カッシーニ (Cassini-Huygens) は、アメリカ航空宇宙局 (NASA) と欧州宇宙機関 (ESA) によって開発され、1997年に打上げられた土星探査機である。カッシーニは、金星→金星→地球→木星の順にスイングバイを行なって土星軌道に到着した。カッシーニには惑星探査機ホイヘンス・プローブ (2.7 m、320 kg) が搭載されており、タイタンでカッシーニより切り離されてタイタンに着陸し、大気の組成・風速・気温・気圧等を直接観測した。カッシーニとホイヘンスよりなる土星探査はカッシーニ・ホイヘンス・ミッションと呼ばれ、欧米18カ国の科学者約260人が参画している。カッシーニの名は、天文学者ジョヴァンニ・カッシーニに、ホイヘンスの名は同じく天文学者クリスティアーン・ホイヘンスに由来する。当初はガリレオ同様に小惑星に接近する計画であったが、予算の都合により断念された。カッシーニが土星軌道に投入されてからの10年間の成果は、以下の通り。また、この間に200万回コマンドを実行し、科学データを514GB収集、土星の衛星を7つ発見、土星の衛星に132回フライバイし、26ヶ国からの科学者が計画に参加、科学論文を3039件発行、土星を206周回実施、写真を33万2,000枚撮影、エンジン噴射を291回実施した。カッシーニの探査の成果(判明したこと)として、衛星や環の発見以外に、次のようなことが挙げられる。木星には独立した嵐が存在し、小さな斑点となって現れることが分かった。木星付近で、一般相対性理論を検証する実験の再現に成功した。すなわち、太陽の近くをかすめるように電波を発射し、太陽の近くを通らない場合より到達に時間がかかることを証明した。これは、重い天体の近くで時空が歪むというアインシュタインの理論と整合する。タイタンには、液体が流れたことによる流路があることが分かった。大気からの降雨があることが確認された、太陽系では地球以外の唯一の天体となっている。タイタンの濃密な大気は、メタンが分解され、それが再結合した炭化水素のような大きな有機分子ができることで作られたことが分かった。タイタンのメタンが、生物由来でないことが強く推測された。カッシーニの総費用は約34億米ドルと、近年の惑星探査においては最大規模の探査機となった。カッシーニ以降、NASAはディスカバリー計画のように低予算・軽量の探査機を打ち上げるようになっている。レーダー・マッパー、CCD撮像カメラ、可視光線・赤外線マッピング分光計、宇宙塵分析器、電波・プラズマ波測定器、プラズマ分光計、紫外線撮像カメラ、磁力計、イオン・中立質量分光計など。
出典:wikipedia
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