気動車キハ80系には、当時の標準エンジンだったDMH17H(直列8気筒、予燃焼室式、180馬力)が1両に最大2基搭載されたが、この構成では最大でも1両あたり360馬力にとどまり、特急用としては力不足であった。そこで新型気動車の試作開発時に、500馬力のターボ付き30リットル180°V型12気筒のフラットエンジンDML30HSAが開発され、キハ91形に搭載された。直列6気筒のDMF15HZを2基搭載したキハ90形との比較試験の結果、DML30HSの1基搭載が有利であるとされ、その後の特急型・急行形気動車にはDML30HS系エンジンが搭載された。国鉄民営化後になると、直接噴射化しインタークーラーを装着したDML30HZ(660馬力)を搭載したキハ183系を最後に、フラットエンジンの採用は打ち切られた。民営化前後からは小型軽量高出力の直列6気筒エンジンが主流となっており、DML30系などの従来型エンジンがこれに換装された車両も多い。スイス国鉄BDm2/4形気動車に、水平対向4気筒で294kWを発生するGebrüder Sulzer製の4ZG14型エンジンが搭載されていたことがある。現代の小型飛行機が装備する航空用ピストンエンジンは、冷却特性の良さや振動の少なさから、ほとんどすべて空冷の水平対向型である。エンジンのパーツナンバーには対向型(Opposed)を表すO-が付く。「“水平対向”と“180度V型”エンジンの違いは?」webCG

出典:wikipedia

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