さくらやは、首都圏を中心に展開していた家電量販店チェーン。2010年(平成22年)2月28日に全店舗を閉店し、6月30日に解散。バブル期、首都圏では、「安さ爆発、みんなの、さくらや」とTVにてCMも流されていた。1946年(昭和21年)、サクラ屋カメラ店として創業。その後、1963年(昭和38年)に、さくらや初の大型店舗となる「東口店」を新宿駅前に出店。その後も、新宿地区の商圏拡大に合わせて、新宿を地盤とした多店舗化を続ける。かつては「カメラのさくらや」という屋号で展開しており、1970年代から老舗カメラ系量販チェーンとしてヨドバシカメラ、ビックカメラとともにYSBなどと並び評され、TVCMなどのメディア宣伝戦略を駆使して知名度を上げつつ、駅前家電量販店として、日本の高度経済成長期の家電の高機能化、消費者ニーズの高まりに合わせて成長を続けた。1990年代から始まるデフレーション現象、AV機器家電の販売単価下落、競合店とのポイントカードの利率アップ競争激化など、家電量販店同士の消耗戦が始まることになる。さくらやは、一時は他店のポイントカードサービスとは一線を画し、呈示しただけでその場で現金割引を行うキャッシュバックカード(年会費有料)を発行したが、他店との競争で不利になったために、ポイントカード(年会費無料)とキャッシュバック・ポイント兼用カード(年会費2000円)に切り換えた。1990年代末に、ポイントの利率をアップして実質的にポイントカードに移行させ、同時に年会費無料化も行った。首都圏を中心に展開していたさくらやは、家電量販店の競争激化に伴う売り上げの頭打ちを打破すべく、1997年(平成9年)、東北地区初の店舗となる「さくらや仙台西口駅前店」(仙台SEIYUをテナントビルにリニューアルしたEBeanSのキーテナント)を出店した。すでに競合店のラオックス、ヨドバシカメラが巨艦店を仙台地区へ出店(ラオックスとヨドバシカメラは仙台駅東口に出店、ラオックスは2003年に仙台駅東口から撤退)した後の参入であり、店舗面積も前記店舗の約半分(4000m²)と狭く、立地も駅からやや遠い利便性の悪さも重なり、売り上げ不振で約2年後に撤退となった。東北地区への出店失敗は、静岡市(JR静岡駅南口駅前)への進出計画を白紙撤回するなど、多店舗化にブレーキを掛けた。このような「多店舗展開の見直し」が及ぼした影響は小さくなかった。ヨドバシカメラ・ビックカメラと、ロードサイド型店舗で躍進してきたコジマ・ヤマダ電機・ケーズデンキなど他の競合店が、新規出店・規模の拡大で、取引メーカーとの販売数に応じた販売リベートの条件や卸値価格を有利に進める中で、新規出店をストップしたさくらやだけが、リベート・卸値などの好条件を得られ難くなった。また、競合店舗が多い同社の主力店舗が密集する新宿地区では、価格競争力を維持するため、販売価格を値下げして薄利多売を続け、経常利益は低下することになった。1990年代の業績の頭打ち、多店舗化の遅れで低迷する中で好感接客をキーワードとした他店との差別化を図った。接客重視をメディア・TVCMに宣伝、利用客へ余計な声かけはしないことをアピール、販売員の接客スキルアップ教育を重視してリピーター客を増やす戦略を取った。利用客からは、販売員からの余計な声かけやセールストークもなく、じっくり品定めができた点は評価された。しかし、消費者の流れを取り込むまでは至らなかった。ヨドバシカメラやビックカメラのような積極的な声かけやセールストークの商品販売力の売り込みに対して強みが無いと評され、更なる販売力鈍化に見舞われたため、後年この戦略は見直された。かつての3カメ時代の勢いは失い、2000年代に入るとついに債務超過に陥る。首都圏から東北地方にかけての広域な店舗展開が仇となり経営危機に陥ったラオックスと同様に、早急な経営基盤の強化・事業の再構築が求められた。2004年に、日本の投資ファンドであるフェニックス・キャピタルから数十億円規模の出資を受け、同社の傘下となり経営再建に乗り出す。抜本的な資本体質の改善を目的として、2005年1月に、経済産業省へ「事業再構築計画書」を提出。計画承認後、フェニックス・キャピタルによる債務超過分を解消、自己資本回復を目的にする増資が行われた。2005年3月には、自社ウェブサイト上のWebショッピングサイト部門さくらやNetsを休止。以後、公式サイトは店舗案内サイトとして設営されていた。2005年5月頃から、JALカードのショッピングマイルが倍付与となる「特約店」となり、ポスターを掲示するなど購買客へアピールしていたが、1年余りで契約を終了した。2006年12月1日に、ベスト電器に対する第三者割当増資を実施し、ベスト電器が40%の株式を引き受ける。ベスト電器専務取締役(当時)の深澤政和がさくらや社長を兼務する形で就任し、ベスト電器グループ傘下となった。以後、同グループのネットワークを生かした共同仕入れを実施したコストダウンを進め価格競争力の維持・経営再建を進めた。2007年には、旧本店の新宿店が閉鎖、パソコン館は家電も扱う新宿3丁目店へ転換するなど、店舗の統廃合や転換を主力の新宿地区で実施している。2008年3月10日、ベスト電器がフェニックス・キャピタルから残る株式60%全てを取得し、さくらやを完全子会社化した。2008年9月26日、川崎店のオープンから約5年ぶりとなる新店舗・レイクタウン店をオープンさせた。その一方で、売上高で同社最大規模の店舗でありながら、近隣のヨドバシカメラ・ビックカメラ等との競争で収益力が低下していた新宿西口駅前店(新宿パレット)を、2008年12月31日に閉店した。跡地には、2009年4月24日にユニクロ新宿西口店が入居した。ベスト電器は、2001年9月に、タカシマヤタイムズスクエア内に新宿高島屋店を出店していた。しかし、2008年後半にビックカメラとも資本提携を結んだため、新宿地区において店舗を擁しているさくらや・ビックカメラとの兼ね合い、自店の売上不振、同社の郵便法違反容疑に関する不祥事によりデベロッパーである東神開発(高島屋関連会社)が賃貸借契約の更新に難色を示した等の理由から、2009年8月31日に閉店・撤退した。また、この資本提携から、ベスト電器がメーカーに特注したカスタマイズ製品(家電・デジタルカメラ等)を、ビックカメラ・さくらやにおいても販売を行うようになった。2010年1月12日、親会社の株式会社ベスト電器は、自社の業績が低迷する中、営業赤字が続いている株式会社さくらやの業績回復の目処が立たないことから、2月28日までにさくらや15店舗すべてが閉店、さくらや事業からの撤退を発表した。それと同時に、当時の親会社のビックカメラが複数店を引き継ぐ方針である事も明らかにされた(その時点で、具体的な店名は明らかにされず)。同月26日に、閉店する店舗のうち、新宿東口駅前店、聖蹟桜ヶ丘店、相模大野店、船橋店の4店舗に関して、ビックカメラへの継承を発表。同年3月1日を目処に開店する予定と発表された。2月12日にビックカメラ継承店舗の開店予定が発表され、継承店舗については、3日から2週間繰り上げて閉店。部分開業を経て全面オープンの形を取る事になった。2月28日に、残りの11店が閉店、すべての店舗が閉鎖された。株式会社さくらやは、2010年6月30日付で解散され、2010年7月20日に東京地方裁判所から特別清算の開始決定を受けた。特別清算手続を行った後、2011年7月27日に東京地方裁判所が会社の清算手続終結決定を行い、名実ともに消滅した。またホームページドメインは公式サイト閉鎖まで使用されていたが、現在は栃木県足利市にあるさくら屋不動産が使用している。名称は「SAKURAYA POINT CARD」。白濁リライト式の磁気カードで保有ポイントや有効期限、前回利用店名などが表示されていた。現在の現金払いによるポイント基本還元率は10%で、一部のゲーム機本体は3〜5%であった。ヨドバシカメラ等他カメラ量販店がポイント還元率を20%まで引き上げたことから2005年以降、家電やパソコンなど高額商品を中心に20%まで引き上げるセールを週末を中心として不定期に実施した時期もあった。クレジットカード、商品券、ショッピングクレジットで支払った場合は還元ポイントから20%減算(10%→8%、20%→16%)されていた。全店舗閉店を発表した翌日の2010年1月13日以降はいずれの場合もポイント加算がなくなった。かつてはカードを提示すると5%程度の値引きを行う年会費税抜2000円の「キャッシュバック」カードもあったが、経営施策によりポイントカードへ一本化された。さくらやがあいおい損害保険(旧:大東京火災海上保険、現:あいおいニッセイ同和損害保険)と総合動産損害保険を団体契約して提供している購入商品長期保証サービス。1万円以上の製品を購入時に3〜5%の掛け金を購入者が支払うことで購入日から3〜5年間、故障・事故(落下・水漏れ・火災等)で修理費用が補償(保険)で定められた金額(購入額の9〜2割)までカバーされていた。実損額が補償金額を上回った場合は補償上限額迄を「さくらや商品券」で払い出し、店舗で差額を足して代替品を購入することになっていた。2000年代に家電量販店各社が開始した5年間などの延長保証サービスと異なり、補償上限額までは何度も適用され、自然故障以外の事故でも適用される点が利点であった。さくらや全店舗が閉店した2010年3月1日以降、さくらやの「ポイント」「さくらやギフト券」「HOT安心補償」については、ベスト電器のうち東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県に所在する主要13店舗で対応していたが、ベスト電器がヤマダ電機の傘下となった直後の2013年2月28日を以って、HOT安心保証サービスは終了した。また、当時のベスト電器の筆頭株主であったビックカメラも、3月1日以降、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県に所在の21店舗で、さくらやポイントをビックポイントに移行する手続を受け付け、全国のビックカメラ店舗で利用できるようになっている。営業最終日の2010年2月28日まで営業していた店舗は★印、ビックカメラへ継承した店舗は☆印を、タワーメガネへ継承した店舗は■印をしてある。POSシステムは東芝テック製のものが使用されていた。
出典:wikipedia
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